【Brian the Sun ライヴレポート】
『TOUR 2018「the Sun」』
2018年4月22日 at マイナビBLITZ赤坂
“頭からバーンって柄じゃない。ゆるやかに、なごやかに、にこやかに楽しみましょう”と、ピアノを弾いたミッドテンポのポップナンバー「Sunny side up from your heaven’s kitchen」を演奏するとき、森良太(Vo&Gu)は言った。しかし、言葉とは裏腹にフィードバックノイズから小川真司(Gu)が激しくギターをかき鳴らして、演奏になだれ込んだ1曲目の「The World」から、この日、彼らはほぼ曲間を空けず、田中駿汰(Dr)がドラムで演奏をつなげながら、曲をたたみかけていった。1曲目から飛び跳ね、ガッツをアピールした白山治輝(Ba)をはじめメンバーたちのアクションもいつも以上にエネルギッシュだった。そして、いきなり怒涛の展開となった序盤から一転、中盤ではテンポを落として、美しさと儚さが入り混じるバラードの「カフネ」など、じっくり聴かせる曲を並べ、彼らの曲が持つノスタルジア、センチメントといった魅力に観客の耳を傾けさせた。
そんな中盤と再びテンポアップしていった終盤をつなげたのがギターポップの「Winter Train」。観客の気持ちがメロウな歌と演奏に溶け込んでいった「ポラリス」ではバンドの新たな決意を歌い、4人で交互に歌いながらバンドとそれを支えるファンを称えた「the Sun」とともにこの日のハイライトを迎えた。しかし、一番の見どころは、彼らが改めて印象づけたロックバンド本来の姿だったと思う。電気で増幅したサウンドと剥き出しになった感情、そして観客に対する誠意があれば、他には何も要らないと言わんばかりに熱演を繰り広げた彼らは抜群にイカしていたのだった。
撮影:Mami Naito/取材:山口智男