たこやきレインボーの勝負作 大塚
愛、藤井隆らが参加した豪華アルバム
『ダブルレインボー』で示す進化をメ
ンバーが語る

「スターダストの最終兵器」として2012年9月に活動をスタートして以来、なにわのアイドルシーンの最前線を爆進している、たこやきレインボー。大人も手を焼くくらい、元気はつらつな彼女たちだが、しかし2ndアルバム「ダブルレインボー」は雰囲気がちょっと違う。前山田健一が監修し、大塚 愛藤井隆MINMIら豪華アーティスト陣が楽曲を提供した今作は、5人の成長を実感できる1枚となっている。たとえば大塚 愛が作詞作曲したリードトラック「卒業ラブテイスティ」は、<たこ焼きのラブソング>という歌詞の表面だけをなぞるのではなく、様々な側面を読み取ることで意味合いが変わっていく恋愛ソング。この曲を、リアリティをもってきっちり表現したたこ虹は、アイドルとして、そして何より女性として間違いなくステップアップしている。そんな自分たちの進化について、メンバーの春名真依、根岸可蓮、清井咲希、彩木咲良、堀くるみに話を訊いた。
たこやきレインボー
——今回は豪華なクリエイター陣が揃いましたが、大塚愛さんが作詞作曲した「卒業ラブテイスティ」は本当に聴きごたえがありました。
清井:たこやきレインボーらしさを残しつつ、私たちの成長も感じてもらえる一曲です。一見、たこ焼きとそれを作る人のお話に思えますが、さまざまな状況に置き換えて聴くことができるんです。卒業という言葉も寂しい印象を与えますが、そうではなく、現在の自分から新しい一歩を踏み出す感じになっています。
彩木:私は小学6年生のとき、初めての生誕祭で大塚愛さんの代表曲「さくらんぼ」を歌わせていただいたので、まさか今回、曲を提供いただけるなんて夢にも思いませんでした。あと、「Whoop It Up!」も大好きな曲。女の子の武装というか、壁を蹴り破るイメージがあって格好いい。きっと全世界の女の子が共感できるはず。
たこやきレインボー
——「ネンジルノ」は藤井隆さんの作詞作曲ですが、歌詞がすごく美しい。具体的な物語を表現するのではなく、詩的な言葉で綴り上げられている。
春名:ミステリアスな雰囲気がありますよね。<あなたに並べないの>、<大人びた顔したの>という言葉は、叶わない恋、同じ立場には立てない恋を想像しました。藤井隆さんからお話を伺ってから歌ったので、イメージが沸きやすかった。明るくてポップなたこやきレインボーとは違う一面を感じてもらえます。
たこやきレインボー
——「卒業ラブテイスティ」や「ネンジルノ」は数年前では歌えないような曲ですよね。そんな中でも「虹色進化論」は、今のたこ虹を象徴する楽曲。<世代交代>というワードなど挑発的なところがある。でも実際、「これからは自分たちの時代にしたい」という気持ちが芽生えてきていますか。
堀:私たちはまだまだですが、だけどそれくらい強い気持ちも出てきました。だから「虹色進化論」を今歌える。こんなに挑発的な曲は今までなかったし、自分たち自身を奮い立たせることができる。たとえば新しいアーティスト写真もそうですが、今回はメンバー別のカラーがないんです。決まったカラーに縛られず、全員同じ色であっても、それぞれ違いをちゃんと出せるように進化していこうという気持ちなんです。
根岸:「虹色進化論」はリズム面など歌の技術も難しい。初めて聞いたときは「これ、歌えるかな」って不安になりました。ちゃんと進化しなきゃ、この曲は歌えませんでした。新しいアー写もそうですが、「こういう表情は今までのたこ虹にはなかったな」といろんな形で感じてもらえると思います。
彩木:「卒業ラブテイスティ」、「ネンジルノ」もそうなのですが、こういう歌詞を自分たちのものにちゃんとしたかった。
たこやきレインボー
——一方で「レインボーロード〜駆け出した靴〜」なんかは、たこやきレンボーのかわいらしさがあらわれている1曲ですね。
根岸:「オズの魔法使い」のようなミュージカルっぽさがあって、私はこの曲が大好き!
春名:そういうたこやきレインボーらしさを貫いているところもあるし、でも新しいものを取り入れていて、今までとの違いがきっちり出ている。
清井:以前まではイメージ的にも歌詞的にも、フレッシュさをどんどん出していたけど、私とくるみはもう高校を卒業するし、いつまでも「フレッシュ」とは言っていられないから(笑)。
たこやきレインボー
——ハハハ(笑)。十分、フレッシュだと思いますけど!
清井:それだけじゃやっていけないんです! デビューのときなんて、一番下の咲良は小学5年生だったし。
堀:フレッシュ以外の言葉が見つからなかったよね。
春名:自分たちに似合うものだけで勝負していた気がする。
清井:今は、たとえ自分たちのイメージに合わない気がしても、無理だと考えずにまずは挑戦したい。だからこそ、「虹色進化論」のような楽曲を歌えるようになったんだと思います。
彩木:感じ方や考え方も少しずつ変わってきて。「ネンジルノ」も昔だったら単純に「ちょっと怖そう、でも何かかわいい」くらいしか考えられなかっただろうし、「虹色進化論」も格好いいという感想しか出てこなかったはず。
たこやきレインボー
——今のたこ虹には、とてつもない意欲を感じるんです。2017年大晦日の主催イベント『西日本アイドルフェスティバル』も、西日本のアイドルシーンは自分たちが引っぱるんだという決意がありましたし。勝負を賭けてきたなって。
堀:東京に比べると、関西はなかなかアイドルが大きくなるのは難しい。でも大阪を中心に活動している以上、アイドルシーンをもっと盛り上げたい。関東のアイドルさんたちと良い意味で闘っていきたいし、「アイドルは、東京だけじゃないんだ」という気持ちがあります。
根岸:関東はグループの数もお客さんも多い。だけど、負けたくない。咲希が言ったように、チャレンジしなきゃいけないと思うんです。
彩木:あと、「みんな、自信を持って大阪でアイドルをやっていこうね」って。私たちがこんなことを言うのはおこがましいですが、それでも引っぱっていこうという気持ちがあります。
清井:関西のアイドルにしかできないことは、まだまだたくさんあると思うんです。私たちの歌詞には関西弁が入っているけど、(関西弁は)胸にグッと刺さる。日本だけではなく、世界中にそういう魅力を広げたいし、それをやっていける自信がついてきた。自分たちがやるべきこと、やりたいことが少しずつ分かってきました。
春名:大阪や関西の良さを広げること、これはブレちゃダメだよね。たこ虹をきっかけに、いろんな場所で関西を感じてもらいたいから。
堀:アルバムのアートワークをディレクションしてくださったkisimariさんに、「たこやきレインボーは親しみやすい」と言っていただいたのですが、まさに、みんなのそばにちゃんといられる様な存在を目指しています。
たこやきレインボー
——そういう考え方の女性って、きっとモテますよ。
全員:今年はモテたい!!!
——わかりました!(笑)。今日はありがとうございました。
たこやきレインボー
取材・文=田辺ユウキ 写真=日吉“JP”純平

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