カルト歌謡カルタ【く】畑中葉子「癖
になりそう…」

いつまでも人々の心の片隅に残り続ける珍曲や迷曲たち。売れることを考えて作られたとは思えない破天荒な作品に、その時代の心の豊かさと歌謡界の度量の大きさを感じる。いまこそ、その真髄を継承すべく、魔法のカルタで拡散!

「癖になりそう…」

1981年発表
歌:‪畑中葉子
作詞:‪森雪之丞
作曲:小杉保夫
編曲:松井忠重

畑中葉子の5枚目のシングル曲「ダスターシュート・ベイビー」(作詞:容蓮華 作曲:松宮恭子 編曲:松井忠重)のB面収録曲。‬

‪畑中葉子は、1978年に平尾昌晃とのデュエット曲「カナダからの手紙」(作詞:橋本淳 作曲:平尾昌晃 編曲:森岡賢一郎)で歌手デビュー。1979年に結婚して約8ヶ月で離婚後、芸能活動を再開するに当たり、当時の事務所社長に「脱ぐなら面倒見てやる」と言われ、1980年の日活ロマンポルノ『愛の白昼夢』に主演する。清純派歌手からポルノ女優への転身は世間に衝撃を与え、話題となった。同年「後ろから前から」(作詞:豊兵衛 作曲:佐瀬寿一 編曲:若草恵)と、同名の日活ロマンポルノ主演作が大ヒットを記録。畑中葉子曰く、「1作の約束だったのにヒットしたもんだから、にっかつの偉い人たちに土下座されて結局4作」になったという。‬

1981年の「癖になりそう…」は、日活ロマンポルノ最後の主演作『セクシー・ぷりん 癖になりそう』の挿入歌。その他、1981年「もっと動いて」(作詞:豊兵衛 作曲・編曲:茅蔵人)、1982年「左手で愛して」(作詞:容蓮華 作曲:松宮恭子 編曲:戸塚修)と併せて、‪畑中葉子‬の官能的・情欲的楽曲4部作といえる。

作詞は、渡辺プロダクションの渡邊晋社長から「雪之丞は倒れるまで詞を書く奴だ」と言わしめた作詞家・森雪之丞。シブガキ隊、布袋寅泰、‪氷室京介‬など数々のアーティストから、『ドラゴンボールZ』や『プリキュア』などのアニメソングまで幅広く楽曲を制作。2016年に作詞家デビュー40周年を迎え、手掛けた楽曲は2,400曲に及ぶ。畑中葉子は現在も、「懐かしさの部分はしっかり残しつつ、変化していけたら」と、歌手活動を続けている。‬

解説・イラスト:はらめがね

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