【ライブレポート】J☆Dee’Z、全員
JKの日々から次の一歩へ「素敵な大人
になれるように」

全員が高校生としては最後のライブ。3月9日にJ☆Dee'Zのワンマンライブ<Feeeeel!!! 2018>が渋谷WWW Xにて開催された。
場内は超満員。歓声が飛び交う中、パステルカラーのファージャケットを着たJ☆Dee'Zが登場し、ライブは3人がこの日に賭ける気迫が伝わってくる「Melody」で幕を開けた。続く「だいすき」でハンドクラップで一緒に歌い、盛り上がるオーディエンス。生バンドの演奏をバックに歌い、踊る中で鍛えられてきたJ☆Dee’Zのライブ力。ami、MOMOKA、Nono各自のアカペラから始まるナンバーなどショーアップされたステージングに惹きつけられる。1stミニアルバム『あと一歩』に収録されている「Crazy For You」はトロンボーン、サックスの管楽器が活かされたシャッフルナンバーで赤く染まった照明の中、ダンスソロも盛りこまれ、悩殺される観客続出。J☆Dee'Zのライブといえば全力の青春感爆発のイメージだが、大人の領域に足を踏み入れたセクシーな一面も実に新鮮だ。
MCでは声を揃えて「J☆Dee'Zです!」と挨拶したあとに1人1人が今の心境を伝えた。
「今日はみなさんと最高のライブを作る気しかしてないので熱く盛り上がって行きましょう!」(ami)
「今日はラッキーカラーが赤なので、赤のネイルをしてきました! 頑張りたいと思います」(MOMOKA)
「私たちが登場した時から熱量が伝わってきて震えました。今日は全員が高校生のラストライブ! MOMOKAはラストJKのライブ! 今しか感じられないものをみなさんと感じていきたいと思ってこのタイトルにしました」(Nono)
ステージが高いので、みんなの顔がよく見えるとamiがフロアーを見渡し、ちょっとかわいい曲を用意してきたと披露したのは甘酸っぱいポップチューン「横浜ラブストーリー」。とけちゃいそうにスイートなラブソング「Chocolate」のエンディングではセンターで3人でハートマークを作ってみせた。
すでに場内は温度上昇中。会場に入りきれない人たちがいるため、amiがみんなに前に一歩詰めるように呼びかけるほどだ。「私たちが挑戦するキッカケになった曲を今から聴いていただきたいと思います」と告げ、N.Y.での武者修行で路上や地下鉄で彼女たちが数え切れないほどパフォーマンスしてきたナンバー「Answer」はおなじみのボディパーカッションを交えての披露。迫力の歌とダンスの直後にいつものJ☆Dee'Zよりも低めのキーで歌われた「ORIGINAL」もオトナなムードが漂い、ORESKABANDがプロデュースを手がけた新作の2曲は彼女たちのライブの刺激的なスパイスとして役割を果たしていた。
中盤はソロコーナー。トップバッターのamiが不安な気持ちを抱えて新幹線で上京した頃の春の思い出を振り返り、槇原敬之の「遠く遠く」をカバー。MOMOKAは鮮烈な歌詞で同世代女子に支持されているシンガーソングライター、あいみょんの「君はロックを聴かない」を力強いボーカルでカバーし、Nonoはコレサワの代表曲「たばこ」をアコギをバックに切々と歌った。
MCで口を開いたのは「個人的なことですけど、明日3月10日が高校の卒業式です」と伝えたMOMOKA。場内は温かい拍手に包まれた。
「昨日、登校日だったんですけど“卒業式が終わったらここに戻ってこないんだ”、“また明日ねって言えないんだ”って思ったら、すごく悲しい気持ちになっちゃったんです。でも、そんな時にミニアルバムに入っている『三月』を聴いていたら、すごく前向きな気持ちになれたというか“もっと頑張ろう”って。曲の中に“一緒に 素敵な大人になろうね”っていう歌詞があるんですけど、学校の友達やメンバー、Jewelerさん(ファンの呼び名)もそうなんですよ。私たちは一緒に時を過ごしている仲間でもあるし、これから先も一緒に大人になっていくと思うんです。卒業する人だけじゃなく、みんなが共感できる歌詞だと思うので、そんな気持ちを込めて次の曲を歌いたいと思います」──MOMOKA
リアルな気持ちを話して歌い始めたのは『あと一歩』に収録されている卒業ソングであり、J☆Dee'Zには珍しいスタンダードなバラード「三月」だった。MOMOKAが歌い始め、1人ずつステージに出て歌い始める演出の中、フロアーにはピンク色のペンライトが揺れ、まるでMOMOKAの卒業を祝福する桜の花びらのよう。インタビュー時に泣いてしまうかもしれないと話していたMOMOKAは感動の表情を浮かべつつ、最後まで涙を見せず歌いきった。同じく新作の中から遊助の「全部好き。」のカバーも披露され、ライブはアッという間に盛り上げ曲が続く後半戦に突入。
オイコールの中、「Dream Arch」では笑顔がこぼれ、「Let the music flow」ではみんながタオルを振り回す光景が壮観。バンドのメンバーも紹介され、ダンスナンバー「Dance Dance Solution」は新しい曲とは思えないほど盛り上がりまくり。振りもキュートで華やかな光景が繰り広げられた。「この会場、全員で踊っちゃいましょう! お待ちかねのあの1曲」と色とりどりの照明の中、「カラフルジャンプ」が披露され、J☆Dee'Zとみんなのパーティタイムも終盤戦。興奮気味の3人から言葉が溢れた。
「ステージが楽しいっていうことを改めて感じました。しかも今日はリラックスしてみんなで楽しもう!っていうのを一番に思っていたから、始まる前、あまり緊張しなかったんですよ。この瞬間、みなさんといられることもとても幸せだと思うし、みんなと一緒に素敵な大人になれるように。今日は本当にありがとうございました」(MOMOKA)
「もう、ずーっとここに住みたい(笑)。今、身体の中に“ありがとう”って言葉がいっぱい詰まってます。前から武道館に立ちたいって言ってたけどホントに立ちたいなって。あと、J☆Dee'Zのことを信じたいなって気持ちがすごく強くなったのね。メンバーもそうだし、ファンのみなさん、スタッフさんのおかげだと思ってるの。だから私はこれからもみなさんに恩返しができるように歌を届けたいなと思います」(Nono)
「8年って数字にしたら長いけど、すごく早かったと思っていて……。デビューの前日、みんなで集まって話をしていて時計を見たら23時ぐらいで“あと1時間したらデビューしちゃうんだ”って。“何かが変わるんだ!”と思うとみんなと離れたくなくなっちゃって駅のホームで円陣組んで泣いてたの」(ami)
あと一歩の積み重ねでここまで来たと振り返り、同じようにもどかしい気持ちになっている人がいたら背中を押したいと伝え、本編ラストナンバーはJ☆Dee'Zからのメッセージが詰まった「あと一歩」で締められた。
全員がTシャツに着替え、爽やかな表情で登場したアンコールでは「MORNING HOPE」を披露し、「ひとひらの涙」は大合唱に。「楽しすぎて」と感無量なメンバーにスタッフから一通の手紙が渡され、開封すると8月に東名阪ツアーが開催されるというサプライズなニュースが飛び出した。ずっと念願だったツアーに跳び上がって喜ぶ3人にファンも惜しみない拍手と歓声を送り、ラストナンバーは記念すべきメジャーデビューシングルに収録されているあきらめない気持ちを歌った「DISCO WINNER」。“一歩だけなら前進可能”と歌うこの曲で締められたのにもドラマが感じられた。未来のJ☆Dee'Zはきっともっと輝いている。
取材・文◎山本弘子
セットリスト<Feeeeel!!! 2018>


2018年3月9日 渋谷WWW X

1.Melody

2.だいすき

3.Fun Time Funk!!!

4.Crazy For You

5.横浜ラブストーリー

6.Chocolate

7.Answer

8.ORIGINAL

9.遠く遠く(amiソロ/槇原敬之 カバー)

10.君はロックを聴かない(MOMOKAソロ/あいみょん カバー)

11.たばこ(Nonoソロ/コレサワ カバー)

12.三月

13.全部好き。

14.Dream Arch

15.Let the music flow

16.Dance Dance Solution

17.カラフルジャンプ

18.あと一歩

EN1.MORNING HOPE

EN2.ひとひらの涙

EN3.DISCO WINNER

<J☆Dee'Z東名阪ツアー>


2018年8月19日(日)名古屋RAD HALL

2018年8月26日(日)大阪muse

2018年8月29日(水)SHIBUYA CLUB QUATTRO

J☆Dee’Z 1stミニアルバム『あと一歩

2018年3月7日(水)発売

通常盤(CD)1,800円 

初回生産限定盤(CD+DVD)2,500円

<CD>

M1.あと一歩

M2.Crazy For You

M3.ORIGINAL

M4.全部好き。

M5.Dance Dance Solution

M6.三月
<DVD>※初回生産限定盤のみ収録

J☆Dee’Z LIVE 2017 -Colorful J☆Dee’Z-

@渋谷duo MUSIC EXCHANGE

01.Fun Time Funk!!!

02.Dream Arch

03.Let the music flow

04.伝えたいこと、ちゃんと伝えなくちゃ

05.Secret Summer

06.Feel Good

07.Answer

08.カラフルジャンプ

09.だいすき

10.Melody

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