【インタビュー】ウィザーフォール、
「人生は本当に奇妙だ」

ダークな作風でプログレッシブ・メタル・ファンの間で話題となっていたウィザーフォールのデビュー・アルバム『NOCTURNES AND REQUIEMS』が日本でもリリースされることとなった。名手揃いのメンバーが在籍するウィザーフォールから、中心メンバーであるジェイク・ドライヤー(G)とジョセフ・マイケル(Vo)に色々と語ってもらった。
──ウィザーフォールはどのようにして結成されたのですか?
ジェイク・ドライヤー:ウィザーフォールの前は、WHITE WIZZARDでプレイしていた。それから、KOBRA AND THE LOTUSというバンドでツアーをしたりセッションワークをしたりしているし、今はICED EARTHにも在籍しているよ。
ジョセフ・マイケル:ウィザーフォールの前は、俺達ふたりともWHITE WIZZARDにいたんだ。その他にインディペンデントでMIDNIGHT REIGNといったバンドでレコードをリリースしたり、映画のサウンドトラックの仕事をしているよ。
ジェイク・ドライヤー:ジョセフとツアーに出ていた時にバンドを作りたいという話になって、2013年の終わりにウィザーフォールを結成したんだ。ジョセフと俺、そして2016年に亡くなったドラマーのアダムの3人でスタートさせたんだよ。
ジョセフ・マイケル:ウィザーフォールという名前は、色々とバンド名を考えながら酒を飲んでいた夜に浮かんだものでね、ジェイクも俺もWITHER(「しおれる」という意味)という単語が気に入っていて、彼から「WITHERFALL」はどうだろうとメッセージが届いたんだ。俺も悪くないと思っていたけれど、アダムが凄く気に入ってね。「ゆっくり死ぬ」という意味を込めてね。
──レコーディング自体はいかがでしたか?
ジェイク・ドライヤー:レコーディングのプロセスは楽しかったけれど、レコーディングは何回かに分けて行わなくてはいけなかった。例えばアダムが来て1週間ドラムをレコーディングした後、俺がリズム・ギターを1週間かけて録って、それからギター・ソロにまた1週間費やして、ジョセフが来た後は彼のヴォーカル・パートを入れて…という具合さ。その間隔もそれぞれ空いていて、時には1ヵ月ぐらい間が空いたこともあったんだ。というのも、レコーディングを担当していたひとりが優先順位をきちんと整理していなくて(苦笑)、中途半端なミックスにしか仕上げられなかったから、俺達はそいつを解雇しなくてはいけなくなり、元のトラックに戻すのにも時間が掛かってしまったんだ。それでHATEBREEDと仕事をしたことのあるクリス“Zeus”ハリスに助けてもらった。結果的には、この一件がCENTURY MEDIA RECORDSとの契約にも一役買っているとは思うけどね。このアルバムのプロダクションは、悪夢になりかけたんだよ(笑)。
──『NOCTURNES AND REQUIEMS』というアルバムタイトルは、亡くなったアダムを意識して?
ジェイク・ドライヤー:2015年1月、アルバムのトラッキングはほとんど終わっていた時期で、アルバムのタイトルの候補をチェックしていた時、アダムが『NOCTURNES AND REQUIEMS』というタイトルを思い付いたんだ。それがアダムのための鎮魂曲になってしまったのは皮肉なことだよ。
ジョセフ・マイケル:アルバム制作も全て終わり、シングルのリリース日も決まっていたけれど、彼はその数日前に亡くなってしまったんだ。
──アダムの後任には、スティーブ・ボロネズが加入となりましたね。
ジェイク・ドライヤー:実は、オーディションをたくさんしてドラマーを見付けるまでには時間が掛かった。でもスティーヴとのことも考えると人生は本当に奇妙だと思う。アダムはINTO ETERNITYにいて、彼がINTO ETERNITYを辞めた後に入ったドラマーがスティーヴだったんだ。そしてウィザーフォールでもアダムが亡くなって、スティーヴがアダムの後任として加入することになった。彼はデビュー・ライブとなった<70000TONS OF METAL 2018>で素晴らしいパフォーマンスをしてくれたよ。もちろんアダムの家族やアダムの兄弟達にもとても歓迎されているんだ。クルーズには彼らも来ていて一緒に過ごしたな。とにかく、スティーブは素晴らしいドラマーだよ。それはベーシストのアンソニー・クロフォードにも言えることだ。ウィザーフォールは俺達が大好きなことであり、情熱を注いでいることだから。
──二人目のギタリストとしてフィリ・ビビアーノが加入しましたね。
ジェイク・ドライヤー:俺達が『NOCTURNES AND REQUIEMS』でレコーディングしたギター・パートはあまりにもたくさんあるから、ライブでそれを再現する為にフィリに加入してもらった。ライブでシークエンサーとかを使用するのは嫌だったし、クールな方法で再現したかったから。もともと俺は昔からツイン・ギター・バンドが大好きなんだ。ジェイソン・ベッカーとマーティー・フリードマンが在籍していたカコフォニーがそうだったし、ポール・ギルバートがいたレーサーXもそうだ。ヴィジュアル面も本当にクールだといつも思っていたんだよ。フィリは21歳でこのバンドのメンバーの中では一番若いけど、これから素晴らしいキャリアを築いていくよ。21歳とは思えない素晴らしいプレイをするからね。
ジェイク・ドライヤー:とにかくこれが正式なラインナップだ。逮捕されたり亡くなったりする奴が出ない限り、これがパーマネントなファイナル・ラインナップになるよ。
──世界最大級のメタル・クルーズである<70000TONS OF METAL 2018>は出演してみていかがでしたか?
2人:最高だったよ。
ジェイク・ドライヤー:俺達のデビュー・ショーだったからね…間違いなく良いものにするために、そしてアルバムと同じように素晴らしいパフォーマンスができるように準備したから、最初のショーとしてはこれ以上は望めないほどのものになった。ショーの後の出来事も驚くほど感動的だった。アダムを追悼する時間が持てたことはとても大きな意味を持っていたけど、感情的には色々な意味で難しくもあったな。
──今後の予定は?次のアルバムの曲作りはもう始まっているのですね?
ジョセフ・マイケル:ほとんど書き終えているよ。
──2018年中にリリースする予定だとか?
ジェイク・ドライヤー:うん、それが今のところのプランだ。今年の俺達のスケジュールはかなり忙しいものになっているよ。日夜を問わずにレコーディングにむけて作業して完成させて、レーベルに渡すつもり。年末までにリリースできるようにね。
取材・文:別府“veppy”伸朗

編集:BARKS編集部

ウィザーフォール『ノクターンズ・アン
ド・レクイエムス』

3月7日 発売

※日本盤限定ボーナストラック収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付き

1.ポートレイト

2.ホワット・ウィ・アー・ダイイング・フォー

3.アクト II

4.サクリファイス

5.ザ・グレイト・アウェイクニング

6.エンド・オブ・タイム

7.フィナーレ

8.ノーバディー・スリープス・ヒア…

《日本盤限定ボーナストラック》

9.ザ・ロング・ウォーク・ホーム(ディセンバー)
【メンバー】

ジョセフ・マイケル(ヴォーカル)

アダム・サガン(ドラムス)

ジェイク・ドレイヤー(ギター)

アンソニー・クロフォード(ベース)

アーティスト

BARKS

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