【月刊ミュージック☆スター】唯野奈
津実のカラオケ大会☆スターへの道
Vol.14

カラオケ評論家の唯野奈津実が、毎回さまざまなカラオケ大会をレポートするこのコーナー。今月は、高校生以下を対象としたジュニアカラオケの全国大会をピックアップ！ 審査員の耳と機械でチェックされ、しのぎを削る大会で展開する、まさに「後生畏るべし」な子どもたちの歌声バトルに、唯野は何を見たのか――!?

全国から選ばれた20名の歌うまキッズが挑む機械採点+審査員採点の複合大会

ミュージック☆スターをご愛読の皆様、こんにちは。日本で唯一のカラオケ評論家の唯野奈津実です。2018年も引き続き、本連載「カラ道」をよろしくお願いします。そろそろお正月気分も抜けてきた頃かと思いますが、1年の歌い初めは済まされたでしょうか。今年も読者の皆様にとって実り多い1年となることをお祈りいたします。

さて今回は、昨年12月2日に渋谷で開催された「シダックスジュニアカラオケ王コンテスト」の全国決勝大会の模様を紹介します。こちらは大手カラオケチェーン、シダックスによる高校生以下を対象としたカラオケ大会で、昨年8月に全国のシダックス176店舗で予選会が開催されました。

会場は渋谷駅から徒歩10分弱のシダックスカルチャーホール。全国の予選会を勝ち抜いてきた精鋭による熱戦が繰り広げられました

その中でとくに好成績を残した20名が、全国決勝大会へと駒を進めたわけです。「お子様のカラオケ大会」と聞いて、かわいらしい子どもが一生懸命がんばって歌う微笑ましい大会をイメージされる方もいるかもしれません。しかしながら、そこは日本全国から選ばれた精鋭たち。大会出場やテレビ出演などステージ経験豊富なキッズばかりです。文字通り、大人顔負けの堂々たる真剣勝負が繰り広げられました。

ジュニア向けカラオケ大会とはいえ、照明やプロジェクターなどの設備もバッチリ。きっと出場者は思い出に残る１日となったことでしょう

大会は2部構成で、第1部はカラオケ機械による採点、第2部は音楽関係者の審査による採点となっており、それぞれの合計点で評価が決まります。　　

機械採点も審査員採点も両方高得点を獲得する必要があるぶん、オールマイティな歌唱力を求められます。もっとも、第1部の機械採点では大半の方が97点以上の高得点を獲得するなど評価が拮抗していたため、そのぶん、第2部の審査員採点が勝負の分かれ目になるのではと感じました。

ジュニア大会ということもあり、客席には出場者のご家族の姿が多く見られました。親御さんたちはお子様の晴れ舞台をどのような気持ちで見守っていたのでしょう

第1部・第2部それぞれの歌唱を終えた結果、初代のシダックスジュニアカラオケ王に輝いたのは、石川県から出場の高校1年生、中村美国さん。とくに第2部の歌唱曲である鬼束ちひろさんの「月光」は圧巻で、楽曲の場面に沿った表情と仕草で凛々しく歌い上げるステージからは、ひとつの物語を演じているかのような迫力を感じました。

歌唱力とは歌声だけで表現するものではなく、体全体を使って世界観を伝えていくものだという、ステージングのお手本のような見事な歌唱でした。中村さんはまだ高校1年生、今後ますますの活躍が期待されます。

「唯野奈津実のカラオケ大会☆スターへの道 Vol.14」の続きは「月刊ミュージック☆スター」本誌にてお楽しみ下さい！

日本で唯一のカラオケ評論家（商標登録済み）。カラオケ業界のスポークスマンとして TBS「マツコの知らない世界」などテレビ出演多数。過去に 100 大会以上のカラオケ大会に出場し、優勝・入賞多数。近年は審査員として「東日本カラオケバトル」など多くのカラオケ大会を担当。プロデューサーとしても「東京カラオケグランプリ」など数々のカラオケ大会を企画・運営。出場者・審査員・運営者それぞれの目線から大会を語ることのできる、カラオケ大会の第一人者。得意曲は吉幾三の「と・も・子…」。

[月刊]ミュージック☆スター
毎月21日発売

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