defspiral 8周年記念ライブを開催、
10周年に向け今秋から再び全国ツアー

5月25日、26日、defspiralの結成8周年記念ライブ『defspiral 8th Anniversary Live -Dear Freaks-』が、彼らにとって思い入れの深い目黒鹿鳴館にて開催された。
毎年この時期に必ず開催されているdefspiralの周年記念ライブも今年で8年目。ライブタイトルにもなっている『Dear Freaks』の名の通り、共に時代と駆け抜けてきたFreaks(=ファンの呼称)とその喜びを分かち合うこの特別な周年記念ライブは、毎年暖かな空気に包まれている。今年はお台場野外特設ステージにて開催された、彼らを導き続けるhideの没後20周年ライブhide 20th memorial SUPER LIVE『SPIRITS』への出演もあり、本来ならhideがライブを観に来てくれるはずだった20年前のあの日のステージと同じ、目黒鹿鳴館にて、1年の中でも最も大切なライブを開催した。
あれから20年が経ち、バンド名こそは変われどバンドとして走り続けてきた彼らを収めるには手狭な会場には、記念すべきライブを共にしようと全国から溢れんばかりの多くのファンが押し寄せた。会場の熱気は開演前からすでに高く、メンバーを待つその間にも汗が吹き出すような空気の中、SEが鳴りストロボの光の中からメンバーが登場。華々しく照らされたステージに漆黒の衣装を纏ったMASAKI (dr.) 、MASATO (Gt.) 、RYO (Ba.) がそれぞれ順にステージに登場し、最後にTAKA (Vo.) が登場すると、彼らを待ち望んだフロアの声量と温度はさらに上昇する。力強いリフとドラムサウンドが会場の空気を切り裂き「AURORA」からこの日のライブはスタート。最新アルバム『TO THE GALAXY』の始まりを物語る同曲が、この日のライブと、defspiralとFreaksとの未来を切り拓いていくその様は彼らの飽くなき前に進もうという姿勢を象徴しているのではないだろうか。

会場を地の底から震わせるようなRYOのベースライン、TAKAの「お前たちの声聞かせてくれ!」の叫びから飛び出したのは「PULSE」。defspiralの象徴とも言えるようなダンサンブルな楽曲に序盤から会場は大きくうねりを上げる。大きな歓声に包まれた中、転じて美しいシーケンスサウンドに載せたTAKAの艶やかな歌声から「NEW DAYLIGHT」が披露される。ゆったりと、しっかりと、光が差し込み世界が拓けていくその雰囲気は、ここが目黒鹿鳴館であることを忘れさせてくれる。続く「FAR AWAY」では、しっとりとしたピアノの調べと雄大なストリングスがTAKAの伸びやかなヴォーカルを包み込み、同時にバンドのロックサウンドが雄々しく鳴り響く。続けざまに「DREAM OF YOU」が飛び出す。メンバーは、決して広くないステージの更に最前まで身を乗り出しまるでライブ終盤のような盛り上がりに。
TAKAの「今夜が正真正銘の記念日です。最高のライブにしましょう! 準備はいいか東京!」との掛け声からMASAKIのドラムへと続き、妖艶な大人ムード漂う「Thanatos」から疾走感あふれるイントロの「Hollow」と中盤戦が始まる。いつもより密度の高いフロアからはさらに大きなレスポンスがこだまする。

「MOBIUS」、「LABYRINTH」、「GHOST」と連続して妖しくダークな世界を創り上げるdefspiral。これらが収録されているアルバム『TO THE GALAXY』では、バンドの持つダークでコアな部分を表に出したかったと以前より語っていたメンバーたちではあったが、リリース後の自身最大規模のロングツアーを通し、さらにその部分が研ぎ澄まされた印象だ。さらにRYOがベースをアップライトベースに持ち替えての「カナリア」では艶めかしくホールを彩る。続いて暗闇の中ぼんやりと灯された明かりの中、MASATOの切ないギターからバラードナンバー「陽炎」が披露される。ダンサンブルで疾走感のある楽曲の印象も強い彼らだが、同時にこうした壮大で妖艶でアダルトなロックを奏でることも彼らの最大の魅力の一つではないだろうか。ダークな世界観の楽曲達から「AFTERGLOW」では、手を伸ばし、光を求めるかのよう歌うTAKAの姿に目を奪われる。

MASAKI
「改めましてdefspiralです。2daysで被り曲無しでやらせてもらってます。たくさんの曲をやってますが、皆さん楽しんでますでしょうか!」とここまで一気に13曲を詰め込んで披露し、「8周年ということで日頃応援してくださる皆さんに楽しんでもらおうと、感謝の気持ちをもって4人やらせてもらってます!」と支え続けてくれるファンに感謝の気持ちを述べるTAKA。「ライブはみんなが主役なんで! いいかFreaks! 行けるか!? 行こうか!!」と後半戦がスタートし、「IN FLAMES」でハードにフロアを踊らせる。「もっと声聞かせてくれ東京!」の掛け声から「SILVER ARROW」でその勢いは更に加速していく。さらに「SERENADE」が続き、RYO、MASATOのヘドバンをしながらの演奏にフロアのテンションもピークに。TAKAもマイクスタンドを振り回しながら情熱的に叫び、時にノーマイクで歌い、圧倒的に勢いのあるステージを展開していく。終盤に差し掛かったステージでは、暗闇の中一人照らされたTAKAの歌唱から、ドラマチックに「PHANTOM」が展開されていく。「想いのままに生きていきましょう。一度きりの人生です。今日はありがとう。最後の曲です。心のままに」と「METEOR」にてフィナーレを迎えた。
MASATO
鳴り止まない彼らを求めるアンコールに応え再びステージに姿を現した4人。フロアの熱量はまだまだ高いまま「AQUA」ではハジケ飛び、踊り、声を上げる。「嘘つき・・・」と官能的にhideの楽曲「DOUBT」の冒頭のセリフをTAKAが囁やけば、黄色い声混じりの歓声が沸き起こる。8周年を記念するこのライブはまだまだ勢いを増すかのよう。
「いろんな巡り合わせが会って今日この日を、みんなと過ごせています。心からありがとう。そんなみんなに贈ります。」とスペイン語で“星”の意味を持つ「ESTRELLA」が披露される。タイトル通り壮大な夜空に輝く星々を彷彿とさせるような時間に、会場はみな聴き惚れる。惜しみない拍手が贈られる中ステージを降りていくメンバー。
RYO
しかし、それでも彼らを求める声は止まない。三度ステージに現れたdefspiral。8年間で4枚のアルバムをリリースし、それぞれのアルバムの違い、それらを通して自身らの成長具合を振り返り、最近はよりアダルトになってきた、とアコースティック、アップライトベース、カホンのアコースティック編成にて「GALAXY」を披露。特別で穏やかな空気が会場を包む。今秋より2018年2度目の全国ツアーの実施、それに先立っての新音源の発売も発表され、フロアには笑顔の花が咲く。その空気感をそのままに爽やかなロックナンバー「brilliant」が8周年記念ライブのフィナーレに花を添える。

TAKA
「8周年を迎えてますます10周年が見えてまいりました! 8年前に出会った人々に、20年前に出会った人にも、今日初めて出会った人にも全員に感謝したいと思います。そんなみんなにこの曲を贈ります!」とライブラストの定番楽曲「CARNAVAL」が披露され、全員が真っ白な光の中で、思いのままに身体を揺らす。周年ライブの度に10周年ライブという一つの目標を掲げてきたdefspiralの“始まり”のファンファーレが再び鳴り響いた。defspiralとFreaksの旅は、まだまだここからも続いていくと感じさせられた8周年記念ライブとなった。
defspiralは、6月14日(木)、6月28日(木)、7月5日(木)と iceソロプロジェクト本格始動主催ツアー『inspire』への出演が発表されており、7月22日(日)にはベースRYOの生誕ライブ『RYO BIRTHDAY PARTY 2018』を横浜BAYSISにて開催する。
撮影=HIROYUKI UENO(nonfix creative)

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