【インタビュー】女子高生バンド・D
ROP DOLL「今年は勝負の年」

メンバー全員がボーカルを担当するスリーピースの女子高生バンド、DROP DOLLが4月25日に2ndシングル「Little deep love song」をリリースする。授業が終わると即スタジオに直行。ひたすら練習に練習を重ねるライフスタイルはメジャーデビュー前と全く変わっていないということだが、そんな彼女たちの内側に秘めた熱さや一途さがダイレクトに伝わってくるのが今回の表題曲だ。甘酸っぱくもなく、ほっこりもしていないひりひりした片思いソングに出会った時、「自分たちらしい!」と思ったという3人。デビューして半年で、自分たちと同じ女子高生バンドを応援したいという意志のもと、早くもフェスを主催するなど、DROP DOLLのアクティブな動きに注目だ。
  ◆  ◆  ◆
■忙しいほうが嬉しい

■聴き終わった後に自分にとって大切な人に会いたくなる
──メジャーデビューして季節も冬から春に移り変わりましたが、意識やライフスタイルは変化しましたか?
J(Dr&Vo):毎日、学校が終わってから3人でスタジオに集まるっていう生活は何も変わっていないです。楽しいよね。
I(G&Vo):うん。変わったのは、以前は楽しくて音楽をやっている気持ちが大きかったけれど、たくさんの人にDROP DOLLの曲を届けたいと強く思うようになったというところです。自分たちの音楽で人と人の輪が広がっていったらいいなって。
J:ライブだったりラジオだったり、多くの人に曲を聴いてもらう機会が増えたからね。
U(B&Vo):メジャーデビューしていろいろな取材を受けたり、メディアに出る機会が増えて「どうしたら自分たちが思っていることや、やりたいことをたくさんの人たちに伝えられるのかな」って考えるようになりましたね。取り組み方が変わってきたというか。
▲I(G&Vo)
──学校との両立もあるし、かなり忙しくなったのでは?
I:はい。すごく充実していて楽しいです。忙しいほうが嬉しい。
U:もっともっと忙しくなりたい(笑)。
──ははは。前回、3人でディズニーシーに行った話をしてくれたけど、そんな時間なくなっちゃいましたね。
U:だいじょうぶです。スタジオがディズニーシーなので(笑)。
I:もはや夢の国だよね(笑)。
J:3人で音を出していると、とにかく楽しいんですよ。今日もお昼からスタジオに入って汗だくになってきました。
▲U(B&Vo)
──あいかわらず練習熱心ですね。ところで今回の衣装は黒でシースルーでオトナな感じじゃないですか。
U:そうなんですよ。前回は制服だったんですけど。
I:今回はロックな感じですね。女子高生だからとかじゃなくて「女子高生でもこんなにカッコよくなれるんだ」って思ってもらえたら嬉しいです。
U:曲調も含めて今回のシングル「Little deep love song」の世界観に合っていると思うんですよね。
▲J(Dr&Vo)
──確かに。「Little deep love song」は激しさも切なさもあるラブソングになりましたね。歌詞も一途さが刺さってくる。
J:好きな人と交わす言葉のひとことひとことがすごく大事だったり、一緒に過ごす時間が宝物だったり。自分の本当の気持ちを言えないもどかしさを抱えていて、ずっと一緒にいられないとわかっているのに心では求めてしまったり。そういう一途な想いを表現したくて、ライブでこの曲を演奏する時には激しくパフォーマンスするようにしていて、高い位置からスティックを振り下ろして頭を振りながら叩いています。目線でも「あきらめたくない」っていう気持ちを表現しているので、片思いしていない人も心がぎゅっとなる感じが伝わるようにと思っていつも演奏しています。
I:今回のシングルに収録されているのは“誰か”の存在に影響されて自分の気持ちが揺れ動く曲ばかりなんです。誰かの存在がないと今の自分はいないし、大切な人がいるのは当たり前じゃないっていうことや、その存在の大きさを全部詰めこんだ感じです。
U:2曲は恋愛ソングなんですけど、3曲とも違う視点で描かれているので、聴き終わった後に自分にとって大切な人に会いたくなるような。そんなCDになったんじゃないかと思います。
J:1人1人、大切な人って違うと思うんですけど、いろんなシチュエーションに当てはめて共感できるようなCDになっているので、そういう人を思い浮かべて聴いてほしいです。
■寒すぎて身体から湯気みたいなのが出ました

■ずっとやってみたかった
──表題曲の「Little deep love song」はミュージックビデオが公開されていますが、新しい衣装での表現力豊かな演奏シーンのほかに制服姿で雨に濡れまくって演奏する場面も出てきますね。撮影中、印象に残っているのは?
J:やっぱり雨のシーンかな。
U:そうだね。
I:撮影したのが2月で真冬だったんですよ。なので、むっちゃくちゃ寒かったです。
──やっぱり冷たかったんですか?
J:寒すぎて身体から湯気みたいなのが出ました。
I:撮っている最中は、演奏に入りこんでいるから寒さなんか忘れているんですけど、終わった瞬間、「寒い〜!!」って(笑)。
J:カットがかかった瞬間、震えが止まらなかった。
U:制服1枚だし。毛布ぐるぐる巻きでヒーターに走っていったね。
──うわ〜っ。けっこう壮絶ですね。
I:でも、ずっとやってみたかったことでもあったんですよ。「Little deep love song」に雨ってピッタリだなと思って。かなり冷たかったですけど、やった甲斐がありました。
──それとIさんは演奏シーンのほかにフードをかぶって通りを歩くイメージシーンでも登場しますよね。
I:2月の夜だから寒くて。ミュージックビデオの前半では信号が青に変わっても足を踏み出せないんですけど、最後のシーンでは歩き出していくんですよね。
──青信号が点滅するギリギリのタイミングでね。
I:そう! そこをいちばん大切にしました。「Little deep love song」の主人公は自分の恋は叶わないと思っていて否定的なんですけど、最終的にはやっぱり、あきらめたくないって思うんです。その気持ちの変化を表現したくて、撮影中は自分の中でグーッて決意して足を踏み出しました。かなり入りこんで演じて、あらためて、好きな人への想いや葛藤を強く感じる曲だなと。
──息が苦しくなるような切なさがありますものね。
U:片思いって、伝えられないと自分の中で激しい感情が溢れ出しちゃって、どうしようもなくなったりすると思うんですよ。そういうリアルな気持ちを伝えたくてイントロやサビは自分の心の叫びみたいな感じで激しくベースを弾いています。
J:私も曲の中に入りこんで、飾ったりせずに「自分は今、片思いしてる!」って思いながら叩きました。それが表情や音で伝わったらいいなって。
──新しいDROP DOLLの一面ですね。
I:はい。今までのDROP DOLLとはまた違うパフォーマンスだし、雰囲気も違うし、自分たちらしいミュージックビデオになったなって。
U:今までいろんな曲調に挑戦してきましたけど、私たちらしい片思いソングだなと思いました。
──DROP DOLLの片思いソングは甘酸っぱいというより切迫してる?
全員:(笑)。
I:そうですね。「これだな!」と思いました。
■今年は勝負の年

■<JK☆ROCK FES>を開催するんです
──さっき、誰かの存在があって揺れ動く曲ばかりが収録されているという話をしてくれましたが、カップリングの「宇宙-SORA-」は?
J:これは両思いだけどあまり一緒にいることができない恋人たちの歌詞です。私の中のイメージなんですけど、主人公の女のコは白いワンピースを着ていて背中に小さい羽根が生えてるんですよ。
──ファンタジックなイメージですね。
J:ロマンチックな感じです。女のコが恋している男のコはすごく人気者で、だからみんなの前では話しかけられないし、なかなか会えなくて、部屋でひとり白い枠の窓から、いちばん輝いている星を見つけて彼に重ねているっていう。サビは窓が開くイメージで「男のコが迎えにこないかなぁ」と思っている。そんな女のコが浮かぶ曲だと思います。
──今のJさんの想像のストーリーを聞いているだけで、もう1本ミュージックビデオが作れそうですね(笑)。
I:「Little deep love song」とは全然曲調も違うし、両想いなのに会えない恋人への想いを宇宙に輝く星でロマンチックに例えた曲ですね。
──「STORY」で描かれている大切な人は恋愛とはまた違う?
I:悩んだり、落ち込んだりした時に手を差し伸べてくれる人って必ずいると思うんです。私の場合は家族だったり、応援してくださっている人たちだったり、DROP DOLLに関わってくれる人たち、もちろんメンバーもそうですけど、自分にとって大切な人たちってたくさんいて……見守ってくれることも手を差し伸べてくれることと同じだと思うんですよ。
U:「STORY」はこういう曲ですって決めたくなくて。聴く人によって思い浮かぶ情景や人が違うと思うので、イメージを膨らませてくれたら嬉しいです。
──では、今後のことについて教えてください。5月3、4日には群馬の高崎アリーナで開催される<TAKASAKI ARENA LIVE FESTIVAL “GBGB2018”>に出演しますね。DROP DOLLが出演するのは3日でROGUE、ACIDMANBRAHMANDragon Ashらと一緒のステージ。オープニングアクトを飾るということですが、すごい顔ぶれですよね。
全員:(興奮気味に)スゴイですよね!
J:同じステージに立てる嬉しさもあるし、そこでまた吸収できるものがあると思うので楽しみですね。
I:DROP DOLLの音楽を1人でも多くの人に届けて心を揺れ動かしたいです!
U:掴みたいです! たくさんの人に知ってもらえるチャンスなので。
──ほかにチャレンジしたいことはありますか?
U:今年は勝負の年だと思っているんです。私たちは今、3人とも高校生ですけど、Jは来年、卒業なので“高校生バンド”として活動できるのは、この1年しかないから、自分たちらしさや思っていることを発信していきたい。
J:それと今年、私たちは、女子高生バンドのために主催フェス<JK☆ROCK FES>を開催するんです。友達もDROP DOLLのライブを見に来てくれるんですけど、軽音楽部のコに「MCってどうやって考えてるの?」とか「ステージに立てていいな」って言われることもあって。私たちはたくさんの方に支えられてチャンスをもらってライブハウスに立てるけれど、普通の高校生はお金もないし、なかなかステージに立つ機会もないから私たちが主催すれば一緒にライブができるかなって3人で考えてね。
I:そう。「こんなに練習してるのになんでステージに立てないの?」って思っている人もたくさんいると思うので、夢を掴むために一緒に走っていけたらいいなって。爆音でライブする楽しさも知ってもらいたいし。
──それはワクワクする試みですね!
J:6月3日に東京・渋谷 RUIDO K2で開催します!
I:女子高生バンドを募集しているのでたくさん応募してほしいです。
U:交通費も最大2万円まで出るので「東京だから行けない」ってあきらめないでほしい。優勝者と準優勝者には賞金も出るんです。結果は見に来てくれたお客さんに決めてもらおうと思っています。
J:定期的に続けていって、いつか大きな会場でやれたらいいなと思っているし、初の試みなので今、3人でいろいろ話し合っている最中です。
U:ステージに立ってみたい、チャンスを掴みたいと思っている全国の女子高生バンドを待ってます!
取材・文◎山本弘子

撮影◎生熊友博
▲「Little deep love song」初回盤
▲「Little deep love song」通常盤
2nd Singe「Little deep love song」


2018年4月25日(水)発売

■初回盤(CD+DVD)

TKCA-74641 ¥1,667+税

■通常盤(CD)

TKCA-74642 ¥1,204+税
[CD]

・Little deep love song

・宇宙-SORA-

・STORY

・Little deep love song(Instrumental)

・宇宙-SORA-(Instrumental)

・STORY(Instrumental)
[DVD]

・JK★ROCK2(Short Story Music Video)

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