【レポート】『B’z 30th Year Exhi
bition “SCENES” 1988-2018』後期
の見どころ

2018年4月1日より有楽町インフォス1Fで開催されている<B’z 30th Year Exhibition “SCENES” 1988-2018>が、その展示内容を一新させた。4月1日から5月6日の展示期間はB’zの歴史30年のうち1988年から2002年という前期がテーマとされていたが、5月11日からの展示は、2003年から現在にいたる後期のB’zアイテムが展示会場を賑わしている。
前期展示に続き今回も見どころは満載だ。赤いスポットライトが並ぶ暗転した通路を抜けると、そこからB’zパラダイスが目の前に広がっていく。最初に目に入る圧巻の113枚のゴールドディスクエリアは以前と変わらぬものだが、そのあとはハードにロックンロールしてきた後期B’zの軌跡が、来場者を出迎えてくれる。
▲HISTORY SCENES #2 2003-2018
たくさんの<LIVE-GYM>に参戦してきた人であれば、ツアー衣装の展示や、ステージセットの解説/設計のために作られたミニチュアステージセットなどは、いくら見ても見飽きることのないエリアだろう。あのときの衣装そのものが目の前に存在するという奇跡の事実が、心の中にとどまっていたライブの記憶と重なり合うと、にわかに思い出が輝き出し突如胸が熱くなる。このエキシビションが創出する鮮やかな思い出のリフレインは、感動の追体験/アンコールとも言えるもの。前期展示時には松本と稲葉本人がお忍びで会場に現れたというけれど、オーディエンスにとってもアーティスト本人にとっても、ここはかけがえのないパワースポットだ。
遠目で見ていたギターや、ステージ上に鎮座していたスピーカーキャビやマイクスタンド/お立ち台なども、至近距離でガン見することができる。非常に細かなペイントが施されていたりLEDで輝く様子をみると、稲葉浩志の使用マイクスタンドがいかに特別なものなのかも、実感できるところだろう。
後期のB’zがテーマということで、Takモデルの展示ブースにはギブソン・ダブル・カッタウェイが数多く陳列されているが、なかにはスタッフすら見たことがなかったという激レアなプロトタイプも展示されている。一度もメディア露出されたことのないグラフィック仕様のDC CUSTOMや、EMGピックアップが搭載されたブラックパーツで統一されたDC STANDARDなどの存在は、Takフリークを自称するマニアですら目を皿にするところだろう。ソーシャルで呼びかけたことで無事本人の元に戻ってきたという20年間行方知らずだったピンクのミュージックマンEVHシグネチュアも、めでたく展示されている。また、アルバム『DINOSAUR』のBARKSインタビューで、松本孝弘が「稲葉くんからもらったアンプ」と答えていたFender Showmanアンプの実物も展示されているので見逃さないでほしい(※レコーディングスタジオエリア)。説明パネルには「2017年に贈られた稲葉浩志から松本孝弘へのバースデープレゼント」だったことも記載されている。
ギターファンであれば、初めて会場にやってきた1959年製ギブソン・レスポールも見逃し厳禁のお宝展示だ。数十年前にはすでに数千万円もの価格が付き、今では値段すら付けられなくなった文化財的価値を持ったビンテージ・ギターだが、極上のB’zサウンドを生み出してきたという意味でも、その存在価値は計り知れないもの。間近で凝視できる事自体極めて貴重な機会となっている。
また、今回は本人機材が手に入るという夢のような企画もひっそりと走っている。松本孝弘が過去にコンサートで使用したアンプキャビネットセットのサイレントオークション(※スピーカーユニットの付属はなし。キャビネットのみ)だ。ストア内レセプションデスクに用意された入札用紙に希望(可能)落札金額を記載することで申し込みが完了するという簡単な手続きで、期間中最高額が提示できれば落札・購入の権利を得ることができる。全部で5台用意されているが、いずれも世界トップレベルのクオリティを持ったキャビなので、現役ギタリストにとっても見逃せない企画ではないか。途中経過の入札額や落札価格は公表されないが、全落札金額は音楽活動の普及のための寄付に当てられる予定となっている。
<B’z 30th Year Exhibition “SCENES” 1988-2018>は、日本の音楽シーンを第一線で牽引してきたロックバンドによる「夢」と「憧れ」と「リアル」と「歴史」が四つ巴となった、奇跡のエンターテイメントだ。普段はちらりとも見えることのない足元のエフェクトペダルを凝視するもよし、なかなか気付けないギターヘッド裏のギブソンスタッフによるレアな手書きメモや、さり気なく刻まれたトラスロッドカバーの刻印に注目するもいい。アメトーーク!「B’z芸人」で紹介されていた横隔膜/呼吸筋を鍛えるパワーブリーズも実物が展示されている。細いところに目を配れば「次のツアーで久しぶりに登場するかも」との予告がかかれたアイテムにも気付くことだろう。
30年という過去と未来をつなぐ素晴らしいエキシビションだが、そこには大量のアイテムや情報をきっちりと管理運営し、アーティストとファンをつないできた驚異のスタッフワークが介在している。あらゆるスタッフの熱いエネルギーが結集した“チームB’z”による一大イベントであり、興奮と感動の歴史を刻み続けてきたそのチームワークにこそ、惜しみない称賛が贈られるべきだとも思う。
取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也

撮影◎土居政則

■『B’z 30th Year Exhibition “SCENES” 1988-2018』


▼会期

前期(1988-2002):2018年4月01日(日)〜5月06日(日) 有楽町インフォス1F

後期(2003-2018):2018年5月11日(金)〜6月15日(金) 有楽町インフォス1F

開館時間:平日11:00-21:00 / 土・祝日中日10:00-21:00 / 日・祝日10:00-20:00

※休館日:5月7日(月)〜5月10日(木) ただしグッズ販売・シアターは営業

※有楽町インフォス(東京都千代田区丸の内3-8-3)

※日本発売50周年を迎える「人生ゲーム」とコラボレーションをした『B’z人生ゲーム』(株式会社タカラトミー)他、会場販売となるコラボグッズも続々発表

▼入場料金

平日:入場料無料(入場整理券でのご入場となります)

土日祝日

・前売:大人・専門学校・大学生以上 ¥1,500(Goods付) / 中高生 ¥1,200(Goods付)

・当日:大人・専門学校・大学生以上 ¥1,700(Goods付) / 中高生 ¥1,400(Goods付)

※小学生以下は保護者同伴(親族に限る)に限り入場料無料となります。Goodsは付きません。
   ◆   ◆   ◆
「僕達は30年の間、休むことなくレコーディング、ツアーを続けて来たことによって、今居るステージに立っています。そのプロセスで色々な風景を見てきましたし、今尚未だ見ぬ風景を求め、音楽創りを高いレベルで続けていくという意味合いを込めて、今回のエキシビションに“SCENES”と名付け、僕達が歩んで来た30年の軌跡を、1988 - 2018として記しました」──B’z / 松本孝弘・稲葉浩志

■<B’z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI->


7月07日 (土) 沖縄コンベンションセンター

7月08日 (日) 沖縄コンベンションセンター

7月14日 (土) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ

7月15日 (日) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ

7月21日 (土) 静岡 エコパアリーナ

7月22日 (日) 静岡 エコパアリーナ

7月28日 (土) 広島グリーンアリーナ

7月29日 (日) 広島グリーンアリーナ

8月04日 (土) 日産スタジアム

8月05日 (日) 日産スタジアム

8月11日 (土) 愛媛県武道館

8月12日 (日) 愛媛県武道館

8月22日 (水) 札幌ドーム

8月28日 (火) 長野ビッグハット

9月01日 (土) 福岡 ヤフオク!ドーム

9月02日 (日) 福岡 ヤフオク!ドーム

9月06日 (木) 豊田スタジアム

9月08日 (土) 豊田スタジアム

9月09日 (日) 豊田スタジアム

9月15日 (土) ヤンマースタジアム長居

9月16日 (日) ヤンマースタジアム長居

9月21日 (金) 味の素スタジアム

9月22日 (土) 味の素スタジアム

(問)http://bz-vermillion.com

■WOWOW×B’z『B’z 30th Year Special Vol.1 1988-2002』


4月12日(木)23時から

WOWOWライブで放送

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