80年代からイッセイ ミヤケとも協働
した、インドの伝統的綿布「カディ(
Khadi)」の魅力に触れる展覧会 21
_21 DESIGN SIGHTで開催中

2018年5月13日(日)まで、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3にて、『Khadi インドの明日をつむぐ - Homage to Martand Singh -』が開催されている。
カディ、Rta Kapur Chishti のスタジオにて(撮影:岡本憲昭)
簡素で美しい生活様式やテキスタイルをはじめ、今日でも手仕事による技法や歴史、文化が色濃く継承されているインド。なかでも「カディ(Khadi)」と呼ばれる綿布は、ものづくりのオートメーション化が著しい近年も、手紡ぎ、手織りによってインド各地でつくられている。
Kalam Kushコットンパルプ製紙工場(撮影:岡本憲昭)
つくり手によって紡がれる一本一本の糸、多様な織り目による白の表情。その美しいテクスチャーには、インドの近代史と哲学が織り込まれている。インド国旗に糸車が配された背景には、輸入品を断ち国産の綿布に身を包む不買運動から、独立、そして明日への希望の象徴となったカディがあった。
マルタン・シン インタビュー映像「In Conversation with Martand Singh: Handmade in Rajasthan project for Rajasthan with Prasad Bidapa」より
マルタン・シン(Martand Singh、1947-2017)は、インド・テキスタイルなどの幅広い文化復興活動で知られている。シンは、インドの独立、雇用、死生、創造という観点からカディを「自由の布」と呼び、この綿布で仕立てられる衣服、カディ・クルタ(Kurta)を日常着として纏っていた。クルタは今日でも、セレモニーの正装として、ある時は寝間着として、多岐にわたる場面で着られている。
シンの活動を通じて、インド・テキスタイルは世界に伝播した。イッセイ ミヤケでは、1980年代から彼とのコラボレーションを通じて、インド文化との対話ともいえる衣服づくりを行ってきた。その対話は、テキスタイルから発想するブランドHaaTの中で、今日も継続している。
本展では、つくり手そのままの表情を見せるカディとその思想を、マルタン・シンの活動の根幹を担ってきた人々を現地で取材した映像とともに紹介する。

この世には無限の数の白が存在する
ジャスミンの花の白
海泡の白
8月の月の白
ホラ貝の白
雨上がりの雲の白
−マルタン・シン

「Khadi インドの明日をつむぐ - Homage to Martand Singh -」展会場風景 (Photo: Masaya Yoshimura)
「Khadi インドの明日をつむぐ - Homage to Martand Singh -」展会場風景 (Photo: Masaya Yoshimura)
「Khadi インドの明日をつむぐ - Homage to Martand Singh -」展会場風景 (Photo: Masaya Yoshimura)
「Khadi インドの明日をつむぐ - Homage to Martand Singh -」展会場風景 (Photo: Masaya Yoshimura)

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