小島梨里杏、カラオケの『DAM CHANN
EL』15代目MCとしてはつらつと登場

カラオケファンなら、一度はカラオケルームで見たことがあるはずの『DAM CHANNEL』。カラオケDAMで、曲の合間にモニター画面で放映されているゲストを招いてのトークや様々なエンターテイメント情報を見ることができるスペシャルな音楽情報番組だ。毎回、豪華なゲストが登場していることで注目を集めており、カラオケルームに入ったものの、『DAM CHANNEL』に見入ってしまいしばらく歌うのを忘れていた、なんていうカラオケファンもいるくらいだ。
そんなDAM CHANNELでは、初代MCの菊川怜をはじめ、女性タレントやアーティストが歴代のMCを務めて時代を彩ってきたが、この春から15代目MCとしてドラマや映画、舞台を中心に活躍する若手人気女優、小島梨里杏が就任することとなった。
そこで今回は、記念すべき番組収録初日にスタジオにお邪魔して、収録の様子を密着レポート。さらにインタビューを行い、MCとしての抱負・意気込みから、想像以上の音楽マニアぶりまでを語ってもらった。
収録場所は赤坂のスタジオ。この日は、小島は朝9時からスタジオ入り。GARNiDELiA(ガルニデリア)、リーマンマイクという、まったく個性の異なる2組を相手にMCを務めるという、いきなりのハードルの高さだ。さらに、合間にはコメント撮影も行われ、息つく間もなさそうな忙しさ。そんな中でも、はつらつとした表情で「よろしくおねがいします!」とスタジオ入りする小島の明るさには、周囲のスタッフも元気をもらっている様子だ。
15:30過ぎ、次のゲストとなるビッケブランカを迎えてのトーク収録へ。まず、小島がスタジオ入り。スピーカーから流れる楽曲に体を揺らしてリズムを取っており、心から音楽好きな様子が伺える。大きな拍手に迎えられてビッケブランカがスタジオ入りすると、すぐに向かい合い着席して収録がスタートした。
「はじめまして、小島梨里杏です」

「はじめまして、ビッケブランカです」
と、なんとなくぎこちないような、初々しい感じのファーストコンタクトに、スタッフから笑い声が起こり、なごやかなムードで収録が進む。4月18日(水)に発売されるビッケブランカのメジャー1stシングル「ウララ」について、「どんな作品になってるのか?」を曲やアルバムタイトル名から、そしてツアーに対する思いを聴くなど、リスナー目線での質問を投げかけていく小島。開始してしばらくしてから、「このシングルには楽しみが詰まっていると感じがある」と感想を話す小島に、「どういうところが?」等、一つ一つ質問返しをするビッケ。たじろぎながらも、それに対して細かく説明していく小島。まさにこれは新MCとしての試練か!?しかしながら、それぞれの質問に対して丁寧に受け答えする堂々とした姿には、とても収録初日とは思えない貫禄さえ感じさせた。
トークではビッケのアーティストとしてのルーツについて掘り下げていき、音楽をやりだしたきっかけとして、マイケル・ジャクソンの「スリラー」のMVに衝撃を受けたから、とのエピソードも聴くことができた。そうした話の引き出し方はMCとして天性のものがあるのかも? そのMCについてのトークでは、「今回、新たにMCに就任したんですけど、アドバイスをいただけませんか?」と、ビッケに求める場面も。それに対してビッケは、自分がライヴMCの際に「母親に話してるように喋るようにしている」と秘伝のトーク技術を伝授。「それ、いただきました!」と乗っかる小島。きっと今後のトークは普段家で母親と話している小島の素の表情を見ることが出来るに違いない。ナイスアドバイス、ビッケ!
後半のトークでは、カラオケについても触れていく。ビッケがカラオケには年に3回くらい家族が集まったときにいくことを告白。よく歌うのはユーミンの曲とのことで、「卒業写真」を裏声で聴かせる貴重なシーンもあった。また、「ビッケブランカの曲をカラオケで上手く歌うコツ」や、「マイブームについて」等、質問を重ねていく。
そして、締めくくりには「ビッケブランカにとってのステージとは?」という小島の質問に、「瞬間の“瞬”です!置かれた場所がどこであってもその瞬間瞬間がステージになったらいいなという願いを込めての“瞬”です」と、ビッケが漢字一文字でその想いを表して、トークコーナーの収録は40分程で終了。収録初日ながら、見事なMCぶりに感心してしまった。トーク終了後は、各媒体用のスチール写真を撮影。様々なポーズ、表情で撮影に応えてビッケブランカを迎えてのトーク収録を終えた。
■カラオケにはおばあちゃんが先にハマっていたので二人で行くことが多い

■カラオケって聞くとイコールおばあちゃんっていうくらいなんです私の中で
――15代目MC就任おめでとうございます!
小島梨里杏(以下、小島):ありがとうございます!今日が初めての収録日なんですけど、楽しさと難しさが混在していました(笑)。
――小島さんは、Eテレ「天才てれびくんYOU」のMCを務めていますし、こういうお仕事は得意なのでは?
小島:「天才てれびくんYOU」はMCという立ち位置ではあるんですけど、あの番組はドラマ仕立てになっていて、「小島主任」っていう役なんです。なので、こういうインタビューで相手の方からお話を引き出すお仕事をあまりしたことがなくて。ちゃんとMCでゲストをお迎えしてインタビューするのは初めてなんです。
――「DAM CHANNEL」の新MCに選ばれたときのお気持ちを教えてください。
小島:まず「えっ!?私!?」っていう驚きが一番にきました。今までそういうお仕事をしてこなくて、お芝居が多かったので、「まさか、そんな私がここに!?」っていう感じで(笑)。でも、音楽が幅広く好きでカラオケにもよく行っていてDAM CHANNELも家族や友だちとカラオケに行って見ていたものなので、その中に自分がいるっていう感覚がいまだに不思議です。
――今日始まったばかりですものね(笑)。今までずっと見てきたものにご自分が出るっていう特別感がありますか。
小島:特別感はありますね。まず私のおばあちゃんがすごくカラオケが好きなんですよ。私を誘って二人で行ったり、私もおばあちゃんを誘ってカラオケに行くぐらい、もともとカラオケ好きということもあって。だから、おばあちゃんに報告できるのも嬉しくて。すごく喜んでくれました。
――MCとしてトライしてみたいことはありますか?
小島:そうですね、例えば私が好きなアーティストさんとか、今まで共演した声優さんとか、知り合いの方を招いたりすると、より盛り上げられるのかなって思います。それはちょっと挑戦してみたいですね。それと、もともと大人数で話すよりも1対1で人とお話することがすごく好きなんです。「DAM CHANNEL」はそういう形態に近い番組ですし、音楽も好きですし、お話を聞くという意味では好きなものが重なったお仕事ですごく嬉しいです。好きなものだからこそ、もっと上手く引き出せたらなって思っています。今日やってみて、だんだん「こういうことなんだ」ってちょっとわかってきた感じです。
――もともと女優さんですし、そのあたりの感覚は鋭いんじゃないですか?
小島:あはははは。そうだといいですけど(笑)。
――プロフィールの趣味の覧に「人間観察」と書いてますし、そういうところはトークに役立てられそうですね。
小島:そうですね、先ほどもリーマンマイクさんをお迎えしてトークしたんですけど、それぞれのキャラクターが分かれていたりとか、GARNiDELiA(ガルニデリア)さんとかも、アー写とのイメージとはちょっと違っていて。tokuさんはアー写だとクールで喋らないイメージを勝手に持っていたんですけど、実際お会いしてみたらとても柔らかくてふわっとした感じの方で。最後にサインをいただいたんですけど、顔文字みたいなマークを描いてもらって、それがもうtokuさんにしか見えなくて。そういうギャップを見つけるのも面白いなって思いました。
――今後は「DAM CHANNEL」をどんな番組に創り上げていきたいですか?
小島:カラオケって幅が広くて、私より下の年代の人もいれば、私の祖母がカラオケに行っているように、年配の方もカラオケにいらっしゃると思うので、色んな人を迎えての「DAM CHANNEL」ということになると思うので、自分も今まで挑戦したことがないような音楽を聴いたりする楽しみも増えてきていて。演歌とかもおばあちゃんから聴くことが多いので、一緒にカラオケに行って勉強したいなと思ったりとか。最近は自分が好きな音楽だけじゃなくて、知らないことをどんどん覚えたいと思っています。もとから好奇心が旺盛な方で、「なんだろう、なんだろう?」って、自分で探すのが好きなので。
――これから音楽知識が広がりそうで楽しみですね。小島さんにとってカラオケってどんな存在ですか?
小島:発散する場所というイメージはありますし、自分を表現する場所でもあると思います。私は自分が歌っていて気持ち良いっていうのもありますけど、家族とかで行くと「みんなが楽しんでるかな?」っていう部分を気にしちゃうんです。突然、おばあちゃんが絶対聴かないような、水曜日のカンパネラを歌ったりして。おばあちゃんも結構好奇心があるので、「なにこの歌!?」とか興味を持ってくれるんです(笑)。私は結構踊ったりもするし、それともともとお芝居をしているせいなのか、歌詞に沿って感情移入してすごく真剣に歌うことも好きですし、状況を見て「ちょっと盛り上げた方がいいのかな?」っていうときは、楽し気な曲を入れたりします。
――サービス精神旺盛ですね。
小島:人が笑ってくれるのがすごく嬉しいんですよ。まさか私がそんなことはしないと思われているみたいなんですけど、この前も友だちとカラオケに行ったときに、私がトイレか戻ってきたら、荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」を友だちが歌っていて。部屋に入ったら「梨里杏、はい」ってマイクを渡されたので、すぐに「今夜だけでも シンデレラボーイ♪」って歌い上げて(笑)。そしたらみんなが唖然として「えっ梨里杏ってそんなことするの!?」って思われたんですけど。合いの手を入れたり、ふざけるのが好きなんですよ。
―― 思い出に残っている曲ってありますか?
小島:YUIさんの「Good Bye Days」は、私が中学生くらいのときに、『タイヨウのうた』っていう映画があって、自分の意思を持って映画館に行って映画を観たのが初めてだったんです。そのときにYUIさんが「Good Bye Days」を歌っていて、そこからハマって行ったんですけど、いまだに「Good Bye Days」を歌うと泣きそうになっちゃいます。一人で歌ってたら泣いちゃうかもしれないです(笑)。
――それぐらい感情を込めて歌いたいときは、一人でカラオケに行くんですね。
小島:はい、そうなんです。
――何歳くらいからカラオケに行き出したか覚えてます?
小島:ちゃんと行き出したのって高校生くらいですね。家族でカラオケに行くのが好きと言っても、家族に恥ずかしがりやさん多くて(笑)。最近、父が「カラオケに行こう」とか言ってくるんですけど、前はあんまり家族で行っていませんでした。母も姉も「恥ずかしい」みたいな感じで歌わなくて、私とおばあちゃんが歌う、みたいな。隔世遺伝なのかなっていうくらい(笑)。高校生くらいに私がハマったんですけど、おばあちゃんが先にハマっていたので、二人で行くことが多くなったんです。カラオケって聞くとイコールおばあちゃんっていうくらいなんです、私の中で。
――ちなみにおばあちゃんは今おいくつですか?
小島:83歳くらいですね。
――そうなんですか!?お元気ですね。
小島:そうなんです、すごく元気です。おばあちゃんは、カラオケのファイルを作っていて、アーティスト名とカラオケの番号を書いてあって、そこに自分に合ったキーのプラスマイナスもメモしてあるんですよ。カラオケに行くとそれを渡されて、私が番号を入れてキーを調整してあげるんです。おばあちゃんの方が私より行ってるかもしれないですね。結構意識が高くて、ちゃんと歌いあげたい人なんですよ。だからキーもちゃんと合わせるんですよね。そういうストイックさってすごいなって思います(笑)。
■音楽って一瞬一瞬違う世界に連れて行ってくれるものだと思うんです

■楽しみ方の1つとして「DAM CHANNEL」を通して提供できたら嬉しい
――梨里杏さんは作詞をされたこともあるとのことですが、今後はそういった音楽活動をやってみたいという希望はありますか?
小島:やっぱり歌は大好きなので、できることなら歌いたいという気持ちはありますね。CDも出してみたいですけど、そこに行くまで猛特訓ですよね。
――ストイックですね!
小島:そうですね、おばあちゃん譲りの(笑)。でも、「自分が好きな歌はこういう感じ」というのはあるので、「CDを出すならこういうのがいいな」っていう想像をしたことはあります。
――好きな音楽、として色々なアーティストさんのお名前を挙げていらっしゃいますが、七尾旅人さんとかMOROHAの名前があってちょっと驚きました。独自の言葉でメッセージを発信しているアーティストがお好きなんですか?
小島:そうですね。聴いていて全部の音が楽しいっていう音楽もあってそういう音楽も好きですし、一つの言葉に込めている想いがすさまじい、みたいなメッセージ性のある音楽も好きです。七尾旅人さんはもともと聴いていてライヴを観に行ったんですけど、MOROHAさんの場合はまったく初めての状態でライヴを観て、1曲目から「なんだこの人たちは!?」って思いまして。そのときは、落ちちゃうんじゃないかっていうくらいステージの真ん前まで出てきて歌い上げていて。もう根こそぎ持って行かれて、そこからどハマりしたんです。MOROHAさんの音楽がCMから聴こえたときに、ご本人たちは出ていないのに、「この声は絶対にMOROHA!」って見つけられるのが嬉しくて。勝手に応援してます(笑)。
――水曜日のカンパネラ、スチャダラパー、いとうせいこうさんのお名前も挙げていらっしゃいますね。
小島:ラップ、ヒップホップも大好きです。□□□(クチロロ)とかもカッコイイなって。
――□□□の名前を出すタレントさんは珍しい!
小島:そうですか(笑)? (リズムに乗せて歌いながら)「ヒップホップの初期衝動♪」とかカッコイイですもん。でも、自分ではあんな風に上手く歌えないのがすごく悔しいんですよねえ。
――カラオケでチャレンジしてみたんですね。
小島:そうなんですよ。でも自分じゃかなわなくて、悔しいです(笑)。
――他には最近、どんなアーティストに注目していますか?
小島:NakamuraEmiさん、石崎ひゅーいさん、amazarashiさんとか。
――amazarashiも、言葉の人ですよね。
小島:ああ~そうですね。もう、amazarashiさんを聴いたらたまらないです、つらい!
――聴くのがつらいんですか(笑)。
小島:つらいんだけど、良いんですよね。今思い出すだけで泣きそうになります(笑)。それくらい心を掴まれるというか。amazarashiさんは、感情とかバックボーンをどこから持ってきているんだろうなって。ストーリー性があるんですけど、実話なのか想像なのかわからないところもあって。聴いてると鮮明に映像が出てくるので、どうやって作っているんだろうっていう興味は、amazarashiさんには特にありますね。
――音楽愛がすごいですね。他にも好きなアーティストさんはいますか。
小島:キノコ帝国さんも好きです。リズムも心地良いし歌っていてすごく良い気持ちになりますね。あとは奥田民生さんですね。民生さんがテレビに出てきたら、失礼かもしれないですけど思わず「民生―!」って言っちゃいますもん(笑)。星野源さんも好きなんですけど、ライヴを観に行ったときにたまたま民生さんがゲストで出てきたときは、もう運命かと思いました(笑)。
――ははははは(笑)。本当にファンなんですね。
小島:前にBRAHMANを観に行ったときに大好きなハナレグミさんが出てきたときも同じようにすごく嬉しかったです。
――では、将来の目標があったら教えてください。
小島:今までは、お芝居を中心にお仕事をさせていただいていたんですが、2017年からEテレの「天才てれびくんYOU」でMCを務めさせてもらって、バラエティにも結構出させていただいて。その中で、芸人さんってすごいなって思うようになりまして。今までは、テレビを単純に観ていたんですけど、頭の回転の速さとか、気の遣い方とか、すごく尊敬できる部分があって。そこからバラエティに出ている方々への目線も変わってきて、よりカッコイイなと思うようになりました。それで今年度からDAM CHANNELのMCを務めさせていただけることになって、すごいご縁だなって。好きなものだし、興味を抱き始めたMCをできるというのはすごいことだと思うので、今後は「幅広く」っていうのをより具体的に思えるようになったというか。マルチに活躍したいという思いは以前からあったんですけど、それが明確になった気がします。バラエティも、お芝居と一緒でみんなで創り上げるんだなって思ったんです。急にその場で生まれるインプロ(インプロビゼーション)じゃないですけど、そういう即興で生のものが生まれていく感じが面白いなって思ったので。今後はもちろんお芝居も続けて行きたいですし、バラエティやMCもできたらいいなって思っています。
――今日はお話を伺って、かなり幅広い音楽知識を持ったリスナーなので、正直驚きました。最後に、BARKSをご覧の音楽ファンにメッセージをいただけますか。
小島:音楽って、一瞬一瞬違う世界に連れて行ってくれるものだと思うんです。映画やドラマだとできあがったイメージに感情移入する形なんですけど、音楽は自分がそれを受け取ってどう解釈するのかをリアルに感じられるものだと思うので、そういうところを楽しみ方の1つとして、「DAM CHANNEL」を通して提供できたら嬉しいですね。
取材・文●岡本貴之

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