イヤホンズ / あたしのなかのものが
たり ポップ・ミュージック? 日本語
ラップ? ポエトリーリーディング?
□□□・三浦康嗣と人気声優らによ
る化学変化が産み出した衝撃作!

高野麻里佳高橋李依、長久友紀による3人組声優ユニット、イヤホンズの2ndアルバム『Some Dreams』より、□□□(クチロロ)の三浦康嗣がプロデュースを手がけた「あたしのなかのものがたり」をご紹介します。
人生の分岐点に立つ女性と“冒険の道”と“安定の道”と、それぞれの人生を歩んだ未来の自分。それらを3人の声優が演じるという内容になっているのですが、ここ最近でずば抜けた衝撃を受けました。これはポップ・ミュージックでもあり、日本語ラップでもあり、ポエトリーリーディングでもあり、ミュージカルでもあり……音楽の枠を大きく広げるような作品ではないでしょうか。

元々□□□はこういったストーリーがメインとなるミュージカル的な要素を持った楽曲や、おもしろい構造の楽曲をこれまでにも何度も発表してきました。今回、この「あたしのなかのものがたり」を最初に聴いた時は、個人的に死の瞬間を描いた□□□の「Tonight」を思い出しました。
「Tonight」はもう10年も前の作品になるのですが、当時もかなりの衝撃でした。今聴いても相当ぶっ飛んでるな、と思います。しかし、「あたしのなかのものがたり」の衝撃はそれ以上。

三浦康嗣が描く世界観に、3人の声優の演技力やスキルが加わったことによるものだと思います。歌とセリフとラップを軽やかに乗りこなしながら、キャラクターを表現するそのスキルは流石プロの声優と言わざるをえません。最後にはトラップで鉄板となっている3連符フロー(「ずっと/めぐり/めぐる/ものがたり」や「それをあつめ/こねて/かためる/雪だるまつくるように」など)まで登場。

また、この曲はイヤホンズだけに“イヤホン推奨”となっているのですが、それぞれの道を進んだふたりの声が左右に振り分けられるなど、立体的なサウンドが作られていたり、様々な楽器や音効は導入されていたりと、文字通り“劇的”な展開をみせる、挑戦的な音作りもおもしろいです。

大事なのは「選択」ではなく、その先でどういった“ものがたり”を紡いでいくか、というポジティブなメッセージも素晴らしく、この曲を聴いている時だけは「音楽を聴いてるという」感覚とはちょっと違った感覚になりますね。今回、三浦康嗣を起用したイヤホンズと、そのスタッフさんには最大級の拍手を送りたいです。


【リリース情報】

イヤホンズ 『Some Dreams』

Release Date:2018.03.14 (Wed.)
Label:EVIL LINE RECORDS
Cat.No.:KICS-3684
Price:¥3,000 + Tax
Tracklist:
01. 新次元航路
02. 理想郷物語
03. 一件落着ゴ用心
04. ミーチャイキュットンティーガプリウテグバンコ
05. あたしのなかのものがたり
06. Fuwa くちゃ Dreamer
07. 予め失われた僕らのバラッド
08. ウィッチクラフト ≪テオフィルの奇蹟≫
09. Yummy Yummy Party
10. サンキトウセン!
11. ヨロコビノウタ
12. 未来泥棒

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