【インタビュー】マルコ・メンドーサ
「道路の角を曲がると何かが待ってい
る」

2018年5月23日に日本発売となったNozomu Wakai's DESTINIAのニュー・アルバム『METAL SOULS』に関し、ベーシストとして参加を果たしたマルコ・メンドーサ(ホワイトスネイク、ブルー・マーダー、ザ・デッド・デイジーズ)が、自らのプレイを語った。彼はまた、2018年6月のザ・デッド・デイジーズ来日公演、そして1月に亡くなった盟友ドロレス・オリオーダンの思い出なども話してくれた。
──ザ・デッド・デイジーズの『バーン・イット・ダウン』と2018年6月のジャパン・ツアー、ソロとしての『ヴィヴァ・ラ・ロック』、そしてNozomu Wakai's DESTINIAの『METAL SOULS』と、本当に大忙しですね。
マルコ・メンドーサ:ははは、トゥー・マッチではないといいけどね。「またマルコ?もうウンザリだよ」なんて言われなければいいんだけど(笑)。忙しいのはいいことだ。道路の角を曲がると何かが待っているんだ。ザ・デッド・デイジーズだってDESTINIAだって、曲がり角の向こうでいきなりサプライズで出くわしたんだ。でも、これだけは言っておきたい。家にいては何も起こらない。外に出て、いくつも曲がり角を歩かないと、その向こうにある“何か”には出会えないんだよ。俺の人生はすごく幸運だったと思う。もう長いあいだこのビジネスでやっているけど、今が一番忙しいね。いろんな人に声をかけてもらえて光栄だよ。常に感謝している。感謝の念を失ったら、それは正しくないと思う。それに、スリルを感じ続けることが大事だよ。そんな中でも、DESTINIAは特にスリルを感じたプロジェクトだった。トミー・アルドリッジと一緒にやるのはいつだって楽しいしエキサイティングだ。そしてノゾム・ワカイ、何てヤツだ!あんな凄いギタリストと出会えたことを誇りにしているよ。
──DESTINIAのアルバムへの参加は、どのように決まったのですか?
マルコ・メンドーサ:日本のレコード会社、ワード・レコーズはザ・デッド・デイジーズをすごく良くバックアップをしてくれている。<ラウドパーク16>と単独公演、2度も日本でショーができたしね。彼らとビジネスをするのはいつだって楽しい。そんなとき、ノゾム・ワカイという若いギタリストと一緒にやってみないか?というオファーがあったんだ。デモを送ってもらって、すごく気に入った。俺が聴いて育った1970年代から1980年代スタイルのソングライティングとギター・プレイでありながら、すごく新鮮なアプローチだったんだ。俺ぐらいの年齢のロック・ファンがアイデンティファイできる音楽性で、それでいて古臭くない。当初はアルバムの2~3曲でプレイするという話だったけど、だんだん話が大きくなって、結局全曲でプレイすることになった。
──『METAL SOULS』でドラムを担当しているトミー・アルドリッジとは長い付き合いですね。
マルコ・メンドーサ:ジョン・サイクスの『20thセンチュリー』(1997)が最初だったと思う。それからホワイトスネイクでも一緒だったし、シン・リジィやテッド・ニュージェントのバンドでも共演した。俺たちは最強のタッグ・チームなんだ。俺がどこかのバンドでベースを弾くことになって、ドラマーが決まっていない場合、声をかける相手はだいたい決まっている。トミーかディーン・カストロノヴォ、ブライアン・ティッシー、ケニー・アロノフ、フランク・フェラー...その中でもトミーとは付き合いが長いし、友達なんだ。彼の結婚式にも出席したよ。ノゾム側も当初からドラマーにトミーをイメージしていたらしいけど、俺もこのバンドには彼がベストだと確信していたし、「誰かおすすめのドラマーはいる?」と訊かれて、真っ先にトミーの名前を挙げたんだ。彼とは長年一緒にプレイしてきたし、人間的にもピッタリ合う、敬意を持つことができるマイ・ブラザーだ。トミーもノゾムのギターとソングライティングにすごい才能を見出して、スリルを感じていた。トミーは何十年もやっているのに、今が絶頂期だ。『METAL SOULS』での彼のドラミングは脳天杭打ちみたいだよ。
──『METAL SOULS』のラインアップでライヴを見たいです。
マルコ・メンドーサ:うん、ぜひDESTINIAでショーをやりたいね。『METAL SOULS』の曲はライヴでさらに素晴らしいものになると信じている。この4人のスケジュールを調整するのは難しいけど、全員が同じ方向を見ていれば、きっと星が一列に並んで、実現するだろう。
──2018年6月にはザ・デッド・デイジーズとしての日本公演が行われますが、どんなライヴになるでしょうか。
マルコ・メンドーサ:ザ・デッド・デイジーズは俺の知る限り、世界で最高のミュージシャン達が集まった、最もハード・ワーキングなバンドだ。このバンドが成功しなかったらロックンロールには未来がないと思うよ。自惚れではなく、本気でそう思うんだ。ダグ・アルドリッチは現代のロック界で最もホットなギタリストだし、ジョン・コラビは素晴らしいシンガーでソングライターだ。デヴィッド・ローウィはクールなリズム・ギタリストで、俺とのコンビネーションもがっちりタイトだ。ドラマーのブライアン・ティッシーとやるのも楽しかったけど、彼は別のプロジェクトがあって、バンドを抜けなければならなかった。今回日本に来るディーン・カストロノヴォとは、ニール・ショーンとソウル・サーカスで一緒にやったけど、ミュージシャンシップとテクニックを兼ね備えた現代最高のドラマーのひとりだ。ダグもディーンとレヴォリューション・セインツで共演しているし、みんな気心知れた仲間なんだ。全員が情熱を持っている。
──ところであなたのソロ・アルバム『ヴィヴァ・ラ・ロック』収録の「ロケットマン」という曲は、北朝鮮の政治体制と関わりがあるでしょうか?
マルコ・メンドーサ:いや、北朝鮮についての曲ではないし、エルトン・ジョンとも関係ないんだ。去年とあるセッション・レコーディングでコペンハーゲンにいて、ソレン・アンダーセンとスタジオにいたんだ。そのときテレビで、ロケット発明家が自作の潜水艦で女性ジャーナリストを殺害した事件が報じられていた。デンマーク滞在中、どこに行ってもその話題で持ちきりだったんだ。ソレンと話していて、その発明家がデンマークで“ロケットマン”と呼ばれていることを知った。アリス・クーパーの歌に出てきそうな奇妙なキャラだと思ったよ。俺が生まれて初めて見に行ったライヴがアリス・クーパーだったんだ。曲を書き始めたら、2時間ぐらいで完成してしまった。それが「ロケットマン」なんだ。決してポリティカルなメッセージ・ソングというわけでなく、人生の一瞬を切り取ったスナップ写真だよ。決して社会のネガティヴな側面を取り上げることは好きではないけど、自分の心を動かした出来事だったんだ。
──2018年1月15日に亡くなったドロレス・オリオーダンとは何度も共演していましたが、彼女との思い出を教えて下さい。
マルコ・メンドーサ:ドロレスは尊敬出来るアーティストであり人間だった。それと同時に、俺の妹のような存在でもあった。彼女のソロ・アルバムでレコーディングやライヴ活動で共演したけど、常にビューティフルな経験だったよ。彼女の元夫のこともよく知っていたし、ファミリーだった。彼女が亡くなって、胸が張り裂けそうだった。彼女が亡くなってから毎日、思い出さない日はないよ。

Nozomu Wakai's DESTINIA『METAL SOUL
S』

2018年5月23日発売

【通販限定 直筆サイン入り写真付き初回限定盤CD+ボーナスDVD+若井望デザインTシャツ+フォトカード5枚セット】¥8,000+税

【初回限定盤CD+ボーナスDVD】¥3,500+税

【通常盤CD】¥2,500+税

※日本語解説書封入/歌詞対訳付き

1.Metal Souls

2.Rain

3.The End of Love

4.Promised Land

5.Take Me Home

6.Raise Your Fist

7.Be a Hero

8.Metamorphosis

9.Cross The Line

10.JUDGEMENT DAY

11.Ready for Rock(初回限定盤ボーナストラック)

DVD

・ミュージックビデオ:

◎Metal Souls

・インタビュー映像

・ビハインド・ザ・シーン:

◎アルバム制作風景

◎ミュージックビデオメイキング
【メンバー】

若井 望(ギター)

ロニー・ロメロ(ヴォーカル)

マルコ・メンドーサ(ベース)

トミー・アルドリッジ(ドラムス)

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着