【インタビュー】ロシアの厳しいロッ
クシーンから、エステイト日本上陸

勇壮と哀愁を湛えたロシアからの新鋭パワー・メタル・バンド:エステイトが、セカンド・アルバム『ミラーランド』で日本初上陸を果たす。神秘的な雰囲気と壮大なる世界を構築した意欲作だ。
『ミラーランド』は、1stアルバム『Fantasia』から更にメタル感が強調されており、神秘的な雰囲気に満ちたスリリングなプログレッシヴ・パワー・メタルの世界感が構築されている。ラスト2曲には、シーンを代表する名シンガー:マッツ・レヴィンとマーク・ボールズの参加もみられ、聞き所のひとつとなっている。アルバムのカヴァーにはBLIND GURDIAN、ICED EARTH、PRIMAL FEARを手掛けたことで知られるレオ・ハオが再び起用されることとなった。


──日本でエステイトが紹介されるのは初めてとなります。バンド結成について教えてください。
ヴァディム・ララヤン(B):デビュー・アルバム『Fantasia』を2014年にリリースすることができた。そしてツアーも行ったし、マイケル・シェンカーとの共演も実現したんだけど、バンドの顔であるシンガーとギターが去ってしまったんだ。これでバンドも終わりかと思う時期もあったけど、現在の新メンバーが加わることによってオレ達自身と音楽も強靭になった。ニュー・アルバム『ミラーランド』の発売も決まって、さらにシーンに挑んでいくところなんだ。
──『ミラーランド』はどのような作品ですか?
ヴァディム・ララヤン:他のバンドと同じような音楽になることは避けたいよね。新しいものを採り入れたいし興味を引くサプライズや壮大なものを作り上げたい。例えるならばHELLOWEENとBLIND GUARDIANの叙情的でクラシックな部分とSYMPHONY Xが持つ近代的でプログレッシヴな要素を採り入れ、自分達なりにミックスした方向性だね。
ピーター・フィロスキー(G):オレ達はパワー・メタル・バンドだと自負しているけど、モダンやテクニカルな要素を積極的に採り込んでいきたいんだ。
──レコーディングは順調でしたか?
ヴァディム・ララヤン:みんな死にそうだったよ(笑)。高いクオリティを目指して作業に挑んだから、すぐに壁にぶつかり倒れては起き上がることの連続だった。新しいレベルに到達し世界のトップ・クラスのバンドと競うためには、まわりが驚くようなメタル・アルバムを制作する必要がある。サウンド、アイディア、プレイ…それぞれの細かなニュアンスまであらゆる点について話し合いを重ねたけど、苦労しながらもこのアルバムを仕上げることができたのは自信につながったし、誇りにも思っている。さらなる挑戦の準備ができる地点までは到達したと思う。
イリアン・フェロ(Vo):神様、もう二度とあのようなことをさせないで下さい(笑)。俺は2度も気管支炎になったし、神経が擦り切れる直前までいったよ。
──アルバム・タイトル『ミラーランド』に込めた意味はありますか?
ヴァディム・ララヤン:音楽とその意味…俺たちのデビュー・アルバムと今作との論理的な結びつきや関連性についてのことだよ。デビュー作『Fantasia』は光輝くハッピー・パワー・メタルな音だったけど、『ミラーランド』は邪悪でダークな幻想の世界感を持ったアグレッシヴでプログレッシヴなメタルなんだ。
ピーター・フィロスキー:多くのメタルヘッズが興味を持ち受け入れてくれるアルバムだと思うよ。ストロングな曲/叙情的なバラード/ミディアム・テンポな曲、そしてジャンルに特定することのできない曲…と、興味を引く様々な楽曲が収録されているからね。
──マーク・ボールズとマッツ・レヴィンがアルバムに参加した経緯は?しかもなぜ同じ曲になったのですか?
ヴァディム・ララヤン:俺たちは彼らの音楽を聴いて育ったファンなんだ。彼らへデモを送ってぜひ歌ってほしいと素直にリクエストしたんだよ。すると2人からデモへ対する素晴らしい感想が返ってきた。同じ曲を選択したのは、彼らがその楽曲をどのように解釈して歌ってくれるかに興味があったからだよ。その結果は聴いての通り…さすがだよね。
──みなさんそれぞれ、影響を受けた音楽やバンドは何ですか?
イリアン・フェロ:デヴィッド・ボウイだね。ELF時代のロニー・ジェイムス・ディオやフリオ・イグレシアスも好きなんだ。あとマイケル・ジャクソンも忘れてはいけないな。
ピーター・フィロスキー:ジョン・ペトルーシ、スティーヴ・ヴァイ、ジョー・サトリアー二、ビクター・スモルスキー、マルコ・スフォーリに影響されている。みんなすごいギタリストだからね。
ドミトリー "マウザー" エフィモフ:BLINF GUARDIAN、MANOWAR、GRAVE DIGGER、RAINBOWだ。
ヴァディム・ララヤン:HELLOWEEN。俺にとって彼らがベストだ。
──ロシアのメタル・シーンは盛り上がっていますか?
ドミトリー "マウザー" エフィモフ(Key):とても悲しい状況だから伝えることは何もないけど、それでも最近は印象的なバンドが少しずつ出てきているよ。英語で歌って個性的なバンド連中だ。でもほんの一握りだね。ファンはプログレッシヴ系のサウンドに全く興味がないし、メタルヘッズは存在するもののオールド・スクール系のロックのみだから、知的でドラマティックでハイ・クオリティなバンドがロシアで有名になれる要素は今のところ見つけることができない。これは非常に大きな問題だ。
ピーター・フィロスキー:日本のようにメタルの人気はないんだよ。いいバンドが少しずつ出てきたのは唯一の希望だけど、問題はいいバンド/いい音楽を伝えるメディアがないことなんだ。人々が音楽を知る手段やキッカケは絶対に必要だよね。いいバンドが現れてもプロモーションする機会さえ与えられないんだから。
──では、是非日本のメタル・ファンへメッセージを。
ヴァディム・ララヤン:Hello To Japanese Headbangers! いい音楽を聴いていつもクールでいてくれよ!いつか日本で会おう。
ピーター・フィロスキー:メタルとロックとESTATEを聴こう!このニュー・アルバムを気に入ってくれると信じているよ。コンサートで会おうぜ。
イリアン・フェロ:メタルとロックが好きなファンが多くいると聞いているよ。日本のバンドを知りたいし、コンサートでみんなに会えることを楽しみにしているよ。

エステイト『ミラーランド』

2018年4月25日発売

BKMY-1064 2,222円(税抜価格)

※日本盤仕様(帯、プロフィール、インタビュー付)

1.Mirrorland

2.The Ghoul

3.Stolen Heart

4.Winter Kingdom

5.Storm Of The Age

6.Knight Of Hope

7.Lady Wind

8.Silvery Skies

9.Matter Of Time

10.Springtime

11.Knight Of Hope(Mark Boals version)

12.Matter Of Time(Mats Leven version)
Produced by Estate
ゲスト・シンガー:

マーク・ボールズ(Y.Malmsteen, ROYAL HUNT, RING OF FIRE)

マッツ・レヴィン(Y.Malmsteen, TREAT, THERION)
line-up

■Vadim Lalayan(b):ヴァディム・ララヤン

■Iliand Ferro(vo):イリアン・フェロ

■Peter Filevsky(g):ピーター・フィロスキー

■Dmitriy "Mauzer" Efimov(keys):ドミトリー "マウザー" エフィモフ

BARKS

BARKSは2001年から15年以上にわたり旬の音楽情報を届けてきた日本最大級の音楽情報サイトです。

新着