「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット」
ダンスの位置づけを向上させた
EXILEのヒットを探る

CD、音楽配信、カラオケの3部門からヒットを読み解く『臼井孝のヒット曲探検隊』。この連載の概要については、第1回目の冒頭部分をご参照いただきたい。ただし、第5回の安室奈美恵からは2017年末までのデータを反映している。

ファッションなどカルチャー全般にも
大きな影響を与えたEXILE

19人組ダンス&ボーカル・グループのEXILE (より正確には、現役のパフォーマーが15人で、HIRO、松本利夫、USA、MAKIDAIの元パフォーマー4人を含めた人数が19人となる)。音楽アーティストにおけるダンスの位置づけを飛躍的に向上させただけではなく、ファッションなどカルチャー全般にも大きな影響を与えた。実際、地方都市に行くと、EXILE風に(もしくは、三代目J Soul BrothersやGENERATIONSなど彼らの後輩分となるEXILE TRIBE風に)、男子中高生が集団で行動しているのをよく見かける。

そんな彼らがデビューしたのは2001年。それまで、J Soul Brothersとして既にダンス&ボーカルというスタイルを確立しつつも、さほど注目されない状況だったが、SHUN(後に清木場俊介としてソロデビュー)とATSUSHIの2人を新ボーカルに迎え、EXILEとして「Your eyes only ~曖昧なぼくの輪郭~」でデビューを果たし、フジテレビ月9ドラマの挿入歌だったこともあり、いきなりオリコン最高4位、累計25万枚以上のヒットに。

余談だが、90年代から00年代前半のエイベックスは、このEXILEの他にも、浜崎あゆみ、hitomi、Every Little Thingなど、アーティストの再生が本当に上手い。00年代後半以降は、GIRL NEXT DOOR、高杉さと美、ICONIQと、やや力技が過ぎたが、それでもダンス&ボーカルの人気アーティストは現在でもその多くがエイベックス所属で、その先見の明に驚かされる。EXILEのデビューも、その先駆けだろう。

話をEXILEに戻すと、EXILEの次の転機は03年末にリリースした「Choo Choo TRAIN」だろう。リーダーのHIROが所属したZOOのミリオンヒットのカバーで、この年は4曲大型タイアップのシングル「Breezin' ~Together~」を含め、7枚のシングルを発売し、同年末の3rdアルバム『EXILE ENTERTAINMENT』は、110万枚を超える大ヒットとなった。

メンバーの脱退や加入を繰り返す中で
EXILからEXILE TRIBEへ

以降、CDや着うたのヒット常連となるも06年3月29日、4thアルバム『ASIA』の発売日にボーカルのSHUNが脱退(しかし、その3週間後に『ミュージックステーション』にてSHUNに歌唱させるとは、SHUNに仁義を切らせるためだったのか、それともアルバムの宣伝用に脱退日を早めたのか…)。ここまでがEXILEの“第一章”となる。

その後、新たにボーカルTAKAHIROとパフォーマーのAKIRAが加入し06年末に再始動、特にTAKAHIROの弟的キャラや坊主頭の優男というATSUSHIとの好対照が見た目にも歌唱面にも表れたためか、ヒットを連発。08年には3枚のベスト盤を発売し、合計400万セット近い売り上げとなり、とどめに日本レコード大賞を受賞した(この辺りまでが“第二章”)。

さらに、2009年3月からは前年に二代目J Soul Brothersとして再始動させた7人をまるごとEXILEに組み入れて14人組という大所帯に。この頃から自身の冠番組や、個々のメンバーの俳優業・司会業といったタレント化を展開し、エンターテインメント界全体に進出、そうした状況を見届けるかのように、13年末にHIROがパフォーマーを“勇退”(ここまでが“第三章”)。

2014年には、さらに5人のメンバーが加入。うち、1人が三代目J Soul Brothersから、うち2人がGENERATIONSからの加入で、元いたグループとの兼任。ちなみに、2009年に二代目J Soul BrothersからEXILEに加入したパフォーマーのNAOTOとNAOKIも翌年にEXILEを兼任しながら三代目J Soul Brothersを結成。多分、この辺のややこしさが、年輩の方にとってEXILE以外の派生グループが高セールスの割に認知度はイマイチ高くない理由かもしれない。

2018年にATSUSHIが帰国し
EXILEの活動が活発に!

また、同じ頃、ATSUSHIやTAKAHIROなど各メンバーのソロ活動も活発化する中で全員が勢ぞろいすることが難しかった事もあり、EXILE本体の音楽活動も以前ほど活発ではなくなってしまう。その間に、よりコンパクトで年齢の近い7人がまとまった三代目J Soul Brothersがこの間に2014年、2015年と高セールスを連発したことも、EXILE本体が地味に見えた理由かもしれない。そして、2015年に初期メンバー3人がパフォーマーを引退し、2016年にはATSUSHIの海外留学に伴い、EXILEとしてのリリースはいっそう制限されることに。

しかし2018年、ATSUSHIが帰国し、活動を再開。同年2月に「PARTY ALL NIGHT~STAR OF WISH~」、3月に「Melody」、そして4月に「My Star」と6か月連続での配信シングルのリリースが決定し、既に発売されている3作はいずれも各配信チャートで週間TOP10入りを果たしており、今後の巻き返しが注目される。

特に2000年代後半以降、東日本大震災などのチャリティー関連や国際交流イベントには、欠かせない存在となったEXILE およびその全集団であるEXILE TRIBE(東京オリンピックでも更なる飛躍を狙っているのは確実だろう)。彼らが単なるお祭り集団ではなく、実際にヒット曲も連発してきたことをここであらためて振り返ってみたい。

OKMusic編集部

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