宮野真守

宮野真守

【宮野真守 インタビュー】
“命懸け戦闘モード”の10年を辿る
アーティスト・宮野真守の初ベスト

孤独の中でストイックに闘うのは
その先に届けたい“誰か”がいるから

また、今回のベスト盤は“ファンと作る”というコンセプトのもと、DISC-2や初回限定盤付属のDISC-3の収録曲はファン投票で決められたとか。

はい。僕の音楽活動はクリエイターさんたちをはじめ“みんなのおかげ”で成り立っているものだし、ライヴもファン参加型だから、初のベストアルバムにもファンのみなさんに参加してもらいたいなと。それでDISC-2にはシングル以外の曲からファン投票の上位14曲を発表順に収録したんですけど、こんなにバラードだったり、メロウな曲が多くなるとは意外でしたね。でも、自分が大事にしてきた軸の部分を、みんなもちゃんと好きでいてくれたのが嬉しくて。しかも、圧倒的1位だったのは「MOONLIGHT」だったんです。こういうR&Bな曲が望まれたのも嬉しかったし、震災後にエンターテインメントの無力さを感じていた中、それでも求めている人たちがいるっていうところに、自分たちの表現の在り方があるんじゃないかという想いで作った曲だったので、みんなが僕のメッセージを受け取ってくれていたのも嬉しかった。

それだけ“宮野真守の歌”をファンが愛しているということですよね。

ありがたいですね。自分のやってきたことは間違いじゃなかったんだと思えました。逆に“どのライヴの、どのパフォーマンスが好きですか?”というアンケートをもとに作ったDISC-3の映像は、やっぱりダンスナンバーが多くなったんです。メンバー紹介やバラエティーコーナーみたいなところも含め、どのツアーもこだわって作ってきたから、曲単位じゃなく好きなパフォーマンスを投票してもらって。上位の曲を宮野真守のひとつのライヴとして成立するように並べ直したんですけど、こっちは『MAMORU MIYANO LIVE TOUR 2015 ~AMAZING!~』(2015年開催)の「Magic」が圧倒的1位だったんです。

ダンサーを従えた、非常に躍動的なダンスパフォーマンスでしたよね。

やっぱりライヴとなると、そこを観たいと言ってくれるんですよね。だから、勢いのあるロックチューンが主体のシングルを集めたDISC-1に、僕が大事にしているバラードという表現をファンも好きだと示してくれたDISC-2。そして、僕のパフォーマンスを支持してもらった結果、ダンスミュージックが中心のDISC-3と、デビュー当初から大事にしてきた3本の軸がきちんと伝わっていることが確認できるベストアルバムになったのは、自分でも嬉しい発見でした。

そのお話を聞いただけで、この10年間がいかに濃い時間だったことが分かります。もし10年前の自分が今の宮野真守を見たら何て言うと思います?

何だろう? “あっ、筋肉付いたね!”は絶対に言うと思う(笑)。この前イベントで10年前の映像を観たら、まぁ、ガリガリで! ただ、身体を鍛えるほどパフォーマンスの幅も広がるので、トレーニングもしてきたんですよね。

そう言えば、「そっと溶けてゆくように」のMVもトレーニングシーンがメインでしたよね。

あれは宮野真守の闘いを表現しているんです。空虚な孤独の中で自分の表現にストイックに向かっている。そうやって追い求めている先には誰かがいるわけで…結局、“ひとりはひとりじゃ成立しない”んですよね。ひとりの時間をストイックに費やしているのは、その先に届ける対象があるから。

確かに! パッと聴くとラブソングのようにも解釈できる曲ですが、そう考えるとあの映像も頷けますね。

この曲が主題歌になっているTVアニメ『デビルズライン』も、ただ愛するというだけの世界観ではなかったので、“空虚間”というものを表現することにより、逆に愛を表現しているんです。対照的に、このアルバムのために書き下ろした「EXCITING!」は、もうめちゃめちゃカッコ良くて! 聴くだけで体が動くような、まさにエキサイティングでお祭り騒ぎできる曲になってます。

ちなみに“EXCITING!”という曲名はどこから?

そもそも10周年ツアーのタイトルが“EXCITING!”なんです。それこそふたつ前くらいのツアーの時から、10周年は“EXCITING!”にしようって自分の中で決めていたんですよ。だったら、曲も「EXCITING!」にしようって、やりたい曲のイメージをSTYさんに話したら、“宮野くんがやりたい方向性はレゲトンですね”って言われて。レゲエとヒップホップが融合したアゲアゲな音楽なんですけど、僕の中でもエレクトロというより生身で楽しむイメージがあったんですよね。なので、ちょっと懐かしいディスコっぽさみたいな楽しさを出したいなと、MVもクラブでお祭り騒ぎしました。いつものバンドメンバーやSTYさんの友達のDJさんも来てくださって、まさにエキサイティング! ライヴでもみんなで一緒に歌ってくれたら嬉しいです。

10周年ツアーも大規模なアリーナツアーになりますので、花に囲まれたジャケット写真のように派手で華やかなステージを期待しています。

10周年をお祝いするお祭りですから、全会場がアリーナクラスだからこその演出はしたいですね。さいたまスーパーアリーナで初めてワンマンができるのも嬉しいですし、それも積み重ねてきた10年と、みんなの応援があるからこそじゃないですか。今日に至るまでストイックに、それこそ「EXCITING!」の歌詞にあるように“命懸け”でやってきたから、どんなことがあってもステージに立っていたい。自分の身体でできることを毎年突き詰めていった結果の10年なので、そういう過ごし方をこれからも続けていきたいですね。

取材:清水素子

アルバム『MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST』2018年6月8日発売 KING RECORDS
    • 【初回限定生産BD盤(Blu-ray付)】
    • KICS-93711 ¥4,300(税抜)
    • ※40Pスペシャルブックレット付きパッケージ&BOX仕様
    • 【初回限定生産DVD盤(DVD付)】
    • KICS-93713 ¥4,300(税抜)
    • ※40Pスペシャルブックレット付きパッケージ&BOX仕様
    • 【通常盤】
    • KICS-3711 ¥3,300(税抜)
    • ※初回盤のみスペシャルBOX仕様

『MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 〜EXCITING!〜 supported by JOYSOUND』

6/02(土) 兵庫・ワールド記念ホール
6/03(日) 兵庫・ワールド記念ホール
6/10(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
6/16(土) 愛知・日本ガイシホール
6/17(日) 愛知・日本ガイシホール

宮野真守 プロフィール

ミヤノマモル:『DEATH NOTE』『機動戦士ガンダム00』『ポケットモンスター ベストウイッシュ』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズ『ちはやふる』などのアニメ作品に加えて、『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』などの吹き替えにも出演する人気声優。2008年よりアーティスト活動をスタート。声優、俳優の現場で培った豊かな表現力と類い稀な歌声、そしてダンスを駆使した高いライヴパフォーマンス力を武器に、独自のエンターテインメントを追求し続け、日本武道館やさいたまスーパーアリーナでの単独公演も成功させている。宮野真守 オフィシャルHP

宮野真守
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宮野真守
アルバム『MAMORU MIYANO presents  M&M THE BEST』【初回限定生産BD盤(Blu-ray付)】
アルバム『MAMORU MIYANO presents  M&M THE BEST』【初回限定生産DVD盤(DVD付)】
アルバム『MAMORU MIYANO presents  M&M THE BEST』【通常盤】

「そっと溶けてゆくように」
MV(Short Ver.)

「EXCITING!」MV(Short Ver.)

OKMusic編集部

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