【インタビュー】 彼女 IN THE DISPLAY「男心をくすぐる一枚」メジャー作は攻めの姿勢に

【インタビュー】 彼女 IN THE DISPLAY「男心をくすぐる一枚」メジャー作は攻めの姿勢に

【インタビュー】 彼女 IN THE DISP
LAY「男心をくすぐる一枚」メジャー
作は攻めの姿勢に

音楽家として音楽に集中できるようになった
──メジャーデビューおめでとうございます!アーティスト写真もジョジョ立ちではなくなったんですね。
2人:ありがとうございます!
海 THE KID:やめました。前回のプロモーションがジョジョの話でほとんど持ってかれてしまったので…(笑)もうするか!!って。

──今後ジョジョ立ちはされないんですか?
海 THE KID:それよりバンドの良さを伝えていきたいなって。

──アーティスト写真がかなり変わられていたので、驚きましたよ。
海 THE KID:そうですよね。ファンの方からも驚いたって言われました(笑)素材が良かったんですけど、料理の仕方が悪かったのかなって思います。(笑)

──メジャー進出になってからインディーズの頃と比べて心境の変化はありましたか?
海 THE KID:かなり変わりました。まず音楽家として音楽に集中できるようになったといいますか、助けてくれるスタッフも沢山いるので、音楽の事だけを考えていればOKという感じになっています。
RYOSUKE:僕も海さんが言ってくれた通りなんですけど、そのスタイルをブレずに突き詰めていくのが、逆に言えば僕等の仕事だなっていう風に思えるようになりました。

──メジャー進出が決まってから、メンバーさんの間で深く話し合われたのでしょうか?
海 THE KID:してないかな。相変わらず飲み続けていますね。
RYOSUKE:多分、前の方がミーティングは多かったです。
海 THE KID:インディーズの頃は何かを決定するときに、必ずミーティングをしていました。それは、お互いのイメージの確認をしないと不安だったからかもしれません。今はそれがないですね。メジャーに行ってからは音楽の事をナチュラルに考えられる風になったし、関係値がめちゃくちゃ良くなったんです。

──吉田弘輝さん(Gt)、逸見豪一さん(Key)、松永健太さん(Ba)はお変わりないんでしょうか?
RYOSUKE:そうですね。弘輝くんは、酔うとまじでやばいっすよ。(笑)
海 THE KID:ああ。あと、逸見は勢いが増してきましたね。昨日も2時ぐらいまで一緒に飲んだんですけどね。
RYOSUKE:でも一番勢いが付いたのは海さんじゃない?ずっとふざけているんですよ。
海 THE KID:俺はお腹の刺青が増えたくらいですよ。あと、RYOSUKEが楽しそうだなっていうのは見ていてよくわかります。表に立っている人間だから、今まで一番ストレスを抱えていたんですよ。誹謗中傷や賛否両論も一番受けるしね。でも今は何も気にしなくなったというか、5人で受け止めれられるという感じになったので。
RYOSUKE:ライブもめっちゃ楽しいです。

──皆さん、かなり心境がすっきりされたという感じですね。
RYOSUKE:前はキャラクターを考えて行動していた事も多かったんですよね。
海 THE KID:でも自然に出る言葉を言った方が良いなって思うようになれたというか。昨日逸見くんと飲んでいたときに、逸見くんが「取材とかラジオとかで自分の考えを残すべきなのか、バンドでの自分の考えを残すべきなのか?」っていう話をしていて。それを聞いて俺とRYOSUKEもそういう時期がかなりあったんですよ。けど今言えるのはどちらでもないというか。「その時聞かれて思った事を言えばいい。もし言っちゃいけない事だったとしても、それを訂正してくれる人は周りにいっぱいいるし」って言ってくれて。そのおかげでナチュラルに話が出来るようになりました。
RYOSUKE:逆に言ってくれた方がいいですね。違うと思ったら違うって言ってくれたら話も出来ますし。そういうのも全然ラフに話しています。

──お二人はアニメ好きでしたが、最近はアニメを見たりはしないんですか?
RYOSUKE:アニメを見る時間は正直全然ないですね(笑)
海 THE KID:多分ですけど、今それよりバンドが楽しいんだと思います。音楽がひと段落すればまた見る事もあるかもしれないですね。
RYOSUKE:見だしたらまた止まらなくなりそうだから…。
俺らは少年心をくすぐらせるバンドにこれからもなっていこう
彼女 IN THE DISPLAY『get up』
──新作『get up』の歌詞を全て拝見しましたが、RYOSUKEさんの歌詞はぶれていないですね。
RYOSUKE:あ、本当ですか!?実は僕自身めちゃくちゃぶれていたんですよ(笑)歌詞はそうでもないかもしれないんですが、人間としてはブレブレでした。

──そのぶれていたという時期は、どういう感情が強かったんですか?
RYOSUKE:早く終われって思っていました(笑)
海 THE KID:追い込まれていたんですよ。スランプ状態で。
RYOSUKE:ある意味そういった事にもピリオドを付けたいというものもあったし、自分の中での固定概念が招く事でパニックになったりもしました。『get up』が出来てからバンドが良い状況になりましたね。出来上がって良かったなって思う反面、自分としては、悔しさが残る部分もありました。
──「早く終われって思ってました」とおっしゃっていましたが、それを脱出する事が出来たきっかけはあったんでしょうか?
RYOSUKE:それは制作が終わって、出来上がった完成品の音を聴いてライブのスタンスを変えようかってなってからです。5曲目に収録している『KVE』は激しい感じなんですけど、それを作ってから救われたかなっていう感じがありますね。

──『KVE』は今までの中でも、シャウトがあるかなり激しめなテイストでまとめましたね。
海 THE KID:そうですね。
RYOSUKE:元々そういう感じが凄く好きなんですよ。試しにやってみたらOKがもらえたんで。
海 THE KID:インディーズで作っていた頃は、そういう感じをやる事が多かったです。ハードコア系の先輩から可愛がられて、育ってましたね。
──『get up』で新たに挑戦した点はありますか?
海 THE KID:レコーディングは、ドラムで言うとめちゃくちゃ生音にこだわりました。加工せずに、合格点を超えるものを録ろうってやっていきましたね。普通なら録ったものを加工しなきゃいけないんですけど、この音源はドラムがすぐそこで鳴っている感がするんですよ。だからこそ、生感があります。ドラムが生音で良くなっているから、他のパートも全部綺麗にバラバラに聴こえるんですよ。そういう所は『get up』で出来ている点だと思いますね。

──1曲目の『STAY KID』はメジャーデビューへの決意表明だったりしますか?
海 THE KID:タイトルからダブルミーニングというものがあったんです。彼女 IN THE DISPLAYのKIDと子供心をそのまま残すところ、メジャーに行っても俺らは俺らのままでっていう感じで、『STAY KID』というタイトルを付けました。俺らは少年心をくすぐらせるバンドにこれからもなっていこう、その二つが合わさったという感じです。

SOWLKVEから『KVE』というタイトルを頂きました
──収録曲全てのタイトルは結構悩まれたのでしょうか?
海 THE KID:今回は『STAY KID』以外、ノリが多いですね。

──2曲目に収録されている『CHAOS』はどういう意味があるのですか?
RYOSUKE:『CHAOS』の歌詞は僕が書いているんですけど、ざっと見たときにカオスだなって思ったんで、タイトルを『CHAOS』にしたんですけど、「カオスとケイオスどっちで出すようにする?」って言われて「じゃあ、ケイオスで!」って言ってそうなりました。僕、ライブのときに「ケイオス!」っていう風に英語っぽく言った方がいいかなって思ったんで、こっちにしたんだと思いますね。(笑)
──『CHAOS』は疾走感があってゲームのテーマソングに起用されるイメージがありました。
海 THE KID:確かに『CHAOS』はハマりそうですよね。スピード感があります。
RYOSUKE:そうですね。でもその辺もむずいなって思ったりもするんですよ。タイアップが付いちゃうと、そういうイメージが付いてしまうし。僕等はそういうイメージで書いた訳でもなくってなりそうだし。その辺は僕等のスタイルに合うタイアップが取れたらいいなって思います。

──3曲目の『DRAGON HORN SHOTGUN』はどんな意味が?
海 THE KID:これは龍角散のど飴ですね(笑)
RYOSUKE:俺がめっちゃ龍角散のど飴を食べるんですよ。ミーティング中に龍角散のど飴の話をしていたら、海さんがそのまま決めた感じです。
海 THE KID:彼女 IN THE DISPLAYの曲名に関しては、何も広がらない自信があります(笑)

──では、5曲目の『KVE』は何か意味があるのでは…?
海 THE KID:実は『KVE』って結構深い意味があります。博多にSOWLKVEっていうバンドがいるんですけど、俺らも10代の頃からめっちゃ可愛がってもらっていて。この曲がそのバンドっぽさを出して作った楽曲なんですよ。そのSOWLKVEがカムバック・キッドっていうアメリカのバンドを好きなんですけど、俺らも好きだったんです。そういう縁もあったので、SOWLKVEから『KVE』というタイトルを頂きました。

──SOWLKVEさんには、『KVE』を制作した事をお話しされたのでしょうか?
海 THE KID:完成した後に「作っちゃいました~」って言いました(笑)
RYOSUKE:メンバーの髪とかも切ってくれるんですよ。美容師さんなんで。
海 THE KID:めっちゃ喜んでくれましたよ。
──―SOWLKVEさんとはかなり絆が深いんですか?
海 THE KID:めっちゃ深いですね。バンドの最初のロゴもその人たちに作ってもらいましたし、グッズもやってもらっているし。スペシャリストが集まっているバンドさんですね。
RYOSUKE:多彩なメンバーさんなんです。それにメンバーよりメンバーの事を知っているんじゃないか?っていうぐらい。
海 THE KID:メンバーが髪を切りにいくと、その人に愚痴を置いていくからご意見番みたいになってますよ。
『get up』で好きなフレーズ
──『get up』の収録曲の中から一番自分が推したい楽曲のフレーズを教えてください。
RYOSUKE:歌詞を文字だけで見る瞬間が一番恥ずかしい…(笑)僕は『STAY KID』の「僕らから今を誰も奪えやしない」が凄く良いなって思います。『STAY KID』自体は他の曲とまた少し違った思い入れがあって。正直な話をすると、今までの曲は僕だけが書いていたんですけど、今回からは少し手伝ってもらっているんです。僕だけじゃ表現しきれなかった事を誰かとやることで広げられた部分があるなって。言葉自体も哲学的というか、当たり前の事を言っているんです。それは僕が好きだからかもしれないけど。
──RYOSUKEさんの歌詞は、自問自答をしている事が多いような感じがしました。
RYOSUKE:自問自答ばっかしてますもん(笑)歌詞を書くときは基本的に、一人じゃないと無理ですね。落ち着かない。

──体験した想いを反映させる事が多いですか?
RYOSUKE:反映させないと逆に書けないですね。創作物もアートだから全然良いんだけど、それを書いてしまうと嘘を言ってしまっているような自分が今までいたんです。それに気づいてからはリアリティのある歌詞しか書かなくなったと思います。でも、それはそれで可能性の幅を狭めてしまったなって。

──けれど、真っ直ぐさは変わっていませんね。
RYOSUKE:ありがとうございます!多分真っ直ぐに憧れるんでしょうね。自分が紆余曲折してしまうので…。
海 THE KID:『Kick』の歌詞は全体的に好きですけどね。『Kick』はRYOSUKEがお手伝いをしてもらって書いた曲なんですけど、特にお気に入りの箇所は「プライドはまるで錆びついたトロフィー」です。ここはまさにその通りだなって思います。錆びついたトロフィーって過去の栄光に縋っているだけですし。
──海 THE KIDさんは過去を塗り替えていきたいタイプですか?
海 THE KID:塗り替えていきたいというか、『変わり続けるからこそ、変わらずに生きてきた。』っていうニール・ヤングの言葉があるんですけど、それを俺たちは体現したいと凄く思っています。過去がどうこうよりは、今を楽しく。明日の為に今を楽しく生きる事を大切にする感じです。過去の事って俺はあまり興味ないです。やっぱり未来を見ていたい。

──RYOSUKEさんは?
RYOSUKE:俺は過去が好きですね。だから良いバランスが取れていると思うんですよ。

──では、バンドを表しているフレーズを代表してRYOSUKEさん教えてください。
RYOSUKE:いやまじ悩む…。
海 THE KID:RYOSUKEが決めた事がバンドの考えだから。
RYOSUKE:「プライドはまるで錆びついたトロフィー」ですかね。(笑)メンバー全員そこを選ぶと思う。
海 THE KID:俺は、「きっと想いが心で尖るのは限界を破るため」な気がするけどね。
RYOSUKE:じゃあ、そっちにしましょう!(笑)

男心をくすぐる一枚です
──『Kick』は気持ちがようやく定まった事を示している感じがしますね。
RYOSUKE:定めてもらったんですよ。実はこの曲が一番最後に出来た曲なんです。レコーディングの1、2時間前に上がりました。

──どういう所を悩まれたんでしょうか?
RYOSUKE:僕、凄く暗い人間なんですよ(笑)だから基本的に前向きな事が書いてあると、「こいつ嘘なんじゃね?」って疑ってしまうタイプで…。なので自分が書くってなるとどうしても暗くなってきちゃうんです。皆的にはその暗い所を書いて欲しい訳ではなく、もっと希望などを書いて欲しいと思うんだけど、そういうせめぎ合いをしていく中で、自分が何を書いたら良いか?わからなくなってしまったんです。どっちにも良さはあると思うんですけど、うちのバンドにはその暗さはあまり似合わないかなって。

──そんな暗い気持ちに押しつぶされているRYOSUKEさんを、海 THE KIDさんはどんな風に支えているんですか?
海 THE KID:飲んでます(笑) RYOSUKEが悩んで相談してきても、俺は絶対同じ温度では答えないです。いつだってふざけているっていう感じ。ここで同じ温度になっても、何も先に進まないんで。

──逸見さん、松永さん、吉田さんはそういう時どんな反応をしていますか?
海 THE KID:健太くんは寄り添っている感じかな。
RYOSUKE:でもみんな変わらないでいてくれますね。下手に同調したら俺がなんかなったりもしちゃうんで、基本的には腫れ物に注意です(笑)

──海 THE KIDさんと飲みに行かれたりはしないんですか?
海 THE KID:5人で飲みにいきますね。東京に来たときも5人部屋で止まる事が多いので、よく飲みます。
RYOSUKE:最近はキャンペーンとかで各地を回っているので、皆で飲む回数も多いと思います。
海 THE KID:バンド史上で一番飲みが多いかな。

──さらにメンバー間の絆が深まったんですね。
海 THE KID:かなり深まりました。結成当初、よく俺んちに来て集まっていた頃っぽいような感じがあります。ずっと下ネタか、思い出話か、熱い話を繰り広げているので、その辺で飲んでいるおじさんと変わらないです。

──最後に収録されている『Anthem for my friends』は友達に捧げた楽曲ですか?
RYOSUKE:そうです。タイトル通りの曲になっています。僕等自身、8年ぐらいバンドをやっているんですけど、その中でも友達に救ってもらった事があったんです。

──この楽曲は大自然に満ち溢れている感じがしますね。
海 THE KID:ああ、確かに。広い所を想像して作ったんですよ。4万人のスタジアムの本編ラストの曲で、夕暮れと共に俺らは演奏するっていうイメージで。今回はどの楽曲もライブで凄い表情を変えたりできるものが多いと想います。

──今作もサウンドプロデューサーに江口亮さんが参加されています。2回目という事もあり、制作はスムーズに行かれましたか?
海 THE KID:前回があったので割とそうですね。『get up』の最初の作り始めから全員でテーマとかを決めて制作したので、アドバイスというアドバイスはあまりもらわなかったですね。江口さんも俺らと同じ目線で見てくれたので。

──では、『get up』を一言で表すとどんな感じになりますか?
海 THE KID:男心をくすぐる一枚です。
RYOSUKE:俺はきっかけですね。俺らも自然体を取り戻すきっかけにもなったし、タイトルの通り立ち上がれっていう意味合いなんですけど、お客さんが立ち上がるきっかけになったらいいかなって思う一枚です。

──最後にUtaTenの読者にメッセージをお願いします!
RYOSUKE:今の時代ストレートに表現しているバンドは少ないと思うんですが、俺はその方が伝わるとものがあると信じているので、これからもそれを突き通していきたいです。みんなも気持ちをストレートに伝えてください!!
TEXT:橋本美波
PHOTO:愛香
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