「腹黒王子」が揃い踏み!堂本光一と
井上芳雄が夢の競演 ミュージカル『
ナイツ・テイル~騎士物語~』製作発

2018年5月31日(木)都内にてKinKi Kids堂本光一とミュージカル界を牽引する井上芳雄が共演するミュージカル『ナイツ・テイル~騎士物語~』の製作発表が行われ、堂本、井上と、共演の音月桂、岸祐二、大澄賢也、島田歌穂、さらに脚本・演出のジョン・ケアード、振付のデヴィット・パーソンズ、ケアードの妻であり、本作の日本語脚本・歌詞を務める今井麻緒子、そして東宝取締役演劇担当・池田篤郎が登壇した。この模様をできるかぎりたっぷりお伝えしよう。
本作はシェイクスピア最後の作品として知られる『二人の貴公子』(共作・ジョン・フレッチャー)をもとにケアードが新たな命を吹き込むダンス・ミュージカル。
帝国劇場にて7月に上演される本作。製作発表では、冒頭、稽古初日の模様がスクリーンで流される。その後登壇したメンバーは、挨拶と共に今の心境などが語られた。
ジョン・ケアード(右)、今井麻緒子
ケアードは「光一さんと芳雄さんで何かいい作品ができないだろか、と東宝からオファーを受けました。二人は全く違う背景を持ち、光一さんは音楽、芳雄さんは演劇…この二人が共に仕事をすることでいい緊張感が生まれると思います。ですが、男性同士が同等の立場で登場する作品…例えば『ロミオ&ロミオ』みたいな作品を探すのは非常に難しかったです」と語り、そこからシェイクスピア最後の作品『二人の貴公子』にたどり着いたと話した。
デヴィッド・パーソンズ
パーソンズは「本作は、ダンスによって物語を進めていく作品となります。作中で描かれるダンスや闘い、そしてコメディにキャストの方々が一丸となって取り組んでいただきたいと思います」と手短に挨拶。
堂本は、2000年からスタートした『SHOCK』シリーズで帝劇初舞台、一方、井上も同年のミュージカル『エリザベート』ルドルフ役で帝劇初出演したという縁を持つ。
以下、堂本、井上ほか、キャストらのコメントを紹介する。
堂本光一
■堂本光一(テーベの騎士・アーサイト役)
ちょっとこの場の空気を壊そうと思います…ヤバイでしょ(笑)!まず、この時点でここはどこの国かと思うくらいです。いつか芳雄君と一緒にやりたいね、と言っていたんですが、ジョンがその想いを受け止めてくださり、一つずつ形となっていきました。でも、まだ信じられないという思いです。正直ここに自分が飛び込んでしまったことは大変なこと。できれば客席で観たい、などと言ったらきっと怒られますけれど(笑)。右を見ても左を見ても素晴らしい方たちと共にできるということを嬉しく、おそれ多く、そして怖い、と感じています。
昨日から芳雄くんは稽古に入ったんですが、それまでこの仕事より素敵な仕事をやっていて…(「口が悪いでしょ!」と井上が笑いながら突っ込む)ついに一緒に稽古が出来ることを楽しみにしています。(会場に飾られた舞台の上半身裸のポスターを見ながら)このポスターのようにステージ上で脱ぐシーンがあるのか…もしそんな場面があるなら芳雄くんは「舞台を降りる」と言っていました(笑)。
井上芳雄
■井上芳雄(テーベの騎士・パラモン役)
5月24日に顔合わせがあり、その足で僕はニューヨークに飛び、トニー賞(6月11日WOWOWにて生中継)のレポートをしてくる仕事があり、ほとんど稽古に参加できてなくて、皆さんにもなじめておらず、非常に感じの悪い人になってます(笑)。僕が演じるパラモンは光一くんが演じるアーサイトの従兄弟という関係。二人は友人でありライバルという役柄ですが、ジョンは『アーサイトとパラモンはお互いの事を羨ましがっている。だからこそ信頼もおけるしいがみ合うこともある』と説明してくれました。僕は別に光一くんになりたい、などと大それたことを思ったことはないんですが、でもどこかですごいなと思っていました。僕らが仕事で交わるということは想像していませんでしたが、すばらしい方々のおかげでこの日を迎えることができました。これまで光一くんは『SHOCK』を長年続け、何の問題もない世界にいたのに、そこから一歩外に踏み出そう、と思ってくれた事がすごいと思うんです。そこにはリスクもあるだろうし(『後悔も…』とボソッとつぶやく堂本)後悔って…今更遅いから(笑)!そんな光一くんの心意気に共感しました。そうでないと人生おもしろくないし、生きている楽しさもないと僕も思うんです。光一くんが外の世界に飛び出してよかった、と思えるように僕も助けていきたいです。
僕はホームグラウンドで光一くんを迎え入れる立場、だから今回は余裕でできるのかな~と思っていたんですが、この作品が“ダンス・ミュージカル”だと聞きまして…『それ、聞いてないよ』と(笑)。僕はダンスを得意としていませんし、新しいポスターの僕の裸は筋肉を盛って描いていただいているくらいですから(笑)。光一くんはこのままの肉体ですけどね。(ケアードが「このポスターくらい、芳雄に筋肉を付けさせますからと口を挟む)…僕は筋肉が付かない体質なんですよ(笑)。ともあれ、僕にとっても全然楽な舞台にはならないと思うので、二人で力を合わせて新しいリスクを背負って踏み出していこうと思います。
音月桂
■音月桂(アテネ大公シシーアスの妹、エミーリア役)
音月「当時女性が結婚相手を決めることは難しく、特に位の高い女性は、家のため、国のために政略結婚をせざるを得ない時代の中で、エミーリアは独立心が強く、芯の強い女性だなと感じました。その女性が二人の騎士に出会ったことで変化し、気持ちも自立していく姿は舞台を観てくださる方にも共感していただけると思います。帝国劇場に立つのは初めてです。これまでは一観客として拝見する立場でしたが、憧れの劇場に立てることを今から楽しみにしています。国民の王子様、国民のプリンス…のお二人と共演させていただける今回、宝塚では男役として王子様を演じる方が多かったんですが、ああ今回は女性役でいいんだ!と思っています。(堂本「音月さんがナイトをやったほうがいいんじゃない?」井上「3人でナイトをやろう」と横から茶々を入れ、音月が噴き出す)幸せな事だなと思い、幸せを噛みしめながらいい作品を作れるように、この作品の一ピースになれるようにやっていきたいです。
岸祐二
■岸祐二(テーベの敵国アテネの大公シーシアス役)
できれば僕の名前だけでも憶えて帰っていただきたいと思っています(笑)。僕はケアードさんが演出した2003年の帝国劇場『レ・ミゼラブル』にアンサンブルとして初めて帝劇に立たせていただき、それから15年、2007年『レ・ミゼラブル』でアンジョルラスをやりましたが、それを経て、ケアードさんが演出するこの作品のメインキャストの一人としてまたここに再び立てることを光栄に思っています。シーシアスは光一くん演じるアーサイトと芳雄くん演じるパラモンを捕虜として投獄し、妹に綺麗な音月さんを迎え、さらに僕にとって伝説の歌姫である島田歌穂さんを嫁にする、というこんな興奮する出来事は人生そうそうないと思いながら稽古をしていました。また先輩の大澄賢也さんは、僕にとってはお兄さんのような人です。和洋折衷の舞台を楽しみにしています。
大澄賢也
■大澄賢也(森の楽団のダンス指導者ジェロルド役)
主役の二人には縁を感じています。光一くんとは25年くらい前、ドラマ『家なき子』で共演、当時光一くんは中学生でしたね。そして芳雄くんとは『ウェディング・シンガー』で共演…一人ひとりが帝劇を1か月、2か月、3か月とソールドアウトにするような人が合わさったこの舞台はどうなっってしまうんだろう、そこにケアードさんやパーソンズさんが加わるなんて本当に贅沢な舞台になると思います。自分も30数年踊ってきましたが、またこの作品では新人のつもりで皆と一緒に楽しみながら、いろいろな事を吸収するつもりでやっていきたいです。
島田歌穂
■島田歌穂(アマゾンの女王ヒポリタ役)
アマゾンと言っても南米の樹林ではなく、ギリシア神話に登場する女性だけで構成される部族「アマゾネス」の女王です。女王としてのプライドと女性としての揺れ動く心情を抱き、非常にエネルギーと威厳が求められる役です。ケアードさんと初めてお会いしたのは今から32年前、『レ・ミゼラブル』初演のオーディションでした。私の人生を大きく拓いてくださった、心から慕い、尊敬している一生の恩人だとおもっています。2006年の『ベガーズ・オペラ』でもジョンさんとご一緒しましたが、この度、大人な役どころで出演できることを楽しみにしています。新作ミュージカルが作られていく瞬間瞬間を味わっていけるんだなと今から楽しみです。全身全霊で取りくんでいきたいです。
■上白石萌音(牢番の娘役)※都合によりこの日は映像出演
小さい頃からミュージカルが大好きで、この仕事を始めたのもミュージカルをやりたいからと思ったくらいです。今回大先輩たちと一緒に舞台に立てること、またジョンさん、デヴィッドさんはじめ世界的なスタッフの皆さまとご一緒できることを大変光栄に思い、楽しみにしています。帝劇は初めてです。先輩の皆さんの背中を追いかけていきたいです。
記者との質疑応答では、堂本と井上の舞台人として共通の魅力を「カリスマ性」と語るケアード。井上とは『キャンディード』『ダディ・ロングレッグス』で仕事をしているが故に多くを語らなかったが「光一さんの『SHOCK』を観にいったときには驚きました。3時間くらい全然止まらないんです。それを1日2回されているのに、今もまだ生きているのが奇跡だと思います」と表現すると、横で堂本が笑い転げていた。
そんなケアードの言葉に、堂本は「僕が生きているのが信じられない、とおっしゃいましたが、僕はただ身体を張るしかなかったんです(笑)。ちがう意味で今回『生きること』が大変だろうなと思っています。そういう緊張感をもってやらせていただこう、ジョンの期待を裏切らないようにやっていきたいと思います」とコメント。
また井上は「この物語の説明を聞いていると、あれ?ジョンはシェイクスピアと友達だったっけ?今何歳なのか?と思うくらい、シェイクスピアから直接聞いてきたように話すんです。ジョンは演劇の魔法を使える人だと思います。その演劇の魔法がこの作品にも施されると思います。またこの作品を今の時代にやる意味をジョンも考えていると思います。ネタバレになるのであまり言えませんが、この結末は今までの帝劇作品としては違うテイスト、でもそれが新しく、ジョンらしい作品だと思います」と本番への期待を持たせていた。
製作発表後、囲み会見の場では、堂本と井上の共通点について話が及んだ。
井上は「東宝の方やファンの方から『光一さんと芳雄さん、似てるんじゃないですか』と言われるんです。言ってる事が似ていたり、ファンの人のイジり方とか…毒を吐くところとか」その言葉に堂本は「そこか~」と笑い崩れる。続けて井上は「王子様と言ってもらいがちですが、年齢もいい感じですし、それだけじゃダメだと思っていたんです。でも、光一くんもそんなに毒づいたりしてるんだと知って、なんだか親近感を感じます」とブラックな笑顔を浮かべる。すると話を聞いていた岸が「僕らの中では(二人を)“腹黒王子”と呼んでます」と突っ込み、一同大爆笑。
盛り上がる堂本さんと井上さん、そしてリポーターの岸さん!?
稽古場での堂本の様子について、音月は「圧倒的なカリスマ性があって、光一さんが稽古場に現れるとシュッと吸い込まれそうになります」と言うと、「え?そうですか?どっちかというとボヨ~ンとしていますが。僕はスロースターターなんです。皆さんからすれば『おい、何を言ってるんだ』でしょうが、この現場、稽古が11時スタートなんです。「早ぇ~」って思っています(笑)。芳雄くんは帰国したばかりの時差ボケですが僕は毎日時差ボケ状態です」
そんなお互いの王子っぽい点は?と聞かれた井上は「最初は『ウェルカム!イェイ!イェイ!』って雰囲気ではないけれど、ちょっとずつ心を開いてくれると『あ、心開いてくれている!』ってキュンとしますね」と表現。
一方堂本は「芳雄くんのこの声も素晴らしいし、この身長差だから嫌になっちゃう。すべてが素晴らしいですね。その上で腹黒いところは共有していきたいですね」と笑顔を見せた。
本作は、和太鼓の三浦公規、津軽三味線の織江響など、邦楽の奏者も加わる。これについてケアードは西洋と日本を融合させたい、二つの文化から新しいものを作りたい」と熱を込めていた。衣裳、音楽、舞台装置などにも日本の文化が織り込まれていくといく『ナイツ・テイル~騎士物語~』。全貌が明らかになるその日まで、楽しみに待ちたい。
【おまけ】パネルの上白石さんに「お疲れさん」と手を振る岸さん
取材・文・撮影=こむらさき

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