『ルドン ひらかれた夢 幻想の世紀末
から現代へ』展、ポーラ美術館で開催
 マンガ『寄生獣』『悪の華』や現代
アートへの影響も検証

オディロン・ルドンの展覧会『ルドン ひらかれた夢 幻想の世紀末から現代へ』が、2018年7月22日(日)~12月2日(日)まで、ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)で開催される。
19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスで活動した芸術家オディロン・ルドンは、印象派の画家たちとほぼ同じ世代に生まれながらも、世紀転換期にかけて不気味な怪物たちがうごめく光景や、神秘的なヴィジョンに満ちた幻想的な世界を絵画に残した。
《日本風の花瓶 》 1908年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵
本展覧会は、近年の研究をもとに、「夢の世界に生きた孤高の幻想画家」という芸術家神話を解体し、様々な価値観が交錯する時代のなかで探究を続けたルドンの姿を捉えなおす。過去の美術史上の傑作や同時代の美術作品をはじめ、雑誌に掲載された自然科学の挿図や戯画といった、彼を取り巻く大衆文化からも多大な影響を受けてきたことを、幅広い分野にわたる出品作品を通して明らかにする。
さらに幻想や神秘の世界を追い求める現代作家との比較によって、 彼の生み出した芸術の今日的な意義を検証する。
1.幻想の源泉を探り、謎に包まれたルドン像を明らかに
《ダンテとベアトリーチェ》1914年頃 油彩/カンヴァス 上原美術館蔵
本展では、ルドンの画業を横断しながら、「水」「翼」「花」などの主題ごとに、その源泉や制作のプロセスをひもとき、これまで閉ざされた精神のなかで培われたと考えられてきたルドンの幻想的なイメージがどのように生成されたのかを検証する。
2.初期から晩年まで国内の傑作101点が集結、技法材料の調査結果も発表
《神秘的な対話》1896年頃 油彩/カンヴァス 岐阜県美術館蔵
世界的なルドン・コレクションを誇る岐阜県美術館より借用した88点をはじめとする国内のルドン作品101点を展示。初期から晩年までを網羅する傑作が箱根に集結する。また、これらの作品を技法材料の視点から分析することで、ルドンが印象派と同様に科学的な色彩論を制作に取り入れていた可能性を調査する。
3.現代美術からマンガまで 現代に息づくルドン的な幻想世界を紹介
鴻池朋子「素焼粘土」2013年 素焼き粘土、 水彩 個人蔵 (c)Tomoko Konoike
本展では、柄澤齊(からさわひとし)、イケムラレイコ、鴻池朋子(こうのいけともこ)という、ルドンと通じ合う幻想的なテーマを追い求める現代の作家を紹介。また、水木しげるを経て、岩明均『寄生獣』や押見修造『悪の華』に至るまで、ルドンを連想させる「目玉」の表現によって展開するマンガ作品を比較することで、ルドン芸術の今日的な意義を検証する。

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