アンソニー・ルッソ監督

アンソニー・ルッソ監督

【インタビュー】『アベンジャーズ
インフィニティ・ウォー』アンソニー
・ルッソ監督「今まで見たことがない
アイアンマンやソーを楽しんでもらえ
ると思います」

 『アベンジャー』シリーズの最新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が、いよいよ4月27日から公開される。今回は無限大の力を得ることができるインフィニティ・ストーンを狙う“最強の敵”ラスボス・サノスを倒すため、アベンジャーズが集結。人類の命運を懸けた壮絶なバトルが幕を開けるというもの。公開を前に来日したアンソニー・ルッソ監督に話を聞いた。
-前作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)でのアイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)とキャプテン・アメリカ(クリス・エバンス)の対立はショッキングでした。弟のジョー監督は「あれは『クレイマー、クレイマー』(79)が描いた複雑な離婚のようなもの」とコメントしていますが、今回は2人の関係についての変化や修復は見られるのでしょうか。
 まさに、前作の2人の関係はある種の泥沼離婚といいますか…(笑)。アベンジャーズ自体がばらばらになってしまうということで、とてもビターな家族の物語のようだと感じました。ところが、そのようにアベンジャーズが身も心もばらばらになって弱体化している時に、よりによって最強の敵サノスがやって来る。そうしたお膳立てがあることが、今回のストーリーを描くに当たって最もエキサイティングな部分でした。彼らの関係がどうなっていくのかは、ストーリーの肝になる部分なので、ここではあまりお話できないのですが…(笑)。それは見てのお楽しみということで。
-フッテージ映像を見る限り、“最大の敵”であるサノスを目の前にしながら、トニー・スターク(ダウニーJr.)とドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)、あるいはガーディアンズとソー(クリス・ヘムズワース)が絡むコミカルなやり取りが印象的でした。シリアスな部分とコミカルな部分のバランスについてお話しください。
 私自身も、笑って泣けて、ちょっとドキドキして、怖くもあるけど、ちょっとくすっとさせるところもあるというような、バランスのいい映画が好きなので、今回もそうなるように心掛けました。幸いこれだけたくさんの個性的なキャストが出ているので、キャラクター同士の意外な組み合わせを使って、緊張感のある中に、ちょっと笑えるシーンをはさんでいきました。例えばガーディアンズはおばかな集団で、ソーも『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17)ではちょっと間抜けな感じに描かれていたので、そうしたところから笑いを引き出すようにしました。
 それと、今回はアベンジャーズの面々が、サノスという共通の敵に立ち向かうわけですが、それぞれのキャラクターによって対処の仕方や考え方が違います。ちょっと距離を置いてクールに見ている者もいれば、真っ向から戦いを挑む者もいます。そうしたところから各キャラクターの描き方が決まっていきました。
-オールスター・キャラクターを描く楽しさを教えてください。
 とにかく、人数が多いというだけではなくて、これだけ才能豊かな俳優が一堂に会するということはなかなかありません。特に、私も弟も常に俳優と一緒にいて、演出したりするのが大好きな、“俳優寄りの監督”なので、自分たちにとっては、本当に楽しくて、わくわくしっ放しでした。目の前で彼らの素晴らしい演技を見られただけではなく、一人一人が持ち味や個性を生かしながら、新たな相手と絡むことで、思わぬケミストリーが生まれる瞬間も見ることができました。とても楽しい時間でした。
-では、特に苦労することもなかった?
 みんな、仲が良過ぎて和気あいあいで、雑談がやまないのでなかなかカメラが回せない(笑)。みんなが静まるのを待つのが大変でした。
-マーベルシリーズは、それぞれの監督による、キャラクターに対する解釈の違いが逆に面白いと思いますが。
 私たち兄弟にとっても、そこが、この映画を作るに当たっての難点でした。それで、ファン目線に立ち返って、今までのシリーズを全て見直してみました。その中で、ライアン・クーグラー監督が捉えた『ブラックパンサー』のキャラクターや、タイカ・ワイティティ監督が『~バトルロイヤル』で描いたソーのキャラクターと、私たち兄弟が考えるキャラクターの解釈が違うことに改めて気付きました。
 でも、原作のコミックにしても、例えば『キャプテン・アメリカ』はもう何十年も続いているので、たくさんの異なるバージョンがあります。作画やストーリーを担当する人によって、どんどん変化しています。つまり、それぞれの人の考え方や解釈が織り込まれていくわけです。そこがまた面白い。そう考えると、この映画は、ファンや観客にとっても、今まで見たことがないアイアンマンやソーを楽しんでもらえのではないかと思っています。
(取材・文/田中雄二)

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