THE BEAT GARDEN、SOLIDEMOを迎えた
初の自主企画『KOKOROZASHI ALIVE』
はやり過ぎか?

THE BEAT GARDEN『KOKOROZASHI ALIVE Vol.1』

2018.5.6 代官山UNIT
5月6日日曜日、THE BEAT GARDEN初の自主企画ライブ『KOKOROZASHI ALIVE Vol.1』を観た。場所は代官山UNIT、歴史に残る第一回ゲストは普段から親交のあるボーカルグループ、SOLIDEMOだ。開演ぎりぎりに着き扉を開けた瞬間に音が弾け、軽快なEDMサウンドに乗って8人が華麗なコーラスと息の合ったステップを繰り出す。全員が180センチ越えのイケメン、鍛えられたハーモニーとフォーメーションダンスで魅せるSOLIDEMOのステージは華やかのひとこと。もしかして全部SOLIDEMOファン?と思うほど、飛び跳ねて手を振るフロアの熱狂ぶりがすごい。しかもいい匂いがする。
Ride on」「Party Tune」など盛り上げ曲の連発で場内の温度を急上昇させ、徳永英明「壊れかけのRadio」など4曲のアカペラメドレーは見事な対位法コーラスを駆使してしっとりと。6月20日リリースの新曲「もう会えないけれど、平気ですか?~Our days~」も先行披露し、ラストは再び盛り上げチューン「Happiness」「Stay with me」でハードルを思い切り上げて、THE BEAT GARDENへとバトンを渡す。一番手の役割はパーフェクトだ。
THE BEAT GARDEN/U
ゲストにこれだけやられたらホストも負けてはいられない。SATORUの操る強烈なビートに合わせ、文字通りステージに駆け込んできたU、MASATO、REIの3マイクが「WELCOME TO THE NEW WORLD」を歌いだした瞬間、フロアが沸騰した。間髪入れずロッキンEDMチューン「answer」へ、ビートはぐんぐん加速する。暴れまくるようで、実は計算されたフォーメーション。めまぐるしく入れ替わるセンター。Uは客席の一人一人と挨拶するように、フロアの隅々に目を配りながら歌う。もしかして全部THE BEAT GARDENファン?と思うほど、飛び跳ねて手を振るフロアの熱狂ぶりがすごい。つまり、どっちも大好きだということだ。
「今日のためにたくさん準備してきました。楽しんでくれますか!」
Uの問いかけに、答えはもちろんイエス。ミドルテンポの四つ打ちが心地よい「B.E.T」から、R&Bバラードの「君は知らない」へ、ゆっくりとスローダウンしながらじっくりと聴かせる流れがうまい。アゲアゲも得意だが、スローでメロディアスな楽曲に名曲が多いのがTHE BEAT GARDENだ。2番サビのUのソロが切々と胸に沁みる。
THE BEAT GARDEN/REI
「SOLIDEMOはプライベートでも仲がいいんです。たとえるなら、小3から小6まで一緒にいたぐらいの感じ?」
つまり、何の屈託もなく夢や遊びや人生を語れる友達。素晴らしい仲間と素晴らしいファンに囲まれて、今日の4人はいつも以上に笑顔が多い気がする。7月18日にニューシングル「花火」のリリースをサプライズ発表したあと、観客全員揃って振付ありの「サイドディッシュ」で楽しくダンス。MASATOとREIがつつきあってじゃれている。ぐっと緊張感を高めて「僕がいる未来」から「Alive」へ、猛烈な重低音とねばっこいEDMビートがフロアを根こそぎ揺るがす。“全員ジャンプ!”とUが煽るが、フロアがぎゅうぎゅうすぎて手を振り上げるしかできない。ラストはハッピーな音の中にシリアスなメッセージを詰め込んだ「Never End」で、“ウォウオウオウ”と歌う声で会場全体が一つになった。THE BEAT GARDENの持つうまみ成分を濃縮した8曲40分。これで終わり? いや、実はここからが『KOKOROZASHI ALIVE Vol.1』の一番おいしいところなのだ。
「SOLIDEMOと一緒にできるということで、企画を考えてきました!」
Uの紹介で始まった、ここからは言うなれば第三部。Uと木全寛幸のダブルMCが進行する、THE BEAT GARDEN+SOLIDEMO=12名による対決ゲームは、宴会芸の定番・叩いてかぶってジャンケンポン、勝ち抜け早押しクイズ大会、そして大縄跳びを跳びながらのジェスチャーゲームというE難度のゲームまで、何でもありのお楽しみ会。あのー、さっきまでかっこいい歌と踊りを見せてくれた人たちですよね?と、イケメンとボケメンとのあまりのギャップに戸惑うほどの面白さ。音楽のライブでこれでいいのか? いいんです。12人ともキャラが立ちすぎて甲乙つけがたいが、とりあえず佐脇慧一の滑り倒しても這い上がる不屈のボケ精神に一票を入れたい。そして罰ゲーム、すべてをさらったシュネルとMASATOの禁断の……いや、それはあの場にいた人たちだけの秘密にしておこう。
THE BEAT GARDEN/MASATO
気を取り直し、いよいよ最終第四部へとプログラムは進む。ミュージシャンの顔に戻ったSATORUのDJタイムがゆるんだ空気をグッと引き締め直し、ステージに上がったUと手島章斗が清水翔太のカバー「アイシテル」を歌いだすと、フロアからは悲鳴に近い歓声が。急造デュオとは思えない見事なハーモニーで、アカペラもパーフェクトに決めた二人。満面の笑みで握手を交わす。Uが“めちゃ楽しかった!”と子供のようにはしゃいでる。続いて登場したのは佐々木和也、向山毅、MASATOのトリオで、曲はなんとFUNKY MONKEY BABYSメドレーだ。和也はこの日のために、ファンキー加藤からプレゼントされたデニムを履いて気合は満点。「告白」「希望の唄」「ちっぽけな勇気」と、振り向けばほぼ全員が歌っている。もしかして全部ファンモンファン? と思うほど、飛び跳ねて手を振るフロアの熱狂ぶりがすごい。つまりみんな音楽が大好きなんだ。
楽しい時間はまだ終わらない。なんとSOLIDEMOによる「Don’ t think, feel」と、THE BEAT GARDENによる「ギミギミLOVE」という、まさかのカバー合戦が巻き起こしたフロアの興奮ぶりを一体何にたとえよう。SOLIDEMOは攻撃的に男らしく(ロン毛カツラの慧一を除く)、THE BEAT GARDENはタータンチェックのシャツに揃いのメガネで少年ぽく。どうやらSOLIDEMOのミュージックビデオの服装が元ネタらしいが、そのまんまアイドルグループに移行できそうなポテンシャルの高さがすごい。最後はSOLIDEMOダンサーズも加わり、12名が揃ったところで長く楽しいイベントもいよいよグランドフィナーレが近づいた。“最後に僕らの曲を歌っていいですか!”とUが叫ぶ。曲は「Sky Drive」。強力なEDMサウンドに乗せ、ステージを縦横無尽に動き回る12名のパフォーマンスに、3時間近く過ぎたというのにフロアの熱狂度はまったく落ちない。なんとタフな、楽しむのが大好きな、そして愛のあるオーディエンスだろう。
THE BEAT GARDEN/SATORU
すべての音が消え、あたたかい拍手と歓声の中、全員が手をつないでのラインナップ。Uが“もっとでかい会場でやれたらいいですね”と言うと、和也が“たくさんアイディア思いついちゃった”とニヤリ。どうやらこの二組、コラボの楽しさに味をしめたようだ。疲れ知らずの12人は、そのまま出口へと移動して観客全員をハイタッチでお見送り。その生き生きとした笑顔を見れば、この日のイベントがどれほど手ごたえがあったかは聞かずともわかる。
THE BEAT GARDEN初の自主企画ライブ『KOKOROZASHI ALIVE Vol.1』は、第一回にしていきなりの高得点を叩き出した。早くもVol.2へのハードルは高くなったが、4人ならきっとやってくれるだろう。残念ながらこの日会場に来られなかったファンのためにも言っておこう。これは見ないと損だ。『KOKOROZASHI ALIVE』シリーズを見逃すな。
取材・文=宮本英夫
THE BEAT GARDEN

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