「日本の“おもしろい”を集めちゃい
ました」~Tokyo Street Collection
レポート

リアルなカルチャーが生まれる場所、ストリート。東京には、街それぞれに個性的なストリートがあり、刻一刻と新しいカルチャーが、生み出され続けている。そんな東京のストリートをキーワードに、音楽やファッション、アスリートなど幅広く人気者が集うイベント「Tokyo Street Collection 〜日本の“おもしろい”を集めちゃいました。〜」(以下、「TSC」)が2018年5月3日、武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで開催された。
通算7回目となる今回はイベント史上最大規模となる8,000人を集め、注目度の高さを証明。人気のバンドやHIPHOPアーティスト、アイドルグループ、モデル、格闘家ら、幅広いジャンルの先鋭たちがイベントを大いに盛り上げた。
イベントへの期待感でいっぱいに膨らんだ会場は、貪欲にパフォーマンスを欲していた。オーディエンスの視線がステージ一点に注がれる中、ライブパフォーマンスの先陣という重責を担ったのは4人組ロッックバンドのSPYAIR
SPYAIR (撮影:千株式会社)
KENTA(Drums)のアグレッシヴなドラミングとともに、IKE(Vocal)が「東京、楽しんでいきましょう!」とシャウト。その叫びが号砲かのように、1曲目からキャノン砲を豪快に打ち上げた。それは、まさしくTSCらしいイベント開始の狼煙となった。
ランウェイを花道にかえて、IKEが両手を広げ「東京、声を出して!」と呼びかけるとオーディエンスも負けじと声をあげた。さらに、4曲「サムライハート」で観客がタオルを回す様は壮観だった。エモーショナルかつパワフルなサウンドと力強い歌声で、第一声でがっちりハートをつかむと、瞬く間にその場を巨大なライブハウスに変えた。
開演から急上昇する熱気で場内のテンションは早くもマックス。そこへ、今度はIVANを始めとするモデルたちがランウェイを華麗に闊歩。BOYS AND MENの弟分で人気急上昇の祭nine.のメンバーが一度に姿を見せると、一段と黄色い声援が飛び交っていた。
城戸康裕/ダンテカーヴァー (撮影:千株式会社)
ライブやファッションショーだけにとどまらないのもまた、ジャンルにとらわれないTSCらしさ。アーティスティックな感性を持つ元ボクシング世界王者の亀田大毅と、その妹で、先日ボクサーとしてメキシコでデビュー戦に勝利したばかりの亀田姫月も登壇。会場をおおいに沸かせた。
亀田大毅/亀田姫月 (撮影:千株式会社)
さらには、5月5日に現役復帰戦にして、ラストマッチを戦う亀田家の長男、亀田興毅からのサプライズ動画メッセージが届いたことがアナウンスされると歓声が上がった。2020年の東京オリンピックの会場として使われることが決まっている場所で、アスリートの熱い思いを共有できたこともまたこのイベントの良さかもしれない。
続いてランウェイに姿を見せたのは、女優やアイドルなどマルチに活躍する注目の17歳の女子高生アーティスト、吉田凛音。小柄で華奢な体躯とは思えない伸びやかな歌声で観客を魅了。4人のダンサーを従え軽やかに踊ったかと思えば、パワフルなフロウによるラップを披露し観客を驚かせた。
吉田凛音 (撮影:千株式会社)
出演者たちによる囲み取材には、モデルを代表してIVAN、ものまねから音楽活動まで幅広く才能を発揮する青木隆治、亀田大毅と姫月、祭nine.、ビエンヌ(TiiiMO)、Rina(Carat)、中野恵那、バトシン(XOX)ら総勢17名がずらり。一気に華やいだ。
亀田大毅は「最高です!」が第一声を発し男気を見せた。
囲み取材風景 (撮影:千株式会社)
祭nine.のメンバーは「今日初めてランウェイを歩かせてもらって、すごく緊張したんですけと、祭nine.らしく出来たと思います。」と初々しく微笑んだ。IVAN「ランウェイを歩かせてもらっているのは、大変有難いことです。」と、思いたっぷりに、モデルとしての誇りをのぞかせた。青木隆治は「どうも、ブルーノ・マーズです」と、このあと初披露するものまねネタで記者達の笑いをとった。記者からの「普段のモノマネと違いますか?」という質問に、「全然違いますよ、こんな大観衆の前でやるなんて・・・ディナー・ショーは200~300人なので、こんな広いところでやるのは久しぶりです。」と、不安を吐露。さらに笑いを取る結果になった。
その後も、ベテランバンドの175Rがキャリアに裏打ちされたタフさとパワーで観客をぐいぐいとひっぱり、熱狂を巻き起こした。かと思えば、本日2度目のファッションショーでは、モデルたちがサマーコレクションの衣装を纏い、愛らしくも美しくランウェイを練り歩いた。
平本蓮 (撮影:千株式会社)
非日常感に浸る間も無く、再びライブセクションではイケメングループ勢がパワーいっぱいに暴れ回った。
まずは、6人組のダンス&ボーカルグループXOX(キス ハグ キス)。「まだまだ皆さん疲れてなさそうですね!」と声をかけライブがスタート。全員が歌い踊れるグループの威信をかけステージ狭しとパフォーマンスした。2ndシングルから連続でオリコンチャート・トップ10入りしている人気と実力のほどを魅せつけた。最後はダンサブルな新曲「OVER」を会場のオーディエンスにいち早く届けてくれた。
XOX(キス ハグ キス) (撮影:千株式会社)
熱気をそのまま引き継いだのは、ファッションショーや囲み取材でも大活躍の男性エンターテイメント集団、祭nine.。のっけから全員でのバック転で度肝を抜いたかと思えば、名古屋のストリートで一からのし上がってきた兄貴分、BOYS AND MENの遺伝子を受け継ぐ者らしく、がむしゃらに歌い、踊り、飛び跳ねた。MCでは「今日はリーダーが欠席ですみません」と謝り、「でも、僕たち今日をものすごく楽しみにしてきました」と叫ぶと、会場のあちこちから暖かな拍手が沸き起こった。
祭nine. (撮影:千株式会社)
若さはじけるライブが続いた後には、今年9月にデビュー10周年を迎える3人組、Sonar Pocketが登壇。ライブに定評がある彼らはまさに圧巻のステージだった。深みと温かみのある歌声で琴線に触れるko-daiが切なげに「好きだよ」を熱唱。一方、まっすぐに想いを届けるeyeronは「今日はがっつり(皆さんと)両想いになって帰りたいと思います」と宣言。アップテンポの「ファンファーレ」ではmattyがギターを抱えてフロントまで出てきて、ライブを盛り上げた。この曲では、タオルを手にするよう呼びかけ、全員参加で笑顔を分かち合った。百戦錬磨の3人は、瞬く間にアリーナをホームと化し、この日何度目かのクライマックスへと導いた。
Sonar Pocket (撮影:千株式会社)
一方、アーティストのものまねタレントであり、オリジナル楽曲を手がけるシンガーソングライターの才能も持つ青木隆治は、巧みなトークとお笑いをとりまぜつつ、洋楽をカヴァー。はじめにド派手なピンクのジャケットを纏ってブルーノ・マーズをパフォーマンス。囲み取材では心配していた初披露ネタだが、観客は心地よく彼の醸すグルーブに体を揺らしていた。暗転したかとおもいきや、今度はラメのジャケットに着替えて、キング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンに早変わり。もちろん、大きな拍手と歓声を浴びていた。が、ユーモアをわすれないのが青木の持ち味。ここからはモノマネ11連発で福山雅治から中島美嘉美空ひばりなど振り幅の広い芸で観客をおおいに楽しませ、大人な余裕がにじむエンタメ時間を満喫させてくれた。
青木隆治 (撮影:千株式会社)
再び、華麗なファッションショーの時間を迎えると、すっかりイベントで心を解き放たれたオーディエンスは、温かな歓声と惜しみない拍手を送った。
ライブイベントのラストを飾ったのは、世代を超えて愛されるシンガーソングライター、岡本真夜。飾らないメッセージを優しく歌い掛ける「君だけのStory」。ランウェイをゆったり歩きながらセンターステージに立ち、「歌える方は是非一緒に歌ってください」と呼びかけたのは、名曲「TOMORROW」。むろん大合唱となり、会場はウォームな空気で満ちた。ラストは励まされるようなアップテンポのナンバー「アララの呪文」。こちらも大合唱となりライブの幕は降りた。
岡本真夜 (撮影:千株式会社)
グランドフィナーレは、出演者が集結。ステージを埋め尽くすほどだった。最初からイベントを盛り上げた続けた、MC ACEもようやく安堵の笑みを浮かべた。
最後にコール&レスポンスをしましょう!と、呼びかけると観客は大喜び。何度もTSCを叫び合うと、華々しくキャノン砲から金色のテープが放たれた。
これからも、ヤバいものを集めて発信するというMC ACEの言葉通り、TSCはますます東京のストリートが繋ぐ色鮮やかなカルチャーやエンターテイメントを届けてくれるだろう。

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