SHINee 左からミンホ、オンユ、テミン、キー

SHINee 左からミンホ、オンユ、テミン、キー

【SHINee】「絶対に戻ります」――“
5人”で臨んだ初ベストライブを徹底
レポート

SHINeeが4年連続となるドーム公演を開催。ウレぴあ総研では、ツアーファイナルの2月27日東京ドーム公演をレポートでお届け。

SHINee 左からミンホ、オンユ、テミン、キーSHINeeにとって4年連続となるドーム公演『SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~』が2月17、18日に京セラドーム大阪、26、27日に東京ドームにて開催された。
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今回の公演は昨年の12月15日に、“日本活動の集大成となるベストライブ!”という形で発表され、初のベストライブということで注目を集めた。だが、そのわずか3日後の18日、ジョンヒョンがこの世を去った――その時は、そのわずか2ヵ月後にステージの上に立つSHINeeの姿はとても想像できなかった。しかし、言い尽くせない程のたくさんの想いを持って、SHINeeはこの日、ドームのステージへと上がった。ここでは可能な限りフラットに、東京ドーム最終日の模様を伝えたいと思う。
巨大なメインステージに配されたビジョンに静かな海に浮かぶ月の映像が現れる。そこから宇宙空間へと移動し、再び昇る太陽に照らされてオレンジ色に染まった海へ――そのオレンジ色の後ろから、『Colors of the season』を歌うメンバーの歌声だけがドームに響く。そして、そのままワンコーラスを歌いきるとビジョンが上がり、現れたメンバーの姿をスポットライトが照らした。メロディアスなナンバーを切々と歌うメンバーの歌声が、ドームの隅々まで埋め尽くした5万人の観客の心へと染み渡って行く。ゆっくりと、でも確実に前へ向かって行くような幕開けだ。
輝くSHINee
SHINee曲が終わるとともにステージが暗転。するとSHINeeの名曲の印象的なフレーズの数々が、当時のビジュアルとともに走馬灯のように流れる。“THE BEST”とタイトルにも掲げているように、今回のライブが2008年5月のSHINeeの始まりからこれまでの歩みを総括した“ベスト”なものだということを表意する。そして『Stranger』のビート音とともに再びステージにメンバーが登場。
アリーナの中央をメインステージから客席後方まで移動する巨大ムービングステージの上に立ち、キレのあるダンスを見せる。続く『Everybody』では、イントロから5人の名前をコールする観客の声が響き、メンバーと5万人が一つになったパフォーマンスが繰り広げられる。このSHINee+5万人の、というか、観客もメンバーであるかのような一体感は、この日、この後も何度も起こった。
真っ赤な布と絡まり合いながらのダンスを披露した『Evil』では、妖艶な魅力を迸らせ、甘くも切ない感性的な歌詞が印象深い『JULIETTE』では、客席後方に左右に伸びた花道にメンバーが散らばり、より多くの観客にその歌を届けようとする――1曲1曲に多くの想いが込められ、今の全力を尽くしてベストライブを完成させようとしていることが伝わってくる。
「こんばんは、輝くSHINeeです!」
アリーナ中央に移動したムービングステージの上にメンバーが並び、オンユの“せーの”の掛け声に合わせて挨拶する。続く一人ひとりの自己紹介では、観客がひときわ大きな声でメンバーの名前を呼ぶ。そしてオンユから久しぶりのステージで緊張していたことや、キーから期間は短かったが、一生懸命準備したことなどが明かされると、最後にキーが「次のステージは、SHINee5人の歌声を聴いてください」と伝える。
今、君はここにいるよね?
SHINee“今、君はここにいるよね?”――ジョンヒョンが手がけた多くの名曲のうちの一つ、『End of a day』を歌うジョンヒョンの歌声に乗せて、ビジョンに写真ともにメッセージが綴られて行く。そして“今日もあなたが大好きです”と結ばれると、ジョンヒョンの声から始まる『Love』を、その歌声と写真とともにSHINeeの 5人が歌う。念願だったSHINee初の東京ドーム公演のラストでも歌われた楽曲を、再び東京ドームで聴かせてくれた。
序盤のソロパートとサビのユニゾンとのコントラストで、SHINeeの5人の歌声を印象づける『君がいる世界』、過去の笑顔が弾けるコンサート映像とともに歌われた『Diamond Sky』と、聴くほどにSHINeeの固い絆を感じる。途中、ミンホがジョンヒョンの名前を叫んだときは、メンバーの目に涙が溢れる瞬間もあったが、最後まで5人の歌をしっかりと歌いきってくれた。
一旦、メンバーがステージから去ると、誰もいないステージから『Fire』『Ring Ding Dong』などのヒット曲が鳴り出し、それに合わせて照明が光る。確かに目の前には誰もいないステージがあるのだけど、なんだか笑顔で歌い踊るSHINeeの姿が鮮明に見えてくる気がする。そして、広いドームの天井にレーザー光線で“Are You Ready”の文字が浮かび上がると、そこからはギアをもう一段階上げ、1曲1曲ここですべての力が尽きてもいいかのような、全身全霊のパフォーマンスが続く。
観客の掛け声も合わせて、こんなに力強く熱い『Sherlock』を見たことはなかった。まさに“このままじゃ終われない終わらない”だ。ポップナンバーの『Love Like Oxygen』や『Hello』でさえパワフルさがあり、この瞬間を楽しい思い出にすることを、5人と5万人の“SHINee”が一つになって叶えようとしている。『Dazzling Girl』からはメンバーがトロッコや気球に乗ったり、ステージを走り回ったりしながら、観客のすぐ近くまで行き、“これぞSHINee!”とも言える楽しく明るいカラフルなナンバーを畳み掛ける。「もっともっと盛り上げて行こう!」(テミン)という声に応えるように、曲を重ねるごとにメンバーにも観客にも笑顔が増えて行く。
ジョンヒョンとともに新曲を
FOREVER 5HINeeバンド&ダンサー紹介を経て、ライブもいよいよ佳境へ。『Hitchhiking』ではステージの前方と後方の2つに分かれたムービングステージに、それぞれオンユ&キー、ミンホ&テミンが立ち、中間点でステージごと交差するなどのダイナミックな演出と合わせ、スキルの高いダンスを披露。『Why So Serious?』では花火も上がり、曲のテンポはゆったりなのに、それに反して激しい振り付けが特徴の『君のせいで』では、後方の花道の各所でメンバーが個々の魅力を見せつけた。
そしてラストは『LUCIFER』。ムービングステージの上で目まぐるしくフォーメーションを変えながら踊るメンバーに、観客が大きな掛け声を合わせる。レーザー光線の光が激しく交差し、火柱がステージの各所で上がる中、ボルテージも最高潮に達し本編は終了。最後、19曲を全力でパフォーマンスしたメンバーが、互いに手を取り合い、「ありがとうございました!」と叫ぶと、その姿に観客も惜しみない拍手を送った。
観客たちによる息の合った“SHINee”のコールに応えたアンコールは、『Sing Your Song』から。バンドがそのイントロを奏でると、それに合わせて5万人が“Sing Sing Your Song~”と歌い出し、その歌声にメンバーが声を合わせるという展開。サビはもちろん会場一体となっての大合唱で、“5万人のメンバー”が大活躍する。続く『I'm with you』ではそのお返しであるかのように、ステージに立つメンバーが個々の歌声を丁寧に紡ぐ。
「次の曲は初めてお見せする新曲です。僕たちSHINee全員で歌った曲です」(テミン)
そう言うと、新たなSHINeeの一面を開拓するような大人っぽい雰囲気もあるダンサブルなナンバーを、ジョンヒョンの歌声とともに届ける。こんなプレゼントを用意してくれていたメンバーに、素直に感謝の気持ちが生まれた。そして、最後はSHINeeの始まりの曲である『Replay~君は僕のeverything~』。過去のライブの場面を切り取った映像とともに歌われ、曲の終盤には、観客の持つカードによって、客席にパールアクアグリーンの地に黄色の文字で“FOREVER 5HINee”というメッセージが作られた。このサプライズにオンユは「泣きそう」と感動を伝え、ミンホは「SHINee WORLD(ファン)もフォーエバー」とメッセージを送った。
そしてメンバーはここで一人ひとりこの日の想いを口にした。
「絶対に忘れないで」。メンバーの想い
「いつものように、今日も一緒にステージを作ってくれて、皆さんありがとうございます。僕たちと皆さんは同じことを感じて、(このライブを)共感できたと思います。これからも皆さんの幸せのために、僕たちは歌い、祈ります」(オンユ)
「今まで、僕たちと皆さんで作ってきた想い出がよみがえってきて本当に幸せでした。今日は、皆さんいろんな気持ちがたくさんあったと思いますが、悲しい思いも、楽しい思いも、絶対忘れない想い出にしてくれますか。これからはまた幕を開けて、もっと絆が固くなったSHINeeとして、そしてテミンとして歩んでいきます。見守ってください!」(テミン)
「僕は、いつでも皆さんの力になれる強さがあると思っていましたが、その強さが正解ではないと気づきました。これからは、皆さんにもっと頼りながら、より近い存在になれるようにがんばります。このステージだけではなく、これからのステージも、いつでも5人で立ってるという気持ちで臨みます。そして、皆さん、一つだけ約束してほしいです。永遠に、永遠に、ジョンヒョンさんを忘れないでほしいです。どんな言葉でも表現できないけど、大切で大好きだったと言ってあげたいです。いつも、皆さんが僕の希望です。この希望が消えないように、僕は努力をしていきます!」(ミンホ)
「今日ベストライブとして、デビューから10年間の思い出を、皆さんと一緒に歌いながら踊りながら思い出すことができたと思いますし、これからも活動していくSHINeeの姿も想像できたと思います。一緒に歌ってくれて踊ってくれて本当にありがとうございます。このライブのタイトル、『FROM NOW ON』の意味と同じく、これからもがんばりたいですし見守ってくれたらうれしいです。あと、今日のライブでジョンヒョンくんと一緒に歌うことができてすごくうれしかったです。皆さん、SHINeeは永遠に5人なので、ジョンくんを絶対に忘れないでください」(キー)
そして締めくくりにオンユが「絶対に戻ります」と誓い、「以上、輝くSHINeeでした!」と挨拶すると、ファンからの特大の“SHINee”コールに送られてステージを後にした。
そして5人&セットリスト
だが観客の想いはここで留まらず、『Replay~君は僕のeverything~』を歌い、“SHINee”コール繰り返しながらメンバーを待つ。すると会場の明かりが消え、ステージ置かれた5本のスタンドマイクにスポットライトが当たった。
センターに真紅のバラが差されたマイクを残し、左右に真っ白なスーツに胸に同じ赤いバラを差したメンバーが並ぶ。ピアノのシンプルな音色に合わせ、テミン、そしてジョンヒョンの歌声が響く。サビをオンユが歌い、2コーラス目はミンホ、キーと続き、サビは5人のユニゾンで……SHINee5人の歌声による新曲『From Now On』だった。涙を流しながらも最後まで歌いきったメンバーは、胸に差していたバラを、ジョンヒョンのマイクと同じようにスタンドに差した。そして観客からの大きな拍手が鳴る中、ステージを去って行き、この日のライブは静かに幕を閉じた。
今回のライブは参加しなかった、できなかった人も含めて、個々にいろんな想いを抱えていることだろう。そのどんな想いも一つの物差しでは測れないと思う。だから最後にどんなライブだった、と締めくくることができないのだが、ただSHINeeが続く限り、5人のSHINeeの思い出がこの先も重ねられて行くんだろうと、そう思うことが出来たとは言える。今、確信できるのはそれだけだけど、それさえあれば、「絶対に戻ります」と言ったオンユの言葉を、信じるには十分な気がしている。
「SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~」セットリスト
2月27日@東京ドーム
1. Colors of the season
2. Stranger
3. Everybody
4. Evil
5. JULIETTE
6. Love
7. 君がいる世界
8. Diamond Sky
9. Sherlock
10. Love Like Oxygen
11. Hello
12. TO YOUR HEART
13. Dazzling Girl
14. LUCKY STAR
15. Downtown Baby
16. Hitchhiking
17. Why So Serious?
18. 君のせいで
19. LUCIFER
<アンコール>
20. Sing Your Song
21. I'm with you
22. Every Time
23. Replay~君は僕のEverything~
<ダブルアンコール>
24. From Now On

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