【インタビュー】JYPが手がける実力
派DAY6「いつかぜひ、バンドの聖地で
ある武道館でライヴを」

今世界中で話題沸騰中の5人組ボーイズバンド“DAY6”(デイシックス)が素晴らしい。TWICE2PMGOT7らが所属する韓国の名門事務所=JYPエンターテインメントが手掛ける初のバンドである彼らは、2015年9月に発売されたデビューアルバム『The Day』が米国ビルボード・ワールドアルバムチャートで2位を記録するなど、当初から見事な結果を出してきた。昨年2017年は、毎月新曲の発表とワンマンライブを実施するプロジェクト“Every DAY6”を遂行し邁進し続けている。
そして、メンバー自身が作詞作曲も手掛ける楽曲が、実に良曲揃い。ロック、エモ、ポストロック、R&Bといった多彩なジャンルを柔軟に横断しながら、うち4人がメインヴォーカルをとるというポテンシャル&自由度の高さが、表現の可能性を無限に広げている。キーボード&シンセサイザーを擁するためバンドサウンドも重層的で、メロディの美しさ、歌詞のドラマ性も、特筆すべきポイント。スタジアムバンドになり得るスケール感を放ち、まさに“実力派”という言葉がぴったりの5人には、日本をはじめ世界を股にかける活躍が期待される。
そんな彼らは、3月14日(水)にリリースしたシングル「If 〜また逢えたら〜」で遂に日本デビューを果たした。洋邦問わずに世界中の最新の音楽を紹介しているBARKSは、もちろん取材をオファー。光栄なことに日本での初のインタビューの場となったが、インタビュー中も常にお互いを尊重し、チームワークに優れ、音楽に誠実に向き合う5人の姿勢が印象深い。(BARKS編集部)
  ◆  ◆  ◆
◆DAY6 画像ページ
■ 僕たちはお互いを信じている“チーム”なんです
── まずは、メンバーのみなさんの「この人のここはすごい」というところや、バンド内での役割を教えてください。
ソンジン(Vo&Gt):では僕から、隣の人のことを紹介していきますね。ドウンさんは、初めて会った人でもすぐ気楽に接することができるような親しみやすさを持っていて、そこが彼の強みだと思います。グループ内での役割は、世間知らずの息子と言ったらいいかな?(笑)
▲ドウン(Dr)
ウォンピル(Key&Syn&Vo):合っていますね(笑)。もしくは、末っ子。
ドウン(Dr):お兄さんたちにはいつもお世話になっています(笑)。
ソンジン:それに努力家でもありますね。
ドウン:さすが、僕のことをよくわかってくれています!(笑) ジェイさんは、素晴らしいギタリストでもあり、甘い歌声を聴かせてくれるヴォーカリストでもあります。その歌声で曲の導入部から一気に人の心を惹きつける彼は、“導入部の妖精”とも言われていて、とても本能的な……音楽のビーストです!
ソンジン:妖精であり野獣なの?(笑)
ドウン:あ……音楽の妖精です(笑)。
▲ジェイ(Gt&Vo&Rap)
ジェイ(Gt&Vo&Rap):正直、ドウンがなにを言っているのかさっぱりわかりません!(笑) ヨンケイさんについては、みんなもすごく何か言いたそうな顔をしていますね。
ソンジン:ヨンケイさんは環境適応能力がとても高いので、無人島にひとりきりで行くことになってもサバイヴできると思います。
ウォンピル:わかります。自己管理がしっかりできる人でもありますね。
ジェイ:ヨンケイさんは、目標を定めたらそれに向かって突き進んでいける人。音楽の勉強も歌や楽器の練習も人一倍しますし、本当に努力家です。
ドウン:加えて、リアル・ビーストでもあります(笑)。
▲ヨンケイ(Ba&Vo&Rap)
ヨンケイ(Ba&Vo&Rap):みんな、僕のことを本当によくわかってくれていますね(笑)。ウォンピルさんは、この世界でたったひとりの人。二度と出会うことができない人。
ウォンピル:(深く頷いていると──)
ヨンケイ:と、言ってくれと、今ウォンピルさんから目で合図されました(笑)。というのは冗談ですが、ウォンピルさんは一番優しい人です。たとえばチームの中で些細な摩擦が生まれたときも、彼がいつも緩和してくれます。「グループの中で母親は誰ですか?」と聞かれたら、僕はウォンピルさんだと思います。ただ、料理はできません(笑)。
▲ウォンピル(Key&Syn&Vo)
ウォンピル:その通りで全然できません(笑)。ソンジンお兄さんは、みんなのまとめ役です。整理整頓するのも得意な、すごくきちっとした人です。また、いつでも情熱的で、メンバーみんなで一緒に音を合わせているときには、全身全霊で音楽を感じながら演奏をして歌っています。
ソンジン:よく見てくれていますね!
── みなさんは本当に仲がよくて、お互いに信頼し合える仲間なのですね。
ドウン:そうです、僕たちはみんなお互いを信じているチームなんです。
▲ソンジン(Vo&Gt)
◆インタビュー(2)へ
■ 最大の強みは、共感力とエネルギーです
── そんなDAY6はバンドという形態ですが、韓国にはダンス&ヴォーカルグループが多くいるイメージがあります。みなさんの場合は、もともとバンド志向だったのでしょうか。
ソンジン:ジェイさんとドウンさんは最初からバンドをやりたいという気持ちがありました。
ジェイ&ドウン:(頷く)
ウォンピル:もともとジェイさんはギターが、ドウンさんはドラムができました。
ソンジン:僕とヨンケイさん、ウォンピルさんは、ヴォーカルとして表現をしていきたいと思っていたんですけれども、ジェイさん、ドウンさんとバンドを始めるようになっていろいろなバンドの音楽を聴くようになり、DAY6の形ができていきました。
ウォンピル:僕はそれまでずっとピアノを弾いていたので、キーボードとシンセサイザーを担当することになって。
ヨンケイ:僕はそれまでギターを得意としていましたが、DAY6を組むことになってからベースを始めました。
── 先ほども話に出ましたが、誰かだけではなくみなさんが努力家だからこそ、素晴らしいバンドにできたのでしょうね。DAY6は5人中4人がメインヴォーカルを担い、みなさん自身が作詞・作曲を手掛けていますが、ご自身たちで思う強み、これだけは譲れない!というこだわりは?
ジェイ:僕たち自身が曲を作っているので、本当に自分たちが好きなもの、やりたいことを音楽で表現できているんですね。そのことで、ステージの上でも心から楽しんで幸せになれていると思います。
ソンジン:そして最大の強みは、共感力とエネルギーですよね。ヨンケイさんがよく作詞をしていますが、ヨンケイさんの歌詞は多くの人が共感できると思います。
ヨンケイ:(笑顔でガッツポーズ)
ソンジン:今までたくさん重ねてきたライヴでは、5人のエネルギーを伝えられるように努力しています。
▲DAY6
ウォンピル:僕たちの音楽は、バンドサウンドで“ロック”というジャンルが基盤になりますが、それぞれに個性の違うヴォーカル4人の歌声が重なることによって、これまでにない、特別で独特な音楽が表現できているとも思います。
ヨンケイ:リーダーであるソンジンさんがリードヴォーカルを務めてはいますけど、全員がメインヴォーカルとしてできるということは、強みですよね。
ドウン:本当に、4人が言った通りだと思います。その上で、僕たちはお互いにすごく正直で、飾ることなく真心で接しているところもすごくいいところだと思います。
── だとすると、楽曲やライヴをよりよいものにするために、自分の想いや考えをいい意味でぶつけ合えるわけですね。
ソンジン:そうです。ちゃんと意見をぶつけ合うし、そのときには必ず過半数を超える意見を採択するようにしています。
── 民主主義を貫いているのですね。
ヨンケイ:それはとても大事なことだし、僕たちはとても健全なグループです(照笑)。
── DAY6のいろいろな楽曲を聴いて、さまざまな音楽ジャンルを独自に昇華させているように感じたのですが、実際はどうなのでしょうか。
ソンジン:僕たちは、5人それぞれ好きなジャンルが全然違っています。全世界のさまざまな音楽から影響を受けているので、言っていただいたようにいろいろな要素が合わさった音楽になっているんです。
── 日本のアーティストからも影響を受けていますか?
ウォンピル:僕は最近、米津玄師さんにはまっています。バンドサウンドを軸に彼ならではのオリジナリティがあるので、ミュージシャンとしてとても勉強になってもいます。
ヨンケイ:ONE OK ROCKもかっこいいですよね。
ソンジン:メンバーみんな好きです。
ウォンピル:それから、Mr.Children星野源さんもよく聴きます。
ヨンケイ:あと、RADWIMPS。映画(『君の名は。』)を通して彼らの音楽を知りましたが、彼らの音楽を聴いていると、とても風景が浮かびます。
── DAY6の音楽にも同じことが言えると感じます。
ヨンケイ:本当ですか!? それは、とても嬉しい言葉です。
◆インタビュー(3)へ
■日本のバンドの文化を学びたいです
▲「If 〜また逢えたら〜」初回限定盤


── 今回の日本デビューシングルの表題曲「If 〜また逢えたら〜」も、美しいメロディと歌声、そしてエモーショナルなバンドサウンドが融合していて、一度聴いたら心をつかまれてしまうナンバーですから。作詞にはヨンケイさんが、作曲にはソンジンさん、ヨンケイさん、ウォンピルさんが参加されていますが、それぞれにどんなことを大事にして制作やレコーディングに臨みましたか?
ウォンピル:この作品で日本デビューをするので、自分たちの音楽がみなさんにしっかりと届くように、より集中してレコーディングに臨みました。
ヨンケイ:そうですね。そして「If 〜また逢えたら〜」は光栄にも日本のドラマ(『リピート 〜運命を変える10か月〜』)の主題歌に起用していただきました。が、ドラマのために書き下ろしたわけではなく、もともとあった曲を、これはドラマに合うのではないかということでお声をかけていただいたんです。
── 曲や歌詞に漂う切なさが、本当にドラマにぴったりです。
ヨンケイ:ドラマの映像に僕たちの音楽が重なるのは、とても不思議な気分でしたし、嬉しさがありました。
ソンジン:感激ですよね。僕は、さっき言っていただいたようにエモーショナルな曲なので、より本能的に、ワイルドに、心に刺さるように表現しようと努めました。
ドウン:そのワイルドな雰囲気を活かせるように、僕もこの曲を演奏するときには頭を振りながらドラムを叩いています。
── ミュージックビデオを観ても、その熱が伝わってきます。
ドウン:あぁ、伝わってよかったです。嬉しい!
ジェイ:ギターのレコーディングのときには、ポストロックを意識してソンジンさんとのかけ合いパートを録っていきました。最初は思い通りにできなかったのですが、結果的には気持ちがあふれ出るような演奏ができたと思います。
── カップリングの「Baby, it’s okay」は真っ直ぐな愛に心動かされるナンバーですし、みなさんが日本デビューしてくださって、これからいい曲がたくさん聴けることが嬉しいです。
全員:僕たちも、日本デビューできたことが本当に嬉しいです。
ソンジン:これまでもそうであったように、僕たちはこれからも変化し続けながら新しいジャンルを追い求める努力をしていきたいですし、僕たちの新しい姿を日本でもどんどんお見せしていきたいなと思っています。
▲「If 〜また逢えたら〜」通常盤


── 世界中から注目を集めるDAY6ですが、日本で叶えたい夢というのもあるのでしょうか。
ソンジン:短期的な目標としては、日本のいろいろなライヴハウスでライヴをしたいです。
ジェイ:そうそう、日本でもたくさんライヴをして、日本のバンドの文化を学びたいですよね。学ぶべきことがたくさんあると思うし、いろいろ吸収してたくさんの経験を積みたいです。
ドウン:日本のバンドの方々と仲よくなって、たくさん交流をしてみたいしね。
ヨンケイ:そうですね。僕は本当にアニメが好きですから、DAY6としていつかアニメの主題歌を担当してみたいなという夢もあります。アニメの『BECK』を観て、僕たちもあんなふうに夢をつかめるんじゃないかなという期待感もあります。
ウォンピル:いつかぜひ、バンドの聖地である日本武道館でライヴをしたいですね。
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インタビュー・文◎杉江優花

撮影◎大橋祐希


■日本デビューシングル「If 〜また逢えたら〜」


2018年3月14日発売

読売テレビ・日本テレビ系ドラマ「リピート〜運命を変える10か月〜」主題歌

[初回限定盤](CD+DVD) WPZL-31434/35 ¥1,852+税

[通常盤](CD) WPCL-12866 ¥1,204 +税

【CD収録曲】

1. If 〜また逢えたら〜

2. Baby, it’s okay

3. If 〜また逢えたら〜 (Instrumental)

4. Baby, it’s okay (Instrumental)
【初回盤DVD収録内容】

・「If 〜また逢えたら〜」ミュージックビデオ

・「If 〜また逢えたら〜」メイキングムービー

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