【coldrain ライヴレポート】
『FATELESS JAPAN TOUR 2017』
2018年2月6日 at 日本武道館
「FIRE IN THE SKY」に入ると数本の火柱が上がり、またステージ背面の巨大5面スクリーンにはメンバーのプレイ姿を捉え、映画さらながのド迫力ぶりだ。‟正当化できる戦争はない”と前置きすると、次は「LOST IN FAITH」へ。慈愛と憤怒のふたつの感情をヘヴィかつメロディアスな曲調に乗せ、鋭いメッセージ性とともに解き放つ。‟一年前に(武道館公演を)発表してから、毎日想像してた。1曲目から想像を超えてて、やばいですね”とMasatoは興奮気味に語りかけ、「NO ESCAPE」で武道館の温度は急上昇! それに追い討ちをかけるように「TO BE ALIVE」「SIX FEET UNDER」とヘヴィに攻めまくる。
中盤に突入すると「STAY」「UNINVITED」「RUNAWAY」の3曲でストリングス隊をゲストに迎え、ラウドとシンフォニックの融合による壮大な音絵巻を見せつける。これがまたcoldrainの屈強な音像に予想以上にマッチしていた。バンドは結成10年を迎え、いつか追い越そうと思っていた人たちが亡くなったと告白。チェスター・ベニントン(Vo/LINKIN PARK)、K(Vo/Pay money To my Pain)に1曲捧げると言うと、アコースティック形式で「Confession」を披露。後半、張り上げるように歌い上げるMasatoのヴォーカルに胸を激しく突かれた。
そして11年目に入る今年は全国を駆け巡るロング・ツアーをやること、また、地元・名古屋でフェスをやりたいと夢を語り、‟ここをライヴハウスにする、地獄の後半戦!”と高らかに宣言すると「FICTION」を皮切りに猛攻撃を仕掛ける。こちらの息の根を止めにかかる熱演に、6ブロックに区切られたアリーナすべてのエリアでサークル・モッシュが勃発。本編ラストは初期の名曲「FINAL DESTINATION」〜「A DECADE IN THE RAIN」に繋ぎ、ウォーウォーの合唱に促し、武道館をひとつに束ねる感動的な景色を作り上げた。アンコール3曲を含む全28曲、2時間半に及ぶ長尺ライヴをやり遂げた彼ら。日本を代表するラウド・ロック・バンドが日本武道館を制覇した。間違いなく歴史的な夜だったと言っても過言ではない。ただし、彼らはさらなる高みを目指し、ラウド・シーンを牽引してくれるに違いない。そう確信できる度肝を抜くステージングだった。
撮影:Julen Esteban-Pretel、ヤマダマサヒロ
取材:荒金良介