石橋陽彩(左)と松雪泰子

石橋陽彩(左)と松雪泰子

【インタビュー】『リメンバー・ミー
』 石橋陽彩「家族より大切なものは
ないということが改めて分かりました
」 松雪泰子「細部まで綿密に計算さ
れた映像なので、楽しんで演じました

 先日、授賞式が行われたアカデミー賞で長編アニメーション賞と主題歌賞を受賞した話題作『リメンバー・ミー』が3月16日(金)から全国で公開される。本作は、メキシコのお祭り“死者の日”をモチーフに、ミュージシャンを夢見る少年ミゲルが、ひょんなことから迷い込んだ死者の国で繰り広げる冒険を通じて、家族の絆を描いた物語。日本版で主人公ミゲルの声を演じた石橋陽彩、ミゲルのひいひいおばあちゃんイメルダの声を演じた松雪泰子に映画の見どころ、アフレコの舞台裏などを聞いた。
-映画を見た感想をお聞かせください。
石橋 家族のことを描いた映画なので、ご先祖様を大切にしようと思いました。ひいひいおじいちゃんやひいひいおばあちゃんのことを思って、もう1回見たくなりました。
松雪 私もこうやって家族や血縁に守られてきたんだなと改めて感じました。家族の愛はやっぱり永遠です。母親としては、子どもには夢を持ってほしいと思いました。家族のおきてに背いても自分の信念を曲げずに夢をつかむことはすてきだと思う一方で、家族として守っていかなければならないものの大きさも同時に感じました。とてもよくできた、素晴らしい物語です。
-最も印象に残った場面は?
石橋 最後の方にミゲルとイメルダの重要なシーンがあるんです。そこは、家族の愛がまた一段と強くなり、家族より大切なものはないということが改めて分かるとても感動的なシーンなので、一番好きです。僕もおじいちゃんやおばあちゃんのことを思い出しました。
松雪 子孫が祭壇に写真を飾らないと、死者が2度目の死を迎えて消えてしまうという設定がすごいですよね。誰からも忘れられると存在したことすら消えてしまう…。自分もいつかそうなるときが来るのかなと、切なくなりました。日本にも先祖にお参りする風習がありますが、大事なことだと改めて感じました。
-お二人の声がとても素晴らしく、映画に引き込まれました。石橋くんは声優初挑戦だそうですが、演じてみた感想はいかがですか。
石橋 こんな大役を演じさせていただいて、本当に光栄です。最初は不安と緊張しかありませんでしたが、やっていくうちにミゲルの気持ちに近づけて演じられるようになりました。
-松雪さんはいかがでしょうか。
松雪 威厳があって力強い声で演じてほしいと言われたので、どのポジションの音を使っていくかということを、ディレクターと話しながら決めていきました。声の音圧やボリュームはもちろん、抑揚も含めた表現の中から威厳を出さなくてはいけないので、そのあたりを細かくコントロールしながらやっていきました。
-イメルダは死者の国の住人でガイコツという役ですが、普段のお芝居でガイコツを演じる機会はありませんよね。
松雪 そうですね(笑)。ただ、ガイコツとはいっても表情は豊かですし、心情がしっかり分かるように、映像が細部まで綿密に計算されています。そういう意味では、映像からも心情は読み取れるので、楽しんで演じました。
-劇中で披露されたお二人の歌も素晴らしかったです。歌う上でどんなことに気を付けましたか。
石橋 声変わりの時期だったので、最初は「大人っぽい」と言われたんです。だから、小学5年生ぐらいのときを思い出して、声を高くして歌うようにしましたが、難しかったです。そのため、日々の生活でも高い声でしゃべって、加湿器を使ったりマスクを着けて寝たりして、高音をキープするようにしました。
松雪 直前まで舞台でも歌っていたので、発声練習は日々やっていましたが、慎重に喉を使いながら、マスクをして吸入もするなど毎日、体も含めてケアをしていました。喉は楽器のようなものですから、音の“鳴り”が本番でベストな状態になるように。曲自体もメキシコの音楽ということもあって、経験のない難しい曲だったので、きちんと歌えるかなと緊張しました。そのため、早めにレッスンを始めました。
-お互いの声を聴いた印象を教えてください。
石橋 イメルダはとても厳しい人というイメージがあったのですが、松雪さんの声を聴いたら「こんなに優しい声なんだ」と思いました。すごく優しいひいひいおばあちゃんだったので、僕も会ったことのないひいひいおばあちゃんに会ってみたくなりました。
松雪 素晴らしいですよね。なんてピュアな声だろうと。歌声もそうですけど、心がクリアになるような透き通る声に癒やされました。
-ミゲルはミュージシャンになるという夢を持っていますが、お二人の10年後の夢は?
石橋 すごく大きな夢ですが、歌手として、アリーナツアーのように大きな会場でライブをやれるようになりたいです。今はまだまだなので、実現できるように頑張ります。
松雪 じゃあ私は、そのツアーを見に行く(笑)。私は演じることが好きなので、10年後も演じ続けていると思います。ものを作ることも好きなので、映像作品を作るなど、自分から発信していくようなこともやっていきたい。個人的には、子育てが落ち着いている頃だと思うので、子育て中にできなかったことをたくさんしたいです。世界中を旅したり…。映画の中でもすてきだったので、メキシコにも行ってみたいです。

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