【インタビュー】寺嶋由芙、AL『きみ
が散る』はソロアイドルの経験値たっ
ぷり

グループアイドル全盛の時代にあえてソロ活動に踏み切り、いよいよ5周年イヤーに突入している“ゆっふぃー”こと寺嶋由芙。そんな彼女が4月25日にリリースする2ndアルバム『きみが散る』は、前作アルバムから約一年半の道のりと進化をぎゅっと一つにまとめた作品だ。「ソロになってよかったことばかりな気がします」と語る彼女の視界には、今の時代だからこそ目が離せない賑やかな風景が広がっている。
   ◆   ◆   ◆
■環境は変わり続けているんですけど

■より安定して好きなことが出来る場に近づけている
──まずは2ndアルバム『きみが散る』が出来上がっての感想から聞きましょうか。
寺嶋:とても好きなタイプのアルバムが出来て嬉しいなっていうのと、前作から今作までの間が凄く短く感じたので、本当に出るのだろうか?みたいな感じがあります(笑)。
──前作のタイトルが『わたしになる』で今作は『きみが散る』。何か関連性があるのかな?と勘ぐってしまったのですが。
寺嶋:いや、たまたまなんですよ。でも並べてみたらそういう関連性があるような雰囲気が生まれていて、そこも意味深でうれしいみたいな(笑)。
──5周年イヤーの第一弾作品ですよね。ソロになってもうそんなに経ったのかとちょっとビックリしました。
寺嶋:ありがたいことです。ソロだからメンバーチェンジもなく(笑)。
──ソロになって最初のシングル「#ゆーふらいと」を出した時は凄く活動に関して不安がっていましたよね。
寺嶋:まぁそれは今もなんですけど(笑)。でも5年間ずっとCDをリリースさせてもらえてライブも沢山やれたので、止まらずにしっかり活動してこられたのは凄くありがたいことだと思っています。最初インディーズだったのがユニバーサル(EMI Records)さんでメジャーになってテイチクさんに移って事務所も変わったりとか、環境は変わり続けているんですけどそのたびにより安定して好きなことが出来る場に近づけている気がしているから、いい変化があった5年だったなと思います。
──同期デビューのアイドルグループは解散したりメンバーが変わったりしているところが多いじゃないですか。そういう中でソロだから続けられたみたいな部分もありますか?
寺嶋:それはあると思います。全員で目指すゴールみたいなものがグループさんだとあって、それが本人と合わなくなったら辞めちゃう子もいるだろうし、叶えちゃったあと自分にとってそのグループにいる必要性がなくなってしまう子もいると思うんです。でもそういう選択が私にはなかったからのんびりと続けてこられたというのはありますね(笑)。
──ソロになってよかったなと。
寺嶋:ソロになってよかったことばかりな気がします。今作もそうですけど作品を出すにあたってひとつひとつ細かく関わらせてもらえるし、毎回のイベントも自分がちゃんと全部体感出来るというのがあるので、自分で自分のためにやっているという意識があるからソロはいいなと思っています。
──事務所がディアステージになった所も大きかったりはしませんか?
寺嶋:最初はディアステの中だと私は異質だと思っていたんですよ。ビジュアル的にもやっている音楽にしても全然違うから(笑)。でもやっていることこそ違えどディアステージの子ってグループにいても割と自分のやりたいことをやっているし、意外と世代の近い子が多いから話も合うんです。そういう意味では自分にとってやりやすい環境だとは思います。それとディアステージってディアステのヲタクの人達がいるから、その人達に見てもらえるっていう広がりもあったのでよかったのではと。
──同じ事務所に年齢が近くて話の合う人がいると気持ち的にも安心ですよね。
寺嶋:中学生とかばっかりの事務所に入っていたら心の折れが早かったかも(笑)。「もう大人になったのでそろそろ……」とかって言っていたかもしれないです。
──ソロだけど仲間がいるみたいな。
寺嶋:そうですね。今レッスンとかはみんなでやっているんですよ。その日お仕事がない子達でボイトレやダンスレッスンをしていて、みんな一緒なので楽しいんです。そこでちょっとチーム感が生まれているからなんとなくグループのいいところというか、青春感みたいなのも頂いています(笑)。
──チーム感という話がでましたが、プロデューサーの加茂さんだったりソロになった当初から曲を提供している作家陣やファンの人達も含めての寺嶋由芙チームというのがあって、それも活動が続けられている理由な気がするんですけど。
寺嶋:チーム加茂ですね。本当にその通りで、「#ゆーふらいと」の時からお世話になっているrionosちゃんと(ヤマモト)ショウさんがいて、そこに宮野(弦士)さんや真部(脩一)さんGOOD BYE APRILさん、他にも色々な方が仲間になってくれて。たまにそういうメンバーで加茂フェスみたいに集まったりするんですけど、そこからフィロのス(フィロソフィーのダンス)ちゃんも出来たし、加茂チームにはずっといたいなと思っています。ビジュアル面も「天使のテレパシー」以降は写真、衣装、MVも同じチームにやってもらっているので、デビューの時と比べると今はどうやって作ったら一番いいものが出来るのかっていうことを考えてくれる人が増えて、以前のものを超えて今までになかったものを作ろうって考えてもらえるのは凄くありがたいなと思いますね。
▲『きみが散る』初回限定盤
──そんなチームで完成させた2ndアルバムですが、制作前にこんな作品にしようみたいな構想はあったのでしょうか?
寺嶋:女子を釣るアルバムにしようって(笑)。女の子のファンを増やしたいというのが今年のテーマなので、女子に聴いてもらえる曲を増やそうというのが漠然と最初にありました。
──表題曲の『きみが散る』から始まりますが、哀愁を帯びた憂いのある曲だったので聴いた時にオープニングナンバーとしては少し驚きがありました。
寺嶋:この曲は最果タヒさんに歌詞をもらってから公募で曲を作ったんですよ。だからどういう曲になるかわからなかったので、出来上がってから1曲目のリード曲にしようって決まったんです。ちょっとシリアスというか大人っぽい印象で今までやったことのないタイプの曲だったから、これを頭にもってきて聴いてもらうことで「新しいゆっふぃーが始まるぞ」みたいな予感を感じてもらえたらいいなと思って。
──昔の曲でいうと「恋人だったの」とかに近い哀愁感があって、こういう曲調って由芙さんの声質に合っていているなと思いました。
寺嶋:えっー!嬉しい。この曲はサビとか特に切なさというかエモさを出すようにと言われていたので、歌うのが難しくもありつつ楽しくて気持ちよかったですね。それまでは可愛い曲が多くて、そういうきゅるんっていうのも好きなんですけど、それが一回落ち着いて大人のゆっふぃーを見せられたのではないかなという感じです。今後はこういうちょっと大人っぽくて切ない路線も頑張ろうと思っているんですよ。
──演歌とか音頭とか由芙さんの曲は幅がありますよね。今作にもその辺りの曲が収録されていますが、曲順を決めるのとか難しくなかったですか?
寺嶋:迷いましたね。演歌と音頭をどこに置くか問題がすごくあって(笑)。最後おまけでボーナストラックみたいに2曲つけるか、頭で聴かせちゃうかとか色々と考えたんです。でも演歌も音頭もテイチクさんに移籍したからこそ出来たことでもあるし、ゆっふぃーの活動の中に組み込まれていることなんだよっていうのを示したかったので、あえて間に挟んでみました。前作も「ゆるキャラ舞踏会」をボーナストラックにするか本編に組み込むかで悩んだんですけど、結局ゆるキャラっていうのはゆっふぃーの活動の中でとても大事だから“これも表ですよ”っていうのを見せるために普通の曲に混ぜてリリースして、今回も最終的にはその考え方なんです。全部ゆっふぃーですっていう。
■私はわかって歌えるし、ヲタクの人もわかって聴けるっていう

■関係性がいいなって最近は思っています。
──歌ってみて難しかった曲とかはありました? 加茂さんが自分のブログに譜割りで作詞家さんと話をした曲があったと書いていましたが。
寺嶋:クリス松村さんに歌詞を書いて頂いた「たぶん…」なんですけど、仮歌を録った時にクリスさんが思っていらしたニュアンスと私が歌っていた感じや歌詞のはめ方が違っていたみたいで、そこを最初はメールでやりとりをしていたんです。でも細かいところまではわからなかったから、結局お電話をつながせて頂いて。
──クリスさんと直電で話しながらのレコーディング?
寺嶋:はい(笑)。一時間弱ぐらい電話で直接ご指導して下さって、歌詞一行一行まで凄く丁寧に教えて頂いて録りました。
──イメージですけどクリスさんてこだわりが強そうな方ですよね。
寺嶋:凄くこだわりのある方です。でも何にこだわっていらっしゃるかを凄くわかりやすく説明してくださったんですよ。だからただ「そんなんじゃダメよ」って言うのではなくて、もっとこうした方がいいって教えて下さったり、時には電話口で歌って下さったりもして凄く勉強になりました。
──普通の作家さんとはどう違っていたんですか?
寺嶋:思いがけない溜めがあったりしましたね。音符上だったらスルッと歌っちゃう所をあえて溜めて歌うことで古き良き感が出るとか、そういうところをこだわっていらっしゃったので。
▲『きみが散る』通常盤
──アルバムの中でお気に入りの曲をあえて選ぶとしたらどの曲ですか?
寺嶋:うーん、悩ましいですねー。「君より大人」かなー。この曲は私も好きだし人気がありますね。可愛いなと思ったし、大人だからこそのあせりとかいじらしさみたいなものが出ていて、この世代の女子には響く曲なのではと思います。
──そういう世代感みたいなのは意識しますか?
寺嶋:自分が5年経ってアイドルとしてだいぶ年上になったので、年上アイドルだからこそ歌える曲みたいなものがあるんじゃないかなって思うんです。「結婚願望が止まらない」もそうですけど、そういう曲が増えてきたのは幅が広がって嬉しいですね。「知らない誰かに抱かれてもいい」なんてタイトルの曲は中学生には歌わせられないじゃないですか(笑)。でもそれを私はわかって歌えるし、ヲタクの人もわかって聴けるっていう関係性がいいなって最近は思っています。
──今あげてくれた曲もそうですが、シングル「わたしを旅行につれてって」以降インパクトのあるタイトルが多いと思うんですけど、新曲の打合せをする段階で由芙さん的に歌詞やタイトルのありなしの基準みたいなものはあったりしますか?
寺嶋:うーん、ヲタクが本気で嫌な気持ちにならなければいい。
──素晴らしくわかりやすい(笑)。
寺嶋:「知らない誰かに抱かれてもいい」ってタイトルは自分でも一瞬「うわっ!」って思ったんですけど、曲や歌詞を全て合わせた時に嫌な気持ちになる人はいないと思ったんですよ。タイトルだけ先に発表したのでヲタクはみんな病んでいたんですけど、そこまでは想像の範囲内だったというか(爆笑)。曲がちゃんと出来て聴いてもらった時に納得してもらえて好きになってもらえる自信があったからチャレンジができたので、基準はそこぐらいですかね。
──そのあとにアルバムで「結婚願望が止まらない」とか言っているし。
寺嶋:そうですよね。「結婚願望が止まらない」はツアーの最終公演の沖縄で初めて歌ったんですけど、ツアーにJOYSOUNDさんがついてくれていたので各地で地元の曲をカラオケで歌っていて、沖縄では「CAN YOU CELEBRATE?」を歌ったんです。そうしたらヲタクが「どうして今日ここでその曲を?」みたいな空気になって、そのあとに新曲をやりますって「結婚願望が止まらない」だったから凄く反応が楽しくて。あの流れは今でも上出来だったと思います(笑)。
──曲調に関してのありなしはどうですか?
寺嶋:そこはそんなにないですね。
──古き良き時代というキャッチフレーズだし、加茂さんがプロデューサーだからまずありえないですけど、もしバキバキのダンスチューンみたいなのが来たらどうします?
寺嶋:私はそんなに音楽に詳しい方ではないから偉そうなことは言えないんですけど、それがアルバムの中の1曲としてやるのとシングルとしてやるのとでは違うし、突然バキバキのものをやるってなった時に必然性とか理由がちゃんとあればやりたいって気持ちはあります。
──1stアルバム以降色々なパターンの曲を歌ってきて、今回のアルバム制作中自身で成長したなと感じた部分はありました?
寺嶋:今回は歌詞から作った曲が多いんですよ。なので歌詞の世界観というか、これぐらいの年の子が主人公でこんな気持ちでみたいなのを一個一個わりと明確に考えて、曲ごとに違うキャラになれたらいいなと思って歌ったんです。
──経験を積んだことで歌詞のキャラに入りやすくなったみたいな部分はありましたか?
寺嶋:入りやすくなりました。『わたしになる』の時はゆっふぃーが一生懸命やっている感があったと思うんですけど、今回はそこから肩の力が抜けたというか。多分それは「知らない誰かに抱かれてもいい」からだと思うんですよ。あの曲は明らかに自分が主人公ではないから、「歌詞をより表現するために何でこんな気持ちになったのか自分で考えなさい」って加茂さんに言われて、自分の中で勝手に色んな設定を考えてからレコーディングにのぞんだので、その経験が今回のレコーディングでも生きたんじゃないかなって思いますね。
──等身大の自分ではない、歌詞に描かれている物語の主人公になりきるみたいな。
寺嶋:そうです。「#ゆーふらいと」とは明らかに違う気持ちで歌う曲が増えたんですよね。「#ゆーふらいと」や『わたしになる』みたいにゆっふぃーはこんなに頑張っているんだよ、みんなも負けずに頑張ろうねみたいな視点ではなくなったっていうのが、今回のアルバムのポイントなのかなって思います。
──自分の中にあるものしか歌えなかったところから成長して、今作は本当の意味での歌手・寺嶋由芙になったアルバムなのかもしれないですね。
寺嶋:だったらいいんですけどね。それが聴く人にちゃんと伝わっているといいなって思います。自分のことに近い曲を歌っていれば聴き手が勝手に補足してくれるじゃないですか。それが今回はなくなっている曲が多いと思うし、私じゃない女の子を歌っているっていうのが難しかったところなので。
──ゆるキャラグランプリの司会だったり、『japan ぐる~ヴ 体感!エンタメ情報』というテレビ番組のMCもやっていて、音楽活動以外にもやりたいと思っていたことがこの5年でかなってきています。この先の未来像みたいなものはどう考えているんですか?
寺嶋:やりたかったことはかなっているんですけど、まだその一個一個の規模が小さい気がしているんですよ。自分が好きなものを同じように好きな人達にはだいぶ届いたと思っているので、今後はそうじゃない普通に暮らしていたら絶対に接点がない人達に届けるっていうことがやらないといけないハードルだなと思っていて。そこに届けられないと同じキャパの中でずっとやっている人になっちゃうなっていうのが、今考えていることなんです。
──アイドルと言うことで届けられる範囲が狭められてしまうみたいには考えたりはしませんか?
寺嶋:その肩書は大事にしていきたいんですよ。アイドルですっていうのはちゃんと名乗っていきたくて、この先女優になりたいとか司会業で頑張りたいというよりは、アイドルをやっている子が司会もやるしゆるキャラもやるという風にしたいので、そういうやり方がないものかなぁと思っているんです。
──自分の中でアイドルでいることは大事ですか?
寺嶋:大事ですね。アンジュルムのあやちょさん(和田彩花)が同じようなことを卒業ブログでおっしゃっていて、それが私の言いたかったことなんだって思ったんですよ。だからああいう風になりたいんです。
──年齢は気になりますか?
寺嶋:なりますよー。でもあやちょさんが30歳になってもアイドルでいたいって言っていたり、NegiccoのNao☆ちゃんは30歳になっても活動されているし、そういう先輩たちがいてくれるので勝手にあきらめずに頑張ろうとは思っています。
取材・文◎山村哲也
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ニューアルバム 『きみが散る』のリリースを記念し、寺嶋由芙さんのサイン入り色紙を抽選で1名様にプレゼントいたします。ご希望の方はプレゼントフォームよりご応募ください。なお、当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます(応募締切:2018年5月8日(火)23:59)。
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▲アルバム『きみが散る』初回限定盤

▲アルバム『きみが散る』通常盤
ニューアルバム『きみが散る』


2018年4月25日(水)発売

初回限定盤(CD+DVD):TECI-1578(TEBI- 37502)/¥3,500(tax in)

通常盤(CD) :TECI-1579/ ¥3,000(tax in)

<CD収録内容(初回限定盤・通常盤共通)>

1.きみが散る

2.知らない誰かに抱かれてもいい(Album mix)

3.君より大人

4.結婚願望が止まらない

5.天使のテレパシー

6.背中のキッス

7.終点、 ワ・タ・シ。

8.夏'n ON-DO

9.たぶん…

10.わたしを旅行につれてって

11.好きがはじける

12.みどりの黒髪

13.コンプレックスにさよなら

14.世界でいちばんかわいい君へ

<DVD(初回限定盤付属)>

「きみが散る」ミュージックビデオ

「きみが散る」ミュージックビデオメイキング

■ライブ情報


4/29(土) 寺嶋由芙2ndアルバムリリース記念ライブ~きみが散る~

会場:恵比寿・CreAto

詳細: http://yufuterashima.com/topics/2018-04-29-live/
5/5(土) #ゆふぃすと男子部のイベント

会場:渋谷・チェルシーホテル

詳細: http://yufuterashima.com/topics/2018-05-05-event/
【リリースイベント情報】

4/25(水)ヴィレッジヴァンガード渋谷本店

4/26(木)タワーレコード渋谷B1F CUPUP STUDIO

4/27(金)東京・ニコニコ本社

4/28(土)タワーレコード名古屋パルコ店

4/28(土)タワーレコード梅田NU茶屋町店

4/30(月)Space emo 池袋

4/30(月)タワーレコード新宿店
《春のゆっふぃー祭り スクラッチくじキャンペーン》

上記リリースイベントにて『きみが散る』を対象イベントにてご予約(ご購入)の方を対象に、 ご予約(ご購入)枚数に応じてスクラッチくじをお渡しします。 スクラッチくじを削って『だいふく』が出てきた方には素敵なプレゼントが !

<詳細> http://yufuterashima.com/topics/2018-04-25-release_campaign/


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