ノーム・ルイスが日本初コンサートの
セットリストを公開 『レ・ミゼラブ
ル』より「星よ」、『オペラ座の怪人
』より「ミュージック・オブ・ザ・ナ
イト」ほか

2018年4月20日(金)、21日(土)によみうり大手町ホールにて開催される、ミュージカル界のトップスター、ノーム・ルイスによる日本初ソロコンサートのセットリストの一部が発表となった。
ノーム・ルイスは、1963年アメリカ・フロリダ州イートンヴィル生まれの54歳。豊かでハリのある麗しのバリトンボイスは、生で聴いたら虜になること間違いなし。その上、高身長で鍛えられた身体、フレンドリーな人柄と人懐こい笑顔が魅力を倍増させ、観る者の心を捉えて離さない。NYで実績を積み、ミュージカル、コンサートをはじめ、映画やドラマなどでも引く手あまたの売れっ子俳優だ。
ソロとしては初めてとなる今回の来日コンサートでは、ノーム・ルイスの出演作品からも多くの楽曲が披露される予定となっており、『レ・ミゼラブル 25周年記念コンサート』でも圧巻の歌声で注目を集めた『レ・ミゼラブル』より「星よ」、トニー賞ミュージカル主演男優賞にノミネートされた出演作品『ポーギーとベス』より「アイ・ガット・プレンティ・オブ・ナッシング」、ブロードウェイ史上初、黒人ファントムとして話題を呼んだ『オペラ座の怪人』より「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」、ブロードウェイにて上演中のミュージカル『アイランド』より「ウェイティング・フォー・ライフ」と、まさに本場の歌声を500席の濃密な空間で堪能することができる、最高に贅沢なコンサート。
予定曲目
「星よ」 (『レ・ミゼラブル』より)
「アイ・ガット・プレンティ・オブ・ナッシング」 (『ポーギーとベスより』)
「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」 (『オペラ座の怪人』より )
「ウェイティング・フォー・ライフ」 (『アイランド』より )  ほか
ノーム・ルイスとは
1993年に『トミー』でブロードウェイデビュー。『ミス・サイゴン』ジョン役、『シカゴ』ビリー・フリン役、『サイド・ショウ』ジェイク役など、ブロードウェイで経験を積み、2006年には『レ・ミゼラブル』のジャベール警部役として、ブロードウェイとロンドン両方のプロダクションに出演。ロンドンの巨大なO2アリーナで開催された『レ・ミゼラブル 25周年記念コンサート』でも同役を務め、世界中で話題となった(この模様はDVDになっているのでオススメ)。ジャベールと言えば、ジャン・バルジャンを追う警部でいわば敵役。一般的にはひたすら冷徹な印象が強いが、ルイスが演じるとどこか柔らかく人間味があふれるのが興味深い。
『リトル・マーメイド』(2008)の初演では、オリジナルキャストとしてトリトン王を演じ、ガーシュインの『ポーギーとベス』(2012)ではついにトニー賞主演男優賞にノミネートされ、その実力を知らしめた。
そして、2014年5月、ルイスの名は一躍、世にとどろくこととなる。『オペラ座の怪人』ブロードウェイ公演は1988年に開幕し、今でもブロードウェイのロングラン最長記録を更新中の人気大作。そこでルイスは主役の怪人役に抜擢され、ブロードウェイで初のアフリカ系アメリカ人による怪人という快挙を成し遂げたのだ。
アメリカのショービズ界では人種問題が長いこと物議を醸してきた。ブロードウェイも同様で、役の人物に合う人種でないとキャスティングすらされず、非白人、特に黒人キャストは出られる作品がかなり限られてしまう。2009年にウーピー・ゴールドバーグが『天使にラブ・ソングを…』をミュージカル化した際、唯一出した条件が“主役のデロリスは黒人女性が演じる”。黒人が主演できるミュージカルがとても少ないのがその理由だ。
昨今、アメリカ国内の人種の人口比率が変動していることも追い風になり、ここ数年、ブロードウェイの意識は大きく変わってきた。ルイスの活躍と人気は、その象徴とも言えるだろう。
「『オペラ座の怪人』は念願の作品だったから、アンサンブルでもよかった。しかし僕が初の黒人による怪人役となったことで、あらゆる色の人々に門戸を開いたと実感しているよ。楽屋口でアジア人、ヒスパニック系、インド人らが僕のところに来て、『あなたは僕に怪人ができるという希望を与えてくれた』と言ってくれる」とルイスは語る。
もちろん、彼のパフォーマンスを観ていると、人種云々にこだわること自体がバカバカしくなるし、この実力の持ち主だからこそ人種問題を越えられたのだとも納得できる。それくらいルイスは悠然とした大きな器で私たちをあたたかく包み、異次元へと連れて行ってくれる。そんな彼の歌声と人柄に触れるひと時が日本で味わえるとは、贅沢の極み!見逃すわけにはいかない。

文=三浦真紀

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