【ONE OK ROCK インタビュー】
観る者の魂を根こそぎ奪い去る
圧巻のアリーナ公演!
8thアルバム『Ambitions』に伴うキャリア史上最大規模で臨んだツアーの最終日、さいたまスーパーアリーナ公演2日目の模様を収めたライヴDVD&Blu-ray『ONE OK ROCK 2017"Ambitions"JAPAN TOUR』がついにリリース。あの興奮が蘇るライヴ映像は必見!
そして、17年1月には8thアルバム『Ambitions』を全世界でリリースする形態をとり、作品自体も英語詞の割合をぐっと高め、世界を視野に入れた方向性へと舵を切ったのだが、言語うんぬんを飛び越えてTaka(Vo)の圧倒的な歌唱力とメロディーセンス、楽曲自体のポテンシャルでリスナーをねじ伏せるクオリティーを提示していた。
その最新作に伴うキャリア最大となる32公演30万人を動員したツアーの集大成、さいたまスーパーアリーナ公演2日目(2017年3月26日)の模様を収めたライヴDVD&Blu-ray『ONE OK ROCK 2017"Ambitions"JAPAN TOUR』は2枚組仕様で、DISC1にはライヴ本編、DISC2には各地でゲストアクトを招いたドキュメンタリー映像が収録されている。注目はやはりライヴ本編だろう。
パフォーマンス、ライティングや巨大スクリーンを活用したステージセットといい、片時も目が離せない汗臭い熱気と崇高なムードが画面から匂い立っている。この日はアメリカの人気バンドFALL OUT BOYをゲストに迎え、彼らの演奏が終わるとONE OK ROCKの出番前から凄まじい歓声が飛び交う。それから暗転するや否や青いライトが会場を妖しく照り付け、左右の幕がゆっくり開き始まると、Taka、Toru(Gu)、Ryota(Ba)、Tomoya(Dr)のメンバー4人の背後から後光が差すように白いライトが鮮明さを増していく。なんて神秘的な幕開けなのだろう。「Ambitions-Introduction-」を経て、1曲目「Bombs away」に雪崩れ込むオープニングから観客のボルテージは最高潮に到達し、観ているだけでも体中が粟立つ興奮がここにはある。
序盤の「Taking Off」でもTakaは観客を積極的に煽りまくり、躍動感漲るパフォーマンスとともにさいたまスーパーアリーナ全体を揺さ振る自信とオーラを放ち続けている。また、中盤には4thアルバム『Nicheシンドローム』(2010年6月発表)に収録され、2016年にNTTドコモのCM“家族編”に起用されたパワーバラード「Wherever you are」をアコースティックバージョンで披露。ステージから伸びた花道の先でTomoyaは静謐なピアノを弾き、その上で時に語りかけ、時に囁くように歌い上げるTakaの情感豊かなヴォーカルは筆舌に尽くせぬ素晴らしさ。以前と比べても、格段に表現力がブラッシュアップ、あるいはスケールアップしていると言っていいだろう。聴いているこちらの魂を根こそぎ奪い去る、エモーショナル極まりない絶唱ぶりだ。アグレッシブに焚き付けるロックチューンも最高だが、琴線を刺激して止まない木綿のごとき柔らかな歌心にもONE OK ROCKの真骨頂が刻まれている。後半に向けて「Take what you want」での観客を特大の大合唱でひとつに束ねる場面も感動的であり、観どころ盛りだくさんの映像作品になっている。
今年は3月〜4月にかけて4大ドームツアーを開催中の彼ら。ONE OK ROCKの進化は止まることを知らない。
文:荒金良介