L→R 日向秀和(Ba)、ナカヤマシンペイ(Dr)、ホリエアツシ(Vo&Gu&Pf)、大山 純(Gu)

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【ストレイテナー インタビュー】
より自由に解放された
21年目のストレイテナー

このタイミングだからこそ
遊びで作った曲も入れたかった

滲み出る感じがとてもいいと思います。今回はもうひとつ、“ダンサブル”ということもテーマとしてあったのではないでしょうか?

ストレイテナーって曲のコンセプトが決まったら、もろオマージュ的なことも自在にやれてきたバンドなので、ダンスミュージックもダンスミュージックらしい方向性で作ろうとしてきたんです。でも、今回はもともとあるエモーショナルな楽曲をダンスミュージックの要素も取り入れながら、その両方が融合するように作りたいと思って。そのふたつが当たり前に共存しているというか、そういうところを意識しました。

「Superman Song」や「月に読む手紙」は、まさにそういう曲になりましたね。

特に「月に読む手紙」は独特な曲になりましたね。力が抜けてると思うんですけど、そういう曲を作りたいと思って、家でだらだらと歌ってたらできた曲で(笑)。最初はフォーキーだったのが、バンドに持っていったら“ただフォーキーじゃ面白くないね”ってなって(笑)。でも、そこで“面白くないね”ってなるのがストレイテナーらしいところで。そこからダンサブルなアレンジになって…でも、ゆるめなテンションでやろうってことになりました。

「タイムリープ」はダブステップを生のバンドサウンドで再現したようなところが面白い曲ですが。

ダブステップっぽくしたかったんですよ(笑)。最初はもっと音をいっぱい重ねようと思ってたんですけど、ロック的なところでひとつ出来上がったので、もうこれ以上は音は要らないって。これはこれでカッコ良いと思えたんです。ダンサブルとエモーショナルのどちらかに振り切るのではなく、その両方を自然に融合できていると思います。

その一方ではメロディックパンク調の「Last Stargazer」のような曲もあって。

できちゃったから入れました(笑)。でも、それも僕らのルーツなんですよ。このタイミングだからこそっていうのもあるけど、遊びで作った曲もアルバムに入れたかったんです。この曲はまさにそんな感じです。懐かしいと思いながら作って、やってみたら思っていた以上にカッコ良かったんです。

アルバムには先ほど話題に上った「灯り」も収録されていますが、秦さんとのコラボはいかがでしたか?

秦くんと僕、すごく似ているところがあって。ふたりともメロディーが流れていって、そこにコードだったり、リズムだったりが付いてくるっていう曲の作り方をしているんです。そこの感覚が同じだったから、曲を作り始めたら早かったですね。普段はある程度まで曲のかたちをひとりで作っているから、それをゼロから一緒にやりましょうって。アイデアを投げ合いながらやっていくのは面白かったですね。

逆に違う部分はありましたか?

この曲はひとりの登場人物が見ている景色を書いているんですけど、情景の変化とともに感情もちょっとずつ変わっていくんです。そこは秦くんのこだわりだったんですけど、絵をめくるように情景の移り変わりがあって、それとともに感情も変化していくという作りになっているんです。僕は1枚の絵の真ん中にテーマがあって周りにいろいろな断片があるみたいな歌詞の書き方をすることが多くて、そこが違いますね。面白かったです。1曲の中で場面が切り替わっていって、気持ちが変わっていけば、聴いている人の気持ちも変わっていくだろうし、歌っているほうだって変わっていくしっていう歌詞の書き方は“なるほど!”と思って、実は今回、「Boy Friend」や「もうすぐきみの名前を呼ぶ」で試してみたんですよ。

今回は大きなテーマを歌った曲がある一方で、今、挙げていただいた「Boy Friend」や「もうすぐきみの名前を呼ぶ」のようなラブソングもあって。今までこんなにストレートなラブソングって、あまりなかったようにも思うのですが。

比喩的な書き方が多かったと思うんですけど、具体的な人物像を描いてみたいという欲求が沸いてきたんです。そういう曲が多いですよね。小説なり、映画なり、そういう作品に影響を受けたっていうのもあるんですけど、すごく身近な愛というか、ひとりの人を想う気持ちから全ては始まると思ったんです。広い世界全体を見て掴もうとしても、他人の気持ちにはなれないじゃないですか。だったら、一番小さいものから書いていきたいって。ラストの「Our Land」では国対国みたいな、めちゃめちゃ壮大な愛を歌っているんですけど(笑)。でも、その前には人間対人間があるっていう。

6月12日から始まる全国8カ所を回るワンマンツアーは、どんなツアーにしたいと考えていますか?

去年は対バンツアーをやったからワンマンツアーは久しぶりなんですよ。対バンツアーには対バンツアーならではの面白さというか、対バンがいるからこその自分たちのモチベーションっていうのがすごくあって。プロなんだから毎回決まったものを観せなきゃいけないっていう意識は、僕らにはまったくないんです。ライヴによって“このバンドと一緒だからこういうライヴやるんだ”っていうふうに思われるのは全然良くて、そんな去年の対バンツアーがあっての今回のワンマンツアーなので、新しい僕らの気分が前面に出るんじゃないかな。あとは、2月に普段は全然やらない曲だけのセットリストでライヴ(『STRAIGHTENER MANIA』)をやったんですけど、その影響も今度のツアーには出していきたいと考えています。せっかく普段やらない中にも面白い曲がたくさんあるんだから、そういう面白さを新しいアルバムとともに出していきたいですね。今回はアルバムのリリースツアーなので、新しい曲がガッと増えるわけですけど、そのアルバムのツアーでしか、そのアルバムの曲を全曲聴ける機会ってないから…もちろん曲は残っていくんだけど、アルバムツアーってほんとに、その時だけのものなのですごく大事だなって思っています。

取材:山口智男

アルバム『Future Soundtrack』2018年5月23日発売 Virgin Music
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • TYCT-69128 ¥4,800(税抜)
    • 【通常盤】
    • TYCT-60117 ¥3,000(税抜)

『Future Dance TOUR』

6/12(火) 東京・Zepp DiverCity Tokyo
6/14(木) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
6/15(金) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
6/17(日) 新潟・LOTS
6/23(土) 福岡・DRUM LOGOS
6/24(日) 大阪・なんばHatch
7/07(土) 北海道・札幌ペニーレーン24
7/14(土) 宮城・仙台Rensa

ストレイテナー プロフィール

ストレイテナー:1998年にホリエとナカヤマによって結成。渋谷、下北沢、新宿、八王子などでライヴ活動を行ないつつ、02年には自主レーベル『ghost records』設立し、マキシシングル「SILVER RECORD」をリリース。また、結成時よりホリエアツシ(Vo&Gu&Pf)とナカヤマシンペイ(Dr)のふたりによる最小限のセッションが注目を集めていたが、日向秀和(Ba)が03年よりライヴに加入(翌年に正式メンバーとなる)、08年には大山純がギターとして加入し、正式に4人体制となる。17年10月にメジャーデビュー15周年を迎え、翌年で結成20周年に突入することを記念したトリビュートアルバム『PAUSE 〜STRAIGHTENER Tribute Album〜』がリリースされた。ストレイテナー オフィシャルHP

L→R 日向秀和(Ba)、ナカヤマシンペイ(Dr)、ホリエアツシ(Vo&Gu&Pf)、大山 純(Gu)
ストレイテナー
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ホリエアツシ(Vo&Gu&Pf)
ホリエアツシ(Vo&Gu&Pf)
大山 純(Gu)
日向秀和(Ba)
ナカヤマシンペイ(Dr)
アルバム『Future Soundtrack』【初回限定盤(DVD付)】
アルバム『Future Soundtrack』【通常盤】

「灯り」MV

「月に読む手紙」リリックビデオ

OKMusic編集部

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