しゅーず、超満員のライブハウスが“
心地良い空間”に 初のツアー・東京
公演をレポート

Shoose Live Tour 2018 -Pastel-

2018.5.6 渋谷WWW X
4月18日にミニアルバム『Pastel』をリリースし、初のワンマンツアーを行なったしゅーず。今回のツアーは彼の地元である福岡から始まり、大阪、そしてレポートに入った東京の全3ヶ所で開催された。全公演即日ソールドアウトだったことを受け、追加公演の開催も決定しているが、5月6日(日)、渋谷WWW Xに集まった超満員のオーディエンス達は、彼の歌声におおいに酔いしれた。
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]
大歓声に迎えられて登場したしゅーずは、「キャットアイメイク」を歌い始めると、「東京のみなさま、ようこそいらっしゃいました!」と一言。腰に手を当てながらフロアに歌いかけていくと、そこからも「プロトディスコ」「Deal with the devil」と、『Pastel』の収録曲を立て続けに繰り出していく。また、「各公演、その会場でしかやらない曲があったんですけど」と、東京では「恋愛裁判」を披露。しゅーずはオーディエンスと共に手旗を振りながら歌っていたのだが、顔をくしゃくしゃにした満面の笑みを見せながらも、その歌声は色気があって、なんとも艶やか。そんなギャップが彼の魅力でもあるだろう。
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]
セットリストは、AOR的なニュアンスやアーバンな雰囲気のある楽曲が中心で、どれも彼の歌声がよく映えるものばかり。曲によっては、オーディエンスの掛け声が飛んだり、拳があがったりするライブらしい光景ももちろんあったのだが、比較的じっくりと歌を聴かせていくのが特徴で、それがなんとも心地よい。また、サポートメンバーのナオ(Gt)、小林修己(Ba)、camacho(Dr)、柴﨑洋輔(Key)、Kung-fu-jumper(DJ)が織りなすアンサンブルも巧みで、ときにクールに、ときに官能的に、ときに情熱的に楽曲を紡いでいく。
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]
そんなしゅーずの真骨頂であり、本人としても「僕はゆっくりとした曲が好きなので」ということで、ライブ中盤ではバラードナンバーを連続でフロアに届ける。ワルツの心地よいリズムでフロアを揺らした「蜜月アン・ドゥ・トロワ」ではスイートに、泣き叫ぶようなギターが奏でられた「U」ではセンチメンタルに会場を包みあげていく。また、『Pastel』に収録されていたコレサワの「たばこ」も披露。優しく絡み合うアコースティックギターと鍵盤の音色に、しゅーずが切なげなハミングを重ねて、楽曲をより感傷的なものにしていた。
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]
そんな心地よい空間を作り上げつつも、MCタイムは「ついしゃべりすぎちゃうんだよなあ……(苦笑)」と、やや長め。フロアからあがる声に応えながら、様々なエピソードを次から次へと話していたのだが、「ライブの後にエゴサしてたら、“しゅーずさんのライブ、バラード多すぎて眠すぎワロタ”って書いてる人がいて(笑)」と告白。フロアを笑わせつつ、「でも、感想が力になるので、心の中で“ふぁぼ”してますから、いっぱい書いてください」と話していた。

しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]

そして、「盛り上がる準備はできてますか!?」とギアをあげて、「KILLER B」になだれ込んだのだが、ここでスペシャルゲストとして、姉妹ダンサーユニットのATYがサプライズで登場! 会場から驚きと興奮の歓声があがる中、2人がキレのあるダンスでセクシーなアップチューンを彩ると、「被害妄想携帯女子(笑)」では「みなさんの一番大きい声聞かせてください!」と、しゅーずがオーディエンスの声を求めて、先ほどまでのしっとりとした空気から一転、場内の熱を激しく高めていく。また、しゅーずもATYとダンスをする場面もあり、フロアからは何度も歓喜の声があがっていた。
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]
「ちょっと休憩したいから」としゅーずにMCを促されたATYは感謝を告げた後、ライブを見ていた姉の夕香里が「イケメンってスキルだな……」と話していたことを、妹の明香里が暴露。トークでも会場を盛り上げていた。2人の熱演を受け、ライブは一気にラストスパートへ。「妄想疾患■ガール」「マンティス▽クライシス」「ミリオンダラードリーマー」と畳み掛け、熱狂に包まれたまま本編は終了。アンコールでは、東京事変の「キラーチューン」を披露すると、今回のツアーのことを振り返っていた。
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]

しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]

しゅーず「去年の初ワンマンのときは、これが最初で最後だからっていう話をしていたんですけど、まさかツアーをやるし、追加(公演)もするしっていう(笑)。でも、付いて来ていただける方がいる限り、もうちょっと走ろうかなと思います。他の歌い手の方々もたくさんいますけれど、たまに聴いてもらったり、忘れないでもらえると嬉しいです」
この日最後に届けられたのは「歌に形はないけれど」。ドラマティックなラブソングに自身の想いを込めて歌い上げ、感動的な余韻を残したまま約2時間のステージを締め括ったのだった。
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]
前述の通り、しゅーずは6月8日(金)に恵比寿LIQUIDROOMにて今ツアーの追加公演を開催することになっている。当日はゲストとして、歌い手のいかさんと、東京公演に出演したATYが出演することになっているのだが、この日のMCでATYの明香里が「また一緒にダンスやりたいですね!」とコメント。しゅーずとしても「また機会があれば」とのことだったが、はたしてどうなるか……!? ツアーを経験して一回り成長した彼のステージを、是非多くの人に味わっていただきたい。

文=山口哲生 撮影=小松陽祐[ODD JOB]
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]
しゅーず  撮影=小松陽祐[ODD JOB]

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