しんのすけ(左)と矢島晶子

しんのすけ(左)と矢島晶子

【記者リポート】矢島晶子「クレヨン
しんちゃん」降板を発表 その魅力は
“ユーモア”と“優しさ”にあり!

 テレビ朝日系列で放送中のアニメ「クレヨンしんちゃん」に、野原しんのすけ役で出演中の声優・矢島晶子が6月29日の放送を最後に降板することを、1日、テレビ朝日が発表した。矢島本人から降板の申し出があったという。矢島の出演は、1992年4月13日の番組放送開始から26年3カ月となる。矢島は同局を通じ、「しんのすけの声を保ち続けることが難しくなったため」と降板理由を説明した。
 4月には、劇場版アニメシリーズ26作目となる『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~』が公開されたばかり。同月14日に都内で行われた公開記念舞台あいさつは、「しんちゃん」として愛され続けてきた矢島の人柄が、記者にとっても強く印象に残るものとなった。
 この日、矢島は、野原みさえ役のならはしみき、野原ひろし役の森川智之、ゲスト声優を務めたももいろクローバーZらと登場。一緒に登壇した着ぐるみの「しんちゃん」におなじみの声を当て、「みさえ」や「ひろし」と息ぴったりの寸劇を披露して、場内を盛り上げた。
 ところが、この日の来場者は主に親子連れ。「しんちゃん」と「矢島」の姿が頭の中で結びつかずキョトンとした表情の子どもを前にして、矢島は「誰、誰…!?となっているよね。顔と声が違うと気持ち悪いよね」と苦笑しながら謝罪。
 続けて「こんにちは、物まねおばさんだよ。これで食っているよ」とユーモアたっぷりにあいさつして、笑いを誘った。その後“地声”に戻した矢島は「おかげさまで映画が26作目。テレビアニメも27年目。こんなに長く愛していただけたのも、応援してくださる皆さまのおかげです」と感謝を述べた。
 「しんちゃん」と一体となった矢島は、ももクロメンバーとの絶妙な絡みも披露。終始、会場を沸かせた矢島だったが、最後のあいさつでは、「ちょっと私事なのですが、みさえの故郷の熊本ですが…熊本地震から今日で2年たちました」と切り出した。
 熊本に知り合いがいるという矢島。「この会場から(銀座にある)熊本のアンテナショップさんが近いらしいので、もしお時間がありましたら寄ってみてください。あと、お土産で頂く(郷土料理の)からしれんこんもおいしいですけど、あれは当地で食べたほうが“めっちゃ、うまいのね!”。なのでぜひ、熊本に行ってみてください!」と、しんのすけの声を織り交ぜながらアピールした。
 最後は「『明るいごあいさつを…』とスタッフの方に言われていたのですが、真面目なごあいさつですみません」と頭を下げながら、「最近ちょっと地震とかが多いので、皆さんもお気をつけくださいね」と観客を気遣った。
 1日に発表された矢島のコメントには、ファンへの感謝と共に、今後も声の仕事に邁進していく旨が記されており「また別の機会に他のキャラクターでの私の演技を受け取って頂けましたら幸いです」と結ばれている。これからも矢島はその声と人柄で、人々を魅了し続けてくれることだろう。(山中京子)

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