龍真咲、宝塚トップスターから女優に
転身 ~フレンチ・ロック・ミュージ
カル『1789 -バスティーユの恋人たち
-』大阪で会見

今春、元宝塚歌劇団月組トップスターの龍真咲が退団後初となる舞台、ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』で女優デビューを飾る。本国フランスで2012年に初演、開幕と同時にメガヒットを記録した、革命前夜の混乱と感動を描いた愛の群像劇だ。日本初演となった宝塚版で主演のロナンを演じた龍が、今作では王妃マリー・アントワネットを演じる。男役から女優へ。心境の変化や作品に対する思いを聞いた。
龍真咲
「時代を彩った強くしなやかなマリー・アントワネットを楽曲でも表現したい」
ーー『1789 -バスティーユの恋人たち-』へのご出演が決定しました。
日本初演の宝塚版ではロナン役でしたが、今回は敵対する王妃マリー・アントワネットを演じさせていただきます。王室側から革命を見たことがなかったので、どんな気持ちになるのか嬉しくもあり不安もあります。本当にロナンから見ると、時代の象徴として反対側のお役だったので。
ーーマリーをどんな人物として演じたいですか。
宝塚ではマリーは歴史的なシンボルとして描かれることが多く、私自身『ベルサイユのばら』で初舞台を踏んだこともあり、とても華やかなイメージがあります。今回はマリーの軌跡、歴史的背景を紐解きながら、自分が解釈するべきポイントはどこにあるのかなど感情を調査中です。一昨年、エリザベートとして出演させていただいた『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』でも思いましたが、やはり時代を彩る女性というのは、強くしなやかであらねばならないのかなと。今回はロック・ミュージカルでもあり、芝居心や見た目の華やかさも大事ですが、楽曲にも自分なりの色を出して、楽しみながら演じられればと思います。
龍真咲
ーー色々と資料をあたられているのですね。
一昨年、花總まりさんらが音声ガイドを務めた展覧会「ヴェルサイユ宮殿監修 マリー・アントワネット展 美術品が語るフランス王妃の真実」にも足を運びました。資料という資料が揃っていたので、じっくりと見させていただきました。また、「ヴェルサイユ宮殿公式写真集」ではオフィシャルサポーターとしてパリへ渡り、関係者からお話を伺ったり、宮殿内の普段一般公開されていない場所に入らせてもらったり。マリーが目にした風景を見て、想像だけじゃない部分に触れたことで、色々と感じることがありました。役作りに活かせていければと思います。
ーー宝塚をはじめ、フランス革命が題材の作品はいくつかありますが、中でも本作の見所とは。
宝塚版『1789』の初演では、思いのほか残酷な場面もあったりと、あまり見られない歴史のページから物語が始まるので、そこは面白い魅力のひとつだと思います。また、サブタイトルに「バスティーユの恋人たち」とあるように、3つのカップルが誕生する部分や、楽曲の素晴らしさもあると思います。

「どの役に感情移入するかで印象が変わる作品なので、何度でも劇場へ!」
ーー共演が楽しみな方はいらっしゃいますか。
みなさんです。ミュージカル界のスターさんばかりが勢揃いされているので、様々な個性を一つの鍋の中に入れるとどんな味になるのかとても楽しみです。
ーーロナン役を演じる小池徹平さん、加藤和樹さんに元ロナンとして伝えたいことはありますか?
そんな、ないです! というのも、ようやく自分はマリーを演じるんだと気持ちがシフト・チェンジしてきたところなので、いま少しでもロナンに触れると「そうなんだよね~」と気持ちが引っ張られちゃう(笑)。マリー役に集中したいと思います。
龍真咲
ーーまだ、ご自身の中にロナンが?
全然いますね。宝塚版が日本初演だったこともあり、美術セットも先生たちが考えながら作られていました。台詞も覚えていますし、一番最初のお稽古場の雰囲気とか、一つひとつのことがフラッシュバックしてきますね。
ーーマリー役は、凰稀かなめさんとのダブルキャストです。
退団後も交流はあるので、すごく楽しみです。凰稀さんはすでにマリー役をご経験済みですが、私は初めてなのできっとあたふたすると思いますが、しっかりと付いていこうと思います。
ーー宮廷に仕える侍女オランプ役の夢咲ねねさんも元宝塚星組トップ娘役です。
宝塚の新人公演で最初に夢咲さんとダンスパートナーを組んだのは私だったんです。共演は久しぶりなので楽しみです。
ーースチール撮影で印象に残ったことは?
想像以上にドレスが大きくて驚きました。宝塚時代もドレスを着た経験はありましたが、それ以上に豪華でした。最初のテーマカラーがピンクということで、ウィッグにもドレスにもピンクが使われています。(女性として)違和感なく観ていただけるように着こなしたいです。
龍真咲
ーー女優への準備は順調ですか。
まだ、ふとした瞬間に歩幅が大きくなってスカートでつまづくこともあるので、たいした変化はないかもしれません(笑)。レディーのレッスンは必要かなと思いますが、周囲の風景も変わってきているので、柔軟に受け止めてナチュラルに演じられればと思います。
ーー改めて、本作で女優デビューすることにつてはいかがでしょう。
ミュージカル作品に出演できることは、純粋にすごく嬉しいです。退団からの1年間、自分なりに『1789』に向けて研究し、培ってきたものもあるのでお稽古が楽しみです。宝塚とは全然違う時間になると思うので、その刺激をどれだけ自分が正面から受け止められるか。新たな挑戦だと思います。正直、初の女性役なので少し心配もありますが、演出の小池(修一郎)先生のアドバイスをしっかり聞いて、務めたいと思います。
ーー最後にファンの方へメッセージを。
時代に翻弄されつつも、強くしなやかに生きた女性マリー・アントワネット。退団後初のミュージカルでこの役に巡り合えたことをとても嬉しく思います。神経や感情をふるわせて、良い子のマリーではなく、『1789』のマリーを追求して演じます。どの役に感情移入するかで印象が大きく変化するところが、この作品の魅力のひとつでもあります。色んな役に興味を持って、たくさん劇場に足を運んで下さると嬉しいですね。大阪公演の会場は梅田芸術劇場ではなく、新歌舞伎座なのでくれぐれもお間違えのないように。「新歌舞伎座で!(笑)」お待ちしております。
龍真咲
取材・文・撮影=石橋法子

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