5月13日@千葉県・市川市文化会館 Photo by 笹森健一

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SUPER★DRAGON、
初全国ホールツアーファイナルで
ニューシングル発売を発表

3月より初の全国ホールツアー『HAZARDSCHOOL 0』を行っていた9人組ミクスチャーユニット・SUPER★DRAGONが、5月13日に千葉県・市川市文化会館でファイナル公演を開催した。荒れた学園を舞台にしたストーリーを軸に、持ち味であるヘヴィなミクスチャーロックと、客席を巻き込んだダイナミックなステージングで、5都市7公演で1万人を熱狂させた彼ら。ソールドアウトとなった最終日には8月1日の4thシングル発売も発表し、若さゆえの勢いと若さに似合わぬ成熟したパフォーマンスでオーディンスを揺らしまくった。

EBiSエリアに存在する龍崎高校の武闘派集団“SUPER★DRAGON”として登場した9人は、最新シングル「Monster!」でライブをスタート。初のラブソングということで、赤いライトの中メンバーがキスを投げるたびに耳が割れるような大歓声が湧き、その人気を思い知らせる。オリコン週間チャートで3位を記録した本作のリリースイベントで、彼らは日本各地で10本のフラッグにファンのメッセージを集めてきたが、いわばファンとの絆の証であるこのフラッグこそが今ツアーの重要なモチーフ。オーディエンスは転校してきた唯一の女子生徒という立場で学園に、何よりSUPER★DRAGONの9人に漂う危険な空気をジャン、洸希、和哉によるラップ&ヒューマンビートボックスが飛び交う刺激的なナンバーの数々で味わうこととなる。時にはメンバー同士の衝突も描かれつつ、「BAD BOY」で湧き起こった“BAD BOY!”の大合唱は、まさしく悪童が集まる龍崎高校にふさわしい。

中盤は学ランに着替えてのパフォーマンスとなったが、さすがメンバー全員が10代の現役学生だけあって、完璧な似合いっぷり。その姿で大人なムードを醸すトロピカルハウス曲「City Noise」を贈り、ギャップ萌えさせたかと思いきや、等身大の日常を歌った「SHOPPING TIME」ではジャンがペットボトルの蓋を目にハメる捨て身の技を披露(笑)。会場が千葉ということで洸希と和哉がイケボ“ふなっしー"対決をしたりと、年齢相応のはしゃぎっぷりが微笑ましい。そこからブラシやバケツといった学校の掃除道具を使ってSTOMPすれば、レゲエ曲「ゲットレジャーニー」でオーディエンスを倍速で踊らせ、通称“ジャンベガス”と呼ばれるジャンの華やかなDJパートでは彪馬、颯、玲於のアクロバティックなアクションが炸裂。場面転換で学校チャイムが鳴ったりと、学園生活をベースにしながらエンタメ性の高いステージを展開してゆく。

また、乙女ゲーム仕立ての映像が効果的に物語の世界へとオーディエンスを誘っていたのも、今ツアーの特筆すべき点。レーベルメイトで同時期にツアーを行っていたM!LKとのコラボレーション映像もあり、龍崎高校と対立する牛丸学園に通う彼らが登場すると、物語は本筋へと突入する。謎のマスクマンにさらわれた転校生とフラッグを奪い返すべく、まず観る者に衝撃を与えたのが新たな組み合わせによるパフォーマンス。はじめに洸希、彪馬、和哉と、スパドラの悪ガキ“W.G.B"と呼ばれる3人が挑発的なヒップホップ曲「Cross Counter」で面目躍如する。続いて玲於、毅、ジャンの年長組が、レーザー飛び交う中毒性高いEDMチューン「ゲラゲラ」で魅了。最後は龍崎高校の生徒会長・颯に最年少の裏番長・楽、大好きな東西線と総武快速についてのトークに花を咲かせた鉄オタ・壮吾という濃すぎるメンツが、アコースティックなポップチューン「NICHIYOUBI」で客席通路からクラップを誘った。ちなみに3曲とも今ツアーのために用意された新曲で、こうした新鮮なチーム分けによるバラエティ豊かな演出も9人組という大所帯ならでは、そして個性派ぞろいのキャラクターゆえだろう。

曲中でマスクマンたちとバトルを繰り広げた「The Survivor」、それが客席にまで拡大した「Mada' Mada'」とハードなナンバーを経ては、もちろん既存ユニットの披露も。年少組のサンダードラゴンがスリリングに若さをハチ切らせ、年長4人のファイヤードラゴンがエモーショナルに甘い時間を届ければ、毅&彪馬とスパドラの“歌"を担う二人によるR&Bラブ・バラード「夢で逢えたら」では一際大きな拍手が湧いた。そしてメンバーの絆を真正面から熱くロックに歌い上げる「BROTHERHOOD」で己の力を出し尽くすと、勝利を誓った9人は9本のフラッグを掲げて客席通路を行進。「龍崎高校、SUPER★DRAGONの怖さ、思い知らせてやろうぜ!」という毅の号令からの「+IKUZE+」では二階客席にまでメンバーが現れて、場内を沸騰させる。さらに新曲「Endless Dance」で一気に明るくハッピーなムードを振りまき、遂に10本目のフラッグを取り戻すとエンディングへ。ファンからのメッセージがビッシリと書き込まれた、想いの籠もった10本のフラッグを背に、リリースイベントのテーマ曲でもあった「SOUL FLAG」を懸命に歌い踊り、喜びにハグし合う9人の姿は、どこまでも眩しかった。

「黙ってついてこいよ」(玲於)、「俺たちから離れるなよ」(颯)等、男らしいメッセージを一人ひとりが届けたエンドロールを経てのアンコールは、シリアスな本編からは一変したお祭り騒ぎに。「PAYAPAYA」では2組に分かれて騎馬戦の陣形を取ったメンバーを、壮吾が車掌の振り真似で指揮し、ラストは2ndシングル「ワチャ-ガチャ!」で跳ね回る。リリースイベントも含めると昨年12月から始まった一大プロジェクトのファイナルに、最年長の玲於は「こんなにたくさんのお客さんが応援してくれているのが嬉しくて、終わってしまうのが悲しい」と涙を見せる場面もあったが、それも今回のツアーに対する想いの強さの表れだろう。それだけSUPER★DRAGONに賭ける9人の覚悟は強いのだ。

全員が10代とは信じられないほど力強く、たくましいパフォーマンスで、観る者の度肝を抜き続けてきた彼ら。この日のステージ上にはDANGERと掲げられた金網が置かれていたが、危険なのはSUPER★DRAGON自身のほうだと思ってしまうくらい、そのポテンシャルは魅力的かつ底なしだ。ステージ上で発表された8月1日の4thシングルに伴い、7・8月には各地でイベントが開催され、8月には原宿で期間限定のSUPER★DRAGONカフェ“Hangout SD”もオープン。SUPER★DRAGONの快進撃は、この夏も留まることはなさそうだ。

Text by 清水素子
Photo by 笹森健一
5月13日@千葉県・市川市文化会館
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