JESSE(RIZE/The BONEZ)

JESSE(RIZE/The BONEZ)

ライヴ活動を行なうアーティストの拠点となるライヴハウス。思い入れ深く、メンタル的にもつながる場所だけに、当時の想いや今だからこそ話せるエピソードなどを語ってもらった。もしかしたら、ここで初めて出る話もあるかも!?

JESSE(RIZE/The BONEZ)プロフィール

ジェシー:ロックバンドRIZE、The BONEZのヴォーカリスト。1997年、金子ノブアキとともににRIZEを結成。00年、シングル「カミナリ」でメジャーデビュー。12年にはPay money To my PainのT$UYO$HI、ZAX、NAKA(ex-RIZE)とともにThe BONEZを始動。RIZE結成20周年イヤーに突入する16年、メジャーデビューレーベルであるEPICレコードジャパンに復帰、18年3月にベストミックスアルバム『ALL TIME BEST mixed by MIGHTY CROWN』をリリース。The BONEZは18年5月9日に3rdアルバム『WOKE』をリリースする。

バンドマンを育てるのは
ライヴハウス以外どこにもない

RIZEを結成したばかりの時は、どのあたりのライヴハウスに出演していましたか?

最初は下北沢CLUB QueとCLUB251を基本にずっとやっていて。あとは、吉祥寺のPlanet Kですね。

その当時は“ライヴがストレス発散だった”って話をしていましたけど、どういったライヴをしていたのですか?

ファンなんかいないし、でもチケットのノルマはあって。やっぱり1stライヴはいっぱいお客さんが来てくれるんですよ。家族や友達がいっぱい。だから、そのノルマ25枚なんて余裕じゃん!と思ってたけど、2回目のライヴは4人で、そこで、“やべぇ!”みたいな(笑)。お客さんが10人になるまでがどんだけ大変か、すげぇ覚えてる。でも、10人を超えたとしても、“この隙間がいつになったら埋まるんだろう?”って考え始めるんだけど。その“いつになったら埋まるんだろう?”になるまではストレス発散だけで楽しかった。人がいようがいなかろうが。ステージではギターとオーバードライブ(エフェクター)だけしか持ってなかったんですよ。で、ジャズコ(Roland JC-120/ギターアンプ)を立てて縦にして。そしたら身長が高くなるじゃん(笑)。あと、聴こえやすいからジャズコが大好きだったし。その時、俺は一切MCやってなかったですね。あっくん(金子ノブアキ(Dr)の愛称)が全部やってて、俺は無口な不良だった(笑)。

そういう設定だったのですか?

いや、俺はどもり症で喋るのが苦手だったんですよ。どもりまくってたから、ラップをするようになったんだよね。なぜかラップを口ずさんでると、どもらなかったから。それでラップばっかりしてて、でも喋るとどもっちゃって…ひと言目が出なくなるんだよね。“なんで出ねぇんだろう?”みたいな。分かんないけど、お袋曰く、きっと英語と日本語が混じりすぎて喋るのが怖くなってたんじゃないかとか。だから、俺がただただメンチ切ってる中、MCはあっくんが全部してたんだけど。稲川淳二の怖い話とか…。

MCで怪談?

そう(笑)。俺のスタジオをリニューアルした時にRIZEの1996~97年のVHSテープがいっぱい出てきて。見直したらあっくんはすっごい早口だし、おちゃらけてるし。で、俺は超メンチ切ってるし、こんなガキふたりの横には謎にTOKIE(Ba)さんがいて(笑)。

当時のJESSEさんは16歳くらいですか?

俺が16歳、あっくんが15歳。本当によくトッキー(TOKIE(Ba)の愛称)は付いてきてくれたな(笑)。で、目黒のACE STUDIOっていう超汚ねぇスタジオの中に自販機があるんだけど、選択肢がビールしかないの(笑)。ギターとかも家に持って帰るの嫌だから、そのスタジオの自販機の上にギター置いてましたからね。原チャで行って、リハすんのがめっちゃ楽しかった。当時の渋谷は本当に治安が悪かったから、学校が終わって渋谷にいると何にもしてなくてもアメスク(アメリカンスクール)ってだけで警察に呼ばれたりとか…そんな中で“今日はあっくんとリハだ! 渋谷にいなくていいんだ!”って。することなかったから、ただ渋谷にいたわけだし。でも、あっくんとスタジオの日はすっごい楽しかったし、ライヴだって人がいようがいなかろうが楽しかった。で、客もちょっとずつ増えて、ちょっとずつ本気になっていって…いつになったら溝が埋まるんだろう?って時にSONY MD『RED HOT』のCMが決まって。ジャミロクワイ、宇多田ヒカル、俺…って、“いいの!?”ってなったけど(笑)。

あのCMのインパクトはすごかったですよね。

でも、俺はあんまりテレビ観なかったんで、CMが流れるようになってもずっと外でスケボ-してた。ライヴの日に下北に着いて商店街を通ってCLUB251の前に行ったら、CLUB251の前に人がすっげぇ並んでて。“今日の対バン誰だっけな?”って思って、ギター背負ったまま“誰を観に来たんすか?”って訊いたら“RIZE”って言われて、“え!? 俺だけど?”みたいな(笑)。まぁ、俺は帽子被って、もろスケーターの格好してたし。CMだとちょっと大人びた格好させられてたからね。下に行って“あっくん、人が超並んでたよ。俺ら観に来たって言われたんだけど!”って言ったらあっくんが“俺も! 気付いてないぜあいつら!”とか言ってて(笑)。あの日は251がパンパンになって、本当に境目になった一日だったね。そこから人生が変わりました。それまでは人も全然入ってなかったし、吉祥寺Planet Kでライヴやってる時も司会が氣志團の翔やん(綾小路 翔)だったんだけど、まだメンバーが誰もいなくて、翔やんひとりで短ランにボンタン、リーゼントで応援団みたいにMCをつないでて。RIZEもまだやり始めて3年くらいかな。トリオだったんで、RAGE AGAINST THE MACHINEのカバーを3人でやってた。ラップありきのものをギターとトリオでやるっていうのがいなかったんだけど、恵比寿にMILKっていうライヴハウスが昔あって、一番光った時は“ミクスチャーのライヴハウス”って言われてたの。でも、一番最初に俺らがデモテープを持ってった時は、ミクスチャーはやんねぇからって断られたの。ムカついて“絶対ここではやんねぇ”って思いつつも、“絶対ここでやりたい”とも思ってた。昔のライヴハウスってそう簡単に出られなかったんだよね。そこの小屋のオーナーが気に食わないと、どんだけ客持ってても出してくれなかった。そこがカッコ良かったんだけどね。今は客さえ持ってれば誰でも出られるじゃん。当時は新宿LOFTで演れるバンドとかもひと握りだったし。その中でPlanet Kで演ってた時に、俺の同級生のワンモアマイルってバンドが“今日ソニーが観に来る”って言うから“まじで!?”って、ムカつくと思いつつ、いいなぁとも思ってて。ちょうどその時くらいにはやってみたいことが生まれて、もうちょっと本気で音楽をやりたい、売れたいって気持ちがあったんだよね。そしたらワンモアマイルのベースのペグが1個壊れて、吉祥寺のKEY楽器に行くから出順変わってくんない?って言われて、俺らがワンモアマイルの出番に出たの。そしたらソニーは俺らをワンモアマイルだと思って観てて…でも、俺らがワンモアマイルじゃないって分かっても、サインしたいって言ってくれたのがその日だったの。

なるほど。偶然が重なった部分もあるのですね。

みんな俺らがCharやジョニー吉長の息子だって知らなくて、ただその日にたまたま観ちゃっただけだから。でも、その来てた人がソニーにその話を持って行ったら、“RIZEはもう出来レースだから、レーベルも全部決まってる”って。何も決まってないのにそういう噂が勝手にどんどん広まってて…“いや、そんなことないし、やるとしたら俺ら全員高校卒業してからサインしたい”って言って、結局1年半とか待っててくれたんですよね。それで、あっくんが高校を卒業した日に、制服着たままサインしに行ったの。契約書にサインして、シングル「カミナリ」を出して、まぁそれはあんまり変わらず売れずで…。2枚目のシングル「Why I'm Me」では、もうガラッと変わったんですよ。渋谷のムラサキスポーツに行くのにセンター街の交差点を並んでて、スケボー降ろしてガーッて行ったら、向こうから女子高生がバーッて来て、“うわぁ、CMの人だ!”って“プリクラ撮ろうよ!”とか言ってゲーセンに入れられて、プリクラ撮って…もうよく分かんなくて(笑)。怖くて外に出て、ふと見たら、スクランブル交差点のでっかい幕に俺のどアップの顔がバーンってあって、“ウォオオ!”ってなった(笑)。人生変わっちゃった!! みたいな。ああいうのって徐々にじゃなくて本当に瞬間、1日なんだよね。

そういった人生が変わったエピソードもありつつ、ライヴハウスで得たことはどういったことでしたか?

初めてのファンかな。ナカ(中尾宣弘の愛称/現:The BONEZ)っていう前任のギターに、u:zoっていう2代目のベースと、今のメンバーのKenKen。あと、関取っていうすっげぇでっかいやつ。その4人しかファンがいなくて。でも、そのうち3人はのちにメンバーになるんだけど。その関取っていうやつが最初のRIZER(ファンの愛称)で。“RIZER”ってワードもない時代ね。彼は欠かさず毎回来てくれてて、この間の武道館でも2列目にいたんですよ。その彼…ファンと出会うっていうのはそこが初めてですね。それまでは俺らだけのためにやってたけど、“あいつを喜ばせたい”とか、“あいつが毎回来てくれてるから違う曲をやりたい”とか。そういう考えにさせてくれるのってファンなんだなって知った。ライヴハウスでやってなかったら、出会ってなかったもんね。まぁ、当たり前のことだけど。今となってはアーティストがいてファンがいるっていうのは当たり前ですけど、ひとり目が付くまで長い間があったから。ひとり付いたらそれがふたりになって3人になっていくけど。関取は俺たちにとって大事なファン。武道館で幕が降りて、最初の「サンダーボルト」を歌って紗幕が降りた時に、“(関取が)いる!!”ってなったし(笑)。俺らがでかくなってからもちょいちょいいたけど、あんまり見えないところにいたから。あいつ、頑張って武道館で前に来てくれたんだよね…それで感動しちゃって。ずっと観ててくれたんだって。あとは、搬入とかね。機材を運ぶ、機材をしまう、弦を張る、弦が切れたらサブギターがないと中止になるからサブギターが必要だとか、ライヴハウスの対バンでいいバンドがライヴやってると自分らもいいライヴができるとか。自分らの前にしょぼいバンドがやってると、逆に自分らに余裕ができたり、火が点かなくてあんまりいいライヴができないとか。余裕じゃん!って思ってる時こそ、しくっちゃうんだよね。ライヴハウスは客がすぐそこにいるから、それが何よりものアドレナリン。武道館ではライヴハウスのルールが全然使えなかったから、それでもやれないといけねぇんだって思ったけど、ライヴハウスにはライヴハウスの良さがあるんだよ。だから、ライヴハウスバンドっていうのは誇りですね。この間GUのネットCMに出たんですけど、そこにクレジットで“ミュージシャン”って書いてあったから、“バンドマン”に変えてくださいって言ったの。そのバンドマンになれたのは、ライヴハウスがあったからこそなのかもしれない。バンドマンを育てるのがライヴハウスなんじゃないですかね? ミュージシャンを育てるのはもうちょっと違うことなのかもしれない…けど、バンドマンを育てるのはライヴハウス以外どこにもないと思う。

日本武道館でライヴをする時でも、当時と変わらない想いはありました?

ありましたね。今まではでかいとこでやりたいと思わなかったんですよ。その理由が、遠くのほうで寝てるか起きてるかも分からない奴がいる中でライヴできるかな?って。やっぱライヴハウスだと小っちゃいからこそ全員見えるわけじゃないですか。1秒、長くて2~3秒、全員が同じ気持ちになる瞬間があるんですよ。フロントマンが唯一それを可能にできるチャンスを持っていて、俺はライヴハウスで全員を同じ気持ちにさせられることを知っちゃってるけど、でかいホールとかスタジアムでは不可能だと思ってた。けど、ONE OK ROCKのライヴにThe BONEZが1年半前に出た時に、さすがだなって思ったのが、6,000~7,000人いた中、MC中も誰もションベンにも立たず、みんな聴いてたの。“あ、この人数でも気持ちを同じにさせることって可能なんだ”って後輩に思わされちゃったのね。今までの俺だったら、武道館に挑む時に“どうせ聴いてねぇやつもいるんだろ”って捻くれちゃってたかもしれないけど、それがあったからライヴハウスと同様にできたところはあるかな。あの日は3時間くらいやったわけだから。RIZE史上初めて。3時間のRIZEは病気になるんですよ。怪我だったりとか(笑)。その3時間の中で数秒でも全員を同じ気持ちにさせられた…それはライヴハウスと同じようなことができた気がしてる。

OKMusic編集部

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