下野紘と浅沼晋太郎のインタビュー!
 「QUICK DRAW」4月20日上演

下野紘と浅沼晋太郎らが出演する、舞台「QUICK DRAW」。4月20日から上演されるが、2人の対談インタビューが到着したぞ。
2018年4月20日から日本青年館ホールにて上演される、bpm本公演『QUICK DRAW』から下野紘と脚演も務める浅沼晋太郎の対談インタビューが届いた。
本作の見どころから、役名解禁など盛りだくさんなインタビュー内容となっている。
共通の感性を持ったふたりが、
どんな舞台を作り上げるのか?
――今回、下野さんの舞台『QUICK DRAW』への出演が決まった経緯からお聞かせください。
浅沼:下野くん主催のイベント『ほぼはじめまして』がそもそものきっかけですね。
下野:あ、そこからか!
浅沼:演出家・浅沼晋太郎としてイベントに参加させていただいたんですよ。
下野:自分が主催する初のイベントってことで、何をやろうかなと思ったときに、芸人さんにも来ていただいて、浅沼さんとも一緒ということで、コントをやらせてもらったんです。しかもアドリブで。
浅沼:お題を会場のお客さんから募ってコントをやったんですよね。
下野:試験的にやってみたんですが、あれがきっかけか~。
浅沼:トークコーナーで「舞台ってどうですか?」って訊いたら、「舞台やってみたいんですよ」って言ったもんだから「言ったな~~~!? じゃあいつか誘うので、そのときはよろしくお願いしますね」と(笑)。下野くんて、常に新しいことをしていきたいと思ってる人間というか、驚かせたがり屋、サプライズ好きなんじゃないかなって。僕が勝手に思ってるだけかもしれませんけど(笑)。『AD-LIVE』という鈴村健一さんがプロデュースされているイベントで、2016年に下野くんと共演したんですけど、そのとき僕が驚くようなサプライズを用意していたんですよ。
下野:そうですね。それで一昨年か昨年ぐらいに、「下野くん、やっぱり舞台やろうよ」とお誘いをいただいて「おお!?」と思って。すぐにはスケジュールの関係でタイミングが合わなかったんですけど、今回やっとそれが実現しました。
浅沼:bpmで僕が作るもの、舞台やアニメで僕が演じるものって、どこかしらにサプライズがほしいと思っていて。下野くんにもそういう感性があるのかも、と『ほぼはじめまして』を通して感じて、『AD-LIVE』で確信しました。この人、絶対こっち側だ!って(笑)。
下野:そうなんだ(笑)。
浅沼:一緒にステージの上に立ってみると、マイク前で演技したりイベントでトークしたりするのとはまた違う、芝居としての歯車のいい噛み合わせを感じるんです。僕の脚本、僕の演出に、下野くんは絶対にハマるはずだ、って。
下野:なるほど~。以前から本当に舞台をやってみたいという気持ちがあったので、浅沼さんからお誘いをいただいたとき、すぐにやりたいと返事ができたんだと思います。
浅沼:下野くんのサプライズって、ただ人と違うことをやりたいというのではなくて、奇をてらうだけにならない、ちゃんと万人が楽しめるポップさがあるんですよ。僕がbpmの作品を作るときに心掛けているのがまさにそういうところ。舞台ってどうしても宣伝の部分で映画には敵わないし、チケット代も映画よりも高くなってしまうからおいそれと気軽に観に来られない。ちょっと高尚な趣味みたいに捉えられてしまうんですよね。
下野:敷居が高いイメージがありますよね。
浅沼:そう。だからこそ、難しいことは一切なしの、手放しで楽しめるような舞台を心がけているんです。別にテーマもメッセージもありませんから、気軽に観に来てくださいね、って。テーマパークのアトラクションみたいでありたいなと。テーマパークって、「テーマ」パークって言う割に、テーマなんてほぼないものばかり。「このジェットコースターは、こういうことを表現してるんだな?」ってないじゃないですか(笑)。だから、それらと同じように、ただただ「楽しかった!」「すごい!」「カッコいい!」でいいんじゃないかなって。そういった部分は今回の舞台でも出していきたいです。
――声優活動、そしてアーティスト活動を経てきたことによって、舞台に出るという決心がついたという部分もありますか?
下野:そうですね。もともといろんなことを器用にできるタイプではないですし、すごく不安だったり心配なことを抱えがちな人間なので。一つのことをクリアしてから次のステップはどうしましょう、という感じで、1段1段上るような成長をして来たと思うんですよ。そういう意味では、タイミングも良かったんだと思います。
浅沼:共演するアニメ作品がたくさんあったので、わりとコンスタントに、ラブコールというか、一緒に舞台やろうっていうのは言いい続けてきましたからね。
下野:いろんなことに挑戦していきたいという思いがある中で、アーティスト活動もさせてもらって、すごくスキルアップにつながったんです。舞台というものは、自分の中で絶対に経験しておかなきゃいけないものだと思っていました。そうやっていろいろと経験していくことで、今後の声優人生がより楽しくなっていくのではないかなと。あと、やってもいないのに「これはできないんで」って言うのがすごく悔しいという思いもあって、1回はチャレンジしときたいなって思いがあるんです。でも僕って、夏休みの宿題なんかも基本的に追い込まれないとやらないタイプですから(笑)。
浅沼:一緒!(笑)
下野:だから浅沼さんに「やろうよ、やろうよ」って何度も言ってもらって、「ああ、もう分かった! やるよ!」って(笑)。
浅沼:それ、嫌々みたいじゃない(笑)。
下野:違う違う! 「やるよ! …で、どうしたらいいの? どうしたらいいの?」って、嫌々に見せて実は楽しんでてやる気もあるっていうね。そういうのが自分には性に合ってるんですよ。浅沼さんにそこまで言われたら、そこで断るのは下野紘、駄目だろう!って。
浅沼:ありがたいなぁ。『AD-LIVE』では「まるで筋道があるかのように、台本があるかのようにアドリブで演じる」という、下野くんの新たな一面をファンの方たちは観たと思うので、今回の舞台では「台本があるのに、まるでその場で考えてアドリブで喋ってるかのようにセリフを言う」、それだってすごいんだっていうのを感じてもらいたいなと思ってます。以前『ネバーランド☆AGO! GO!』という舞台で、とっしー(豊永利行)に出演してもらって。そこで僕と2人で喋るシーンがあったんですけど、漫才のような掛け合いのシーンだったんですね。すごく必死に練習して、流れるような掛け合いをしたら、お客様の中にアドリブだと思っていた方が結構多くいたようで。実は一字一句、台本通りなんです。それだってすごいんだよ?っていうのを体感してもらいたいですね。
さまざまな才能が集まる
フェスのような舞台に注目!
――前回の『QUICK DRAW』の公演は観られましたか?
下野:実は観ていないんです! 資料映像を観ようかなと思ったんですが、やめました。僕の悪い癖で、これいいなって思うと、それをなぞりがちになってしまうので。バラエティー番組で面白かったものとか取り入れがちなんですよね。なるべくそれは避けたい。一時期、ラジオなんかでもそのときに好きだったラジオ番組のパーソナリティと同じような口調になってましたから。(笑)。映画なんかを観たあとは、その主人公になりきるみたいなところもあって。これはうちの父親もそうですから、完全に遺伝子に組み込まれてます。
浅沼:さらっとでも観ておく? 僕の芝居のテンポに慣れるのには分かりやすいよ。
下野:だったら違う作品の方がいいですね。
浅沼:じゃあ…『アヴェ・マリターレ!』が、テンポ的にいいかもしれない。僕の舞台ってかなりテンポが早くて、なかなかボリュームがあるんですよ。
下野:(演じる役のセリフのボリュームが)もうね……!
浅沼:(笑)。だって下野くんに出てもらうのに、セリフがちょこっとしかない端役とかありえないじゃん!
下野:いや、本当に大変だなって思いました!
――下野さんが演じる役について、ここで解禁ということで、下野さんから発表をお願いします!
下野:聖ナツオという天才漫画家の担当編集者・若村を演じさせていただきます! 聖先生が描く『風のマイラ』が好きで好きで、惚れこんで編集になった男。かなりやる気に満ちていて、それで空回りしている役どころなんですけど…僕の十八番だなって(笑)。
浅沼:まるで当て書きしたみたいでしょ?(笑)
下野:脚本を読んでいて、多分僕に合うなって(笑)。空回り具合とか僕っぽいですからね。
浅沼:この『QUICK DRAW』という舞台は、11年前にやった、bpmの旗揚げ公演の演目なんですけど、昨年bpmが10周年を迎えて、いろいろなイベントをいつもより多くやってみたり、初めてバスツアーをやったり、新しい試みをやってみたんです。今までbpmでは、作・演出は僕しかやってこなかったんですけど、昨年の夏の公演は3人の脚本家で、3人だけの舞台を、3本同時にやったんです。いやーしんどかった…(笑)。ちょっと頑張れば帰れる距離が帰れなくて、劇場の上のホテルに泊まりましたから。「駄目だ。明日のセリフ覚えなきゃ…」みたいな(笑)。リーダーのアコ(聖ナツオ役の猪狩敦子)なんて、初日が3連チャン続くんですよ?
下野:もう、すごすぎますよ!
浅沼:芝居バカなんですよあの人(笑)。僕なんか、あれ3本同時に自分が書いていたらどんなことになってたんだろうって思ったら、気持ちが悪くなっちゃって(笑)。そうやって新しいことをやりながら、10周年Yearを締めくくるのは『QUICK DRAW』しかないだろうと。舞台に出てくるセリフに「10数えろ」っていうのがあって、それが10
周年とかかっているのもいいじゃん、と。そんな舞台の主人公のひとり、若村という役は、もう下野くんしか考えられないって思っていたんです。2018年に、下野くんが若村を演じるというのが、最初から決められていたかのように感じますね。
下野:セリフ読んでて親近感しか覚えない(笑)。
浅沼:でもそれってつまらないとかない? どうせ演じるなら自分とは真逆の役をやりたい、みたいなのってあったりするじゃん?
下野:いやいや! つまらないとかないですよ。そもそも舞台で芝居をするのがほぼ初めてみたいな僕が、自分と真逆の性格のキャラクターを演じてみたいなんてないです! アニメならいろんなキャラクターに挑戦したいとか思えますけど、舞台の経験がなさすぎて…。やっぱりそこは自分の素に近いキャラクターのほうが絶対いいです!
浅沼:確かにそういう考え方もあるね。今回、下野くんと共演するメインキャストは、片や小劇場時代から、寝る1秒前まで芝居をしていたいっていう芝居バカ(猪狩敦子)と、元宝塚の娘役トップスター(女将役の風花舞)なんですよ。
下野:…。
浅沼:顔がどんどん曇ってきてるよ(笑)。
下野:もう意味わかんねぇ!
浅沼:安心できるメンバーでしょ?
下野:…これは考え方でね…。「お任せすればいいんだな、あとは自分が頑張れば…」と思うでしょ? 違いますよ! これ、「マジでやらねぇとやべぇぞ!」ってなってます(笑)。若村は本当にすごいセリフの量なんです。でも、やるからには本当にしっかりやりたいから、頑張ります! 前に経験した舞台は仲間内でわちゃわちゃする部分も含めて成立するみたいな感じが若干ありましたけど、今回はそういった作品ではないですし、とにかくしっかりとやりたいです!
浅沼:この舞台は現実と漫画の世界が分かれてるんですけど、漫画『風のマイラ』のほうは、いろんなキャラクターが出て、アクションなんかも大変なんです。ただ、現実世界は3人だけなので、その分重みがあると思います。
下野:風花さん、初めてお会いしたとき「私、本当は歌とか芝居じゃなくて、ダンスがやりたいの」とおっしゃってました。この舞台で風花さん、歌わないし踊らないのに(笑)。
浅沼:僕、以前も同じようなことを言われたことがあって。男5人だけの『忠臣蔵』の話を書いたときに、吉良上野介役で、岡幸二郎さんという、数々の大きなミュージカルに出演されている方に出ていただいたんです。そのカーテンコールのときに岡さんが「本当に楽しかった。ただ私を出しておいて、歌わせない、踊らせないというのは、すごい勇気だ」とおっしゃってましたね(笑)。でも、得意技を封じられたときの役者の力って、すごいんですよ。本来なら、声優である下野くんは漫画世界に出てもらうのが正しいと思うんですよ。
下野:本当はね。
浅沼:それはきっとすんなりできると思うんです。でもあえてそれはしない。それこそ風花さんだって、もしかしたらマイラのほうが楽に演じられるかもしれない。でもそれもしないのって、演じる方にもこの作品を新鮮な気持ちで楽しんでもらいたいからなんです。
下野:風花さん、台本の読み合わせのときからすごい演技で、本当に面白いんですよ!
浅沼:そうそう。今回の『QUICK DRAW』の見どころのひとつとして、声優、元宝塚トップスター、モデル、役者、アイドル、アスリートといった、いろんなジャンルの方たちが一同に集まってひとつの舞台を作り上げる、と言うところ。だから、お祭りやフェスみたいな雰囲気の舞台だと思っています。
――最後に、公演まであと少しですが意気込みをお願いします!
浅沼:舞台って情報も少ないですし、観に行くのに踏ん切りがつかない方って、結構いると思うんですね。ただ自信を持って言えるのは、この座組で作るこの物語に関しては、交通費分も満足していただくことができると自負しています。もしも迷われている方がいたら、ぜひ観に来ていただきたいです。下野くんもとにかく必死に演じてくれているので、物語の中の素晴らしい1ピースになってくれると、僕は信じています。よろしくお願いします。
下野:舞台はほぼ初めての経験になりますけど、自分で「やりたい」と言ったからには、腹をくくって、全力で楽しみたいと思います。いろんな方がいろんな形で、この舞台を作り上げていって、観客の皆さんを楽しませようと、全力で向かって行きますので、構えることなく観に来ていただいて、笑っていただけたら嬉しいです。
<公演概要>
bpm本公演「QUICK DRAW(クイックドロウ)」
日時:2018年4月20日(金)~4月22日(日)
劇場:日本青年館ホール
〒160-0013 東京都新宿区霞ヶ丘町4-1
チケット:前売 8,000円(税別) / 当日 8,500円(税別)
チケットお問い合わせ:きゃにめ
チケット:イープラスにて販売中
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0108P002017680P0050001P006001P0010165
主催:「月刊りっぷ」編集部
作・演出:浅沼晋太郎
企画・制作:bpm
出演:下野紘、風花舞、梨衣名、猪狩敦子、藤田富、宮崎理奈、
汐崎アイル、浅沼晋太郎、NAO-G、菊地創 ほか
公式サイト:http://bpm-show.com/

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