距離の近さに驚き!寛ぎの空間でミュ
ージカルの世界観が楽しめる~「Liv
ing Room MUSICAL~スターのいるレス
トラン~」昼公演レポート

■出演者の身近さに驚き!
 ミュージカルスターたちが劇場を飛び出して、まるで心地よい邸宅のリビングのような空間で歌い踊る!そんな贅沢なライブ『Living Room MUSICAL~スターのいるレストラン~』があると聞き、早速駆けつけた。出演は、夢咲ねね、川口竜也、青野紗穂、岡本悠紀、月央和沙という贅沢な顔ぶれ。
 会場は渋谷プライム5階にある、eplus LIVING ROOM CAFE & DINING。料理と飲み物に舌鼓を打っていると、名札とエプロンをつけて、会場内をウロウロする人たちが。見たことある顔!と、なんとキャストが店員の格好で、ごく間近にいるのだ。舞台の上と客席という遠い距離ではなく、身近でフランクな雰囲気に驚くことしばし。
 そのうち、『ラ・ラ・ランド』の軽快なナンバーで開演。明るく溌剌としたキャスト5人の歌声、その迫力に圧倒される。いやはや、こんな近くで見られていてドキドキしないのかなぁ? 歌の合間に川口竜也はジャグリング、岡本悠紀がトランペットを披露。青野紗穂と月央和沙が踊り、リズムをとりながら揺れている夢咲ねねが可愛らしい!「雨に唄えば」では、川口が歌いながら軽快にタップを踏み、その芸達者ぶりに感心。夢咲と岡本のデュエットである『ロミオとジュリエット』の「いつか」に続き、『RENT』の「Out Tonight」はセクシーな衣裳に身を包んだ青野が、圧巻のパフォーマンス。さすが、ミミを演じた経験値が生きている。『エリザベート』の「闇が広がる」はマント姿の川口トートと岡本ルドルフ。この組み合わせも萌えるなぁ!『美女と野獣』のタイトル曲では、川口と夢咲が夢のカップル。可憐な夢咲の歌声がぴったりだ。『アラジン』の「Friend Like Me」では全員がそれぞれマジックを披露。手拍子も起きて、会場全体が熱気に溢れた。

川口竜也
夢咲ねね

 休憩の後は『シカゴ』の「セル・ブロック・タンゴ」。女囚たちが歌うこの名ナンバーに乗せて、キャストがそれぞれ自己紹介。こういったミュージカルならではの工夫がまた楽しい。歌中で女囚たちが自分の犯した罪を言い訳するが、メロディに乗せて、「ねねでーす」「紗穂でーす」「悠紀」「ああ(川口)」「月央でーす」と、自由気まま(笑)。トークタイムにはそれぞれの自己PRがあり、ドナルドダックの声真似をする岡本、観客に簡単なピラティス講座をする月央など(観客の皆さんほぼ全員参加!)、こちらも各自の個性が興味深い。夢咲による観客全員とのじゃんけん大会があり、勝者は川口によるモーニングコールの声を録音する権を獲得。「おはよう!朝ですよ!起きなさい」と、ダンディな声が響き、この声で毎朝起きる方が羨ましい。

青野紗穂
月央和沙

「Putting on the Ritz」では月央が長い手足を生かした、華麗なダンスで魅せる。そして『Dream Girls』のタイトル曲では青野が真ん中、両サイドに黒いセクシーなドレスでボブヘアの川口と岡本が!ファルセットと地声を使い分け、ノリノリで歌う男性二人に意表を突かれ、笑うやら、感心するやら。そんな川口が、『レ・ミゼラブル』の「星よ」を歌うと、さすがジャベール役が体に染み込んでいるのか、圧倒的な存在感で観る者を惹きつけた。いやー、この距離でこの歌声に浸れるのは贅沢の極み。うっとりだ。アンコールでは『RENT』の「シーズンズ・オブ・ラブ」を5人で。絶妙なハーモニーが響き渡り、その美しさに涙を流す人も。
 単に歌とダンスだけでなく、マジックやタップ、トークなど様々な要素が盛りだくさん。緻密に工夫を凝らしながら、観客に楽しんでもらいたいというサービス精神満載の特別なひと時。キャストは歌いながら客席の間を回ってくれるという滅多に味わえない体験ができ、公演終了後にも各テーブルを回りご挨拶。こんな交流ができるのも嬉しいポイントだ。
 ミュージカルファンはもちろんのこと、ミュージカルは初心者で敷居が高いと思っている方、また家族や友達を誘いたいと考えている方にもぜひおすすめ。心温まる体験となるはずだ。なお第二回公演は、2018年4月16日(月)に開催されることが決定した(詳細は後日発表)。

■キャスト5名に聞きました
——公演が終わった感想は?
川口:お客さんと近い距離で接することができて、反応をじかに見られて楽しかったです。ライブの良さがとことん味わえました。
夢咲:今までファン限定のお茶会しかやったことがなく、こういったライブは初めて。お客様と近くて緊張する反面、お客様がいてくださるから乗れる部分もあって、楽しかったです。

夢咲ねね

岡本:ここが劇場になるのか!と新鮮にパフォーマンスできました。距離が近いと嬉しいですね。皆さんの笑顔、楽しんでくださっている手応え、パワーを近くでもらいながら楽しみました。ただ汗をすごくかいたので、すみません!悠紀汁が飛んだかも(笑)。
青野:私は普段アーティストとしてライブさせていただいていて、今回のイベントこそライブだ!と感じました。観客の皆さんと近くで一緒にいられて、一緒の空間で音楽を通して通じ合える。勉強になったし、嬉しかったです。
月央:私はダンスが好きで、大きい空間は慣れていましたが、こういった場で踊ったことはなかったので、新鮮でした。私から見ると、この4人それぞれが本物の力を持っているから、できることだと実感しました。

月央和沙

岡本:いやいや、よっち(月央)のダンスをこんな真近で見るチャンスもまずないですよ。竜兄(川口)は多彩で、ジャグリングにタップ、マントも自前。
夢咲:私のマスカラも!
全員:へ?
川口:それ、マラカス!(爆笑)。一人で長いことライブをしていると、いろいろ持っているんですよね。
月央:ねねちゃんは稽古場の和ませ役。時間が限られてみんなビリピリし始める中、壮大なBGMに合わせて一行歌って「何だっけ?」って言ってて(笑)。少しずつ〜♪
全員:(「美女と野獣」のフレーズを歌い出す)少しずつ〜少しずつ〜♪
月央:あと紗穂ちゃんのギャップ。こんな無邪気で可愛い女の子なのに、歌うと一気に引き込む力がある。
青野:嬉しいなぁ! 「ドリーム・ガールズ」は化学反応で素敵でしたね。お二人ともドヤ顔で、パッと見たら本気で歌っていて震えちゃった(笑)。
川口:ドア開ける前に、やるしかない!と喝を入れました。俺が歩いて行ってら、お客さんが引いていた(笑)。

川口竜也

——今日これを歌えてよかった!と言うナンバーは?
岡本:「最後のダンス」ですね。よっちが後ろで踊っている前で歌わせていただくなんて!歌っている最中、よっちがニヤッとする顔がカッコよくて。
月央:いや、川口閣下がカッコよかった。
岡本:僕は宝塚の『エリザベート』を観てミュージカルを目指したので、この歌を歌い、振付を教われて、死ぬほどハッピーでした。

岡本悠紀

川口:僕は「ラ・ラ・ランド」が楽しかったです。お客さんをこの世界に引き込むのに、合っているナンバー。お客さんが音楽の渦のなかに入っていくのがわかりましたよ。
夢咲:私は『RENT』の曲。観ることはあっても、自分が歌うことはなかったので、最後にみんなで「シーズンズ・オブ・ラブ」を歌えてすごく嬉しかったです。ほんと素敵な曲。
青野:個人的に「ドリーム・ガールズ」をお兄さん2人と歌えたのが貴重でよかったです。お二人がスタンバイされていて、脇毛がチラリと見えて。
岡本:剃ってないもん。
川口:昨夜悩んだもん、剃るべきかどうか。
青野:それがツボで、ステージに上がる時、笑いを抑えました。しかもすごく上手で、ドスの効いた男性の声なのにきちんと成立していましたね。

青野紗穂

月央:私は耳が幸せでした。『RENT』の曲やジャベールさんの曲はなかなか聞けないので、なんて贅沢だろう!と。
——このミュージカルライブはメンバーや企画を変えて、この先も続きます。最後にメッセージをどうぞ!
川口:我々は観ていただいてこそなので、僕もまた観たいと思っていただける良いライブを作り続けたいです。ご期待ください。
夢咲:あるようでない時間でした。ここでしかできない時間を、違う色の俳優さんが集まって、一緒に生み出す。もっといろんな色に染めていきたいです。
岡本:ここまでお客様と近い距離で歌えるのは、本当に貴重です。キャストの目の奥まで観に、いらしていただきたいです。
青野:歌、ダンス、パフオーマンス全てを含めたエンターテイメントという世界をもっと広げていけたら。そこに参加してもらう感覚で楽しんで観にきてください。
月央:お客様にとっても間近で我々を観られて触れ合えるのは、新しい発見があるのでは?と思います。初めてのキャストを知るいい機会にもなるでしょう。ぜひ、いろんな人がコラボレーションする化学反応を見にいらしてください。
取材・文=三浦真紀  写真撮影=上溝恭香

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