【インタビュー】知念侑李「この人の
おかげで今の僕がいる」人生を変えた
運命的な出会い

映画単独初主演となる『坂道のアポロン』は、これまで誰も見たことがない“知念侑李”に出会える作品だ。彼は今作でピアノを一からマスターし、ドラム担当の中川大志と圧巻のジャズセッションシーンを演じているのだがその表情、その気迫に震えてしまう人も多いはず。ちなみに撮影前、三木孝浩監督からは「俳優としても男としてもひと皮むけてほしい」言われたとのこと。その言葉通りひと皮もふた皮も向けた俳優・知念侑李の真価を見た気がする。
■「薫にとってのピアノが僕にとってはダンス」譲れない熱い想いが重なる瞬間
――今作は知念さん演じる転校生・薫と、中川大志さん演じる不良のクラスメイト・千太郎の友情が大きな軸になっています。中川さんとは二度目の共演となりますが印象は?
知念 大志とは元々仲が良くて、今回の撮影でも僕はよくいじられていました(笑)。でも彼はすごくしっかりしていてまだ10代だけど、頼りになるし周りの人とコミュニケーションを取りながら仕事と向き合っていてすごいなと。僕が18歳の頃はそんなことできなかったですもん。
――知念さんも10代からHey! Say! JUMPのメンバーとしてお仕事をされてきたじゃないですか。
知念 いや、グループにいるときは僕、基本的にかわいがられているだけですから。メンバーはみんな、僕のことを甘やかしてくれるんですよ(笑)。でも、大志は自分のやりたいことが明確で行動力もある。撮影以外でも「ちーちゃん、ご飯食べに行こう!」ってよく誘ってくれたので、僕はそれに着いて行くだけって感じでしたね。
――まさに薫と千太郎の関係と一緒(笑)。でも、千太郎に振り回される薫はとてもかわいかったです。
知念 千太郎に嫉妬したり、挑発に乗ってムキになったりとかね。ああいう熱くなるところは自分にはない部分なので僕もいいなと思いました。
――知念さんはあまりムキにならない?
知念 ならないですねぇ。僕はさっきも言ったように与えられてしまうことが多かったせいか、面倒くさがりなんです。欲とかも薄くて、例えば番組とかで興味のあるものとか好きなものを聞かれても一個も出てこない。周りがそんな僕を掘り下げてようとしてくれるんだけど、ホントに何も出てこなくて…。これ、ヤバいでしょ?(笑)。
――でも、劇中で見せたピアノ演奏は圧巻でした。今作のために一から練習したそうですが相当、熱くならないと、あそこまではできないかと。
知念 撮影前に三木監督からは「俳優としても男としても、ひと皮向けて欲しい」って言われたんです。で、ピアノに関してもただ弾くんじゃなくて、表情やリズムを刻む体の動きを全身で表現することが大事だと。それを聞いて薫にとってのピアノが僕にとってはダンスなのかなと思ったんですよ。僕が唯一自信を持てるのはダンスでそれ以外は何もない。そこはピアノだけは譲れないと思っている薫の想いと重なるのかなと。

■あの番組との出会いが始まり!運命を左右したジャニーズメンバーとは?
――最大の見せ場、ドラムの千太郎と即興でセッションするシーンではそんな薫の気迫や凄みを感じました。
知念 あそこは、監督から浅田真央さんがオリンピックでやり切った時のような顔というか。本当に心から達成した人にしか味わえない、見せられない表情が欲しいって言われまして…。
――究極の例えですね(笑)。できたと思います?
知念 自分ではわからないけど、メンバーの中島(裕翔)が試写を観て「あの表情は本気でピアノに取り組まないと出てこない。芝居ではできない顔」って言ってくれたんです。監督が言っていたのはこの顔のことなのかなって、中島の言葉で初めて思いました。
――そのセッションシーンについて中川さんは「演奏中に知念くんと目が合うとキュンキュンした」と言っていましたけど、知念さんはどうでした?
知念 僕もキュンキュンしました(笑)。その瞬間って周りに人がたくさんいても、本当にふたりだけの空気感が生まれるんです。しかも目が合う度、気持ちがどんどん乗っていく。セッションやジャズの魅力ってこれなのかなって感じましたね。
――ちなみに知念さんが普段、乗れる曲ってあります?
知念 ZARDさんの「My Baby Grand〜ぬくもりが欲しくて〜」かな。メンバーの薮(宏太)とちょっと疲れた時とかに聴くんだけど「やっぱこの曲、いいよね〜」ってよく癒されていますよ。
――微笑ましいエピソード、ありがとうございます(笑)。では最後、今作は千太郎との出会いで変わっていく薫の成長物語でもありますが、知念さんの中で“運命を変えた存在”を挙げるなら?
知念 やっぱりジャニーズに入るきっかけになった嵐と大野(智)くん。ただ、もっと遡るとそもそもの始まりは『8時だJ』(テレビ朝日系)で、体操の田中光さんがバック転をジャニーズJr.に教えるコーナーがありまして。うちの家族が田中さん目当てに観ていたそのコーナーを僕もたまたま観ていて、櫻井(翔)くんや大野くんを知り、ジャニーズって素敵だなって思ったんですよ。
――では、田中さんが出ていなければ番組を観ていなかった?
知念 はい。しかもそこから十何年かして体操の世界大会のリポーターをやらせてもらったとき、田中さんにお会いできまして。“この人のおかげで今の僕がいる”って感じながら一緒にお仕事をできたのは感慨深かったですね。
文/若松正子
※Hey! Say! JUMPの「a」はセンチュリーゴシックが正式表記となります。

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