未来が透けて見える? アプリ「布袋
寅泰 新体感ライブ」が斬新な理由

布袋寅泰の「新体感ライブ」が熱い。「布袋寅泰 新体感ライブ」はApp Store/Google Playから入手できるスマホ用アプリで、布袋寅泰のライブやギターパフォーマンス・シーンを、マルチアングルやARといったさまざまな最新の映像視聴で楽しめる映像配信アプリだ。
NTTドコモ協賛の下、NTTぷららのデジタル技術と布袋寅泰のアーティスト性が融合するという高次元コラボによって実現したアプリであり、最新の映像技術が堪能できる先進性に興味が集まるところ…なのだけれど、何より注目すべきポイントは技術の高さではない。これらの取り組みが単なるプロモーションやファンサービスではなく、れっきとしたアーティスト商品であるという点だ。アーティストグッズの将来像を見据えた、その取り組みの先進性が“熱い”のだ。
「我々が描いていた未来が、本当に今目の前にある。時代は前に進んでいるんだなというのを感じますね」──布袋寅泰
アプリ「布袋寅泰 新体感ライブ」は3月12日に発売され、3月24日にはアプリ内でロンドン開催のスペシャルライブがリアルタイム配信された。5台のカメラを自由に切り替えて好きな映像を見ることができるマルチアングルで生配信され、その映像はアーカイブされ今でもアプリ内で自由に楽しむことができる。また、アプリ内から手続きをすると特製ピックが無料で郵送されてくるが、このピックがARマーカーになっており、カメラをかざすとピックの上に布袋寅泰が登場、「Battle Without Honor or Humanity」(映画『キル・ビル』テーマ曲)をプレイするという布袋寅泰の「バーチャル3Dフィギュア」が起動する。ピックを手のひらに置くと“手の平布袋”も楽しめるというわけだ。こちらもリアルな布袋寅泰のプレイシーンが堪能できるものだが、映像ではなく125台ものカメラ映像からレンダリングされた3Dモデリングで表現されている。
ライブでは続々と曲が飛び出し、幾何学模様でおなじみの布袋モデルをはじめ、ダコタレッドのストラトからゼマイティス、HAHN…とファン垂涎のギターを次々と持ち替えて極上ロックンロールを鳴らしてくれる。好きな角度で何度でも、布袋寅泰のプレイをリピートできるのは理屈抜きに楽しく、ギタリストにとっても見逃せないところだろう。
アプリの販売価格は2,000円(税込)だ。アプリとしては非常に高価だが、いくら高額でもファンであれば手にしたいと思う布袋寅泰の魅力がぎっしりと詰め込まれている。メイキング映像やスタジオでの収録現場の様子が映されているボーナス映像なども収録されており、Tシャツでもタオルでもガシャポンでもない、デジタルによるオフィシャルグッズの雛形がひとつ提示されたエポックなアイテムと言えそうだ。
惜しむらくは、これらのコンテンツが期間限定(2018年4月30日まで。ただし「バーチャル3Dフィギュア」はそれ以降も視聴可)であることだろう。この企画自体がチャレンジングであることはもちろん、著作権上の制約や契約/パテント上の問題など無期限公開が困難な状況なのかもしれないが、ひとつひとつがクリアされいつでもどこでも楽しむことができるようになれば、今までなかった斬新な表現ツールとして、様々なアーティストが驚きの作品を生み出す新たなプラットフォームになるのではないだろうか。
文:BARKS編集長 烏丸哲也

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