【大人が出逢う、東京古着】表参道
・Riyad vintageで出逢う、圧倒的な
1着

“大人が出逢う、東京古着”。
そう謳いながらも、この連載を続けていると、ここは東京でもどこでもないような、知らない国の知らない街の一角にふと紛れこむこんだような。
そんな気持ちになることがある。
まるで圧倒的なその空間に足を踏み入れた時、古着は深く、そして世界は思うよりもずっと広いんだと、そんな当たり前のことを感じる。
Riyad vintage
その一室にひとたび足を踏み入れたら、もう忘れられない。
色とりどりの柄物、存在感を放つアクセサリ、民族の歴史を感じるラグやマット。そのすべてから放たれるメッセージをビリビリと感じながら、ここを見つけられてよかったなと思う。まさしく、異国のような空間。
昨年4月にオープンしたというお店は、モロッコのホテル(=riad)の内装をイメージし、そこからインスピレーションを受けて造語として命名。店先(マンションのエントランス)の雰囲気が中庭にお花や植物が溢れる現地の風景に似ていたことが物件の決め手だったと、オーナーの竹村さんは振り返る。
語学の勉強も兼ねて、21歳の時にイギリス留学した竹村さんは、「古着について現地で学びたい」という思いを持って、現地の古着屋さんでヴィンテージについて学んだ。 「他のヨーッロパの国にも行きやすいことからイギリスを選びました。経験を買うつもりで、ただで働いていました。スリの見張り役などをしながら、オーナーにいろんなことを教わりました(笑)」
中学から古着が好きだったという竹村さん。この連載でも紹介させてもらった下北沢・HAIGHT&ASHUBURYで働いたのち、“いつかは自分のお店を持つ”という、かねてからの夢を叶えたのだ。
直感に従って、マンションの一室で、自分で壁を塗り替えて。
勇気と行動力と努力、そしてセンスとヴィンテージへの想い。
アイテムのセレクトにもそれらの経験やこだわりがキラリと光っている。
「Diane freis(ダイアンフレイス)のワンピースがすごく好きなので頑張って集めました“働く女性が日常で着られるドレス”っていうのがコンセプトで、そういうデザイナーが発信するメッセージも含めてすごく惹かれるんですよね」
今はなかなか手に入りにくくなっているらしく、ここまでの量が一堂に会しているのを見られるのは、とても珍しいのだとか。
一目で視界を独占する鮮やかかつ独特なテキスタイル、シャーリングやフリルの細やかなデザイン。70-80年代のそのワンピースたちは店内でも一際の存在感を放っていたし、それを纏う竹村さんはその空間にするりと溶け込むようで、驚くほどに似合っているのだった。 “働く女性が日常で着られるドレス”という言葉を今一度嚙みしめる。
こんなにも圧倒的な服を自然体に纏えるなんて、女性としてとてもかっこいいと思った。
1着1点手に取るたびに、竹村さんはそのアイテムの歴史や魅力を丁寧に教えてくれる。
「モロッコのベルベル人が作っているラグやマットは、どれをとっても民族の伝統を感じて、柄の配色も絶妙で見つけたら持ち帰らずにはいられないんです」
「それはジェーンマークのヴィンテージ。妻のジェーンと夫のマークが夫婦でデザイナーを務め、アメリカの国内生産にこだわったブランドです。パイピングやシャーリングの形になんとも言えない格好良さがあるんですよね」
「ジュエリーも好きで、気づいたらこんなことになりました。こだわりとかコンセプトとかがむしろ後付けになってしまうくらい、素直に好きで増えちゃったんです(笑)。もうコレクションみたいなものですよね」
好きなものをただただ、たくさん。
自分の気持ちの傾く方に揺れる方に素直に従うこと赴くことで、圧倒的な世界は、気づけば出来上がっているものなのかもしれない。
竹村さんを、Riyadvintageを見ていると心からそう感じる。
圧倒的なものを自分らしく、自然な形で。
暮らすように営む竹村さんとこのマンションの一室が教えてくれたのは、そんなことだった。
Diane freisワンピース(左から)38000円+tax、34800円+tax
純銀925スターリング(左から)12800円+tax、12800円+tax、18000円+tax、14800円+tax
ピアス(左下・左上・中央・右)9800円+tax、16800円+tax、9800円+tax、8800円+tax
モロッコ ラグ&クッション(上から)12800円+tax、8800円+tax、7800円+tax
Photo:Kayo Sekiguchi
Edit:Namiko Azuma(ASOBISYSTEM)
Text:Miiki Sugita
Design:Yuko Abe(ASOBISYSTEM)
 
Riyadvintage
住所:渋谷区神宮前5-12-10 鈴木マンション403
電話番号:03-6260-9744
営業時間:12:00〜21:00
Instagram:@riyadvintage.tokyo 
出典:She magazine

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