楽屋は半分が白塗り状態!? 個性派バ
ンドが大集結! @works project 6th
anniversary3days「@-LIVE.027−Co
re scene−」ライブレポート
Cosmo-Shiki
トップを飾ったのはCosmo-Shiki。エッジの効いたベースラインとキック音がフロアに鳴り響く。目元や口元が真っ黒なダークメイクに黒いハットをかぶった清水良行が登場し、ビシっと敬礼をした。
「今日はバンドの中にぶっこまれたCosmo-Shikiなので、みんなの心からの応援が必要だ。いけるか?」
続いてはカバー曲「Rock Me Amadeus」。
また、@works projectが6周年であることに触れつつ「Cosmo-Shikiは10周年でございます! 今回は少し無理をしてワンマンや福岡2daysなどの主催イベントを入れました!」と、10周年をアピール。
そして、「暴れ慣れていないCosmo-Shikiが暴れる準備をするよ!」と、「VIOLATOR」へ。拳を振り上げたりジャンプをしたり、思い思いに盛り上がるフロア。
ラストはピコピコした明るさの中にも切ないメロディラインをのせた「STARFLYER」。宇宙空間にいるような独創的で可愛らしいステージだった。
【セットリスト】
ストロベリーソングオーケストラ
転換中、お化け屋敷のような怪しげなSEが流れる。一気にライブハウスがアングラな見世物小屋へと化した。「この世は地獄……」というセリフが放たれ、ギターがうねる。「血の軌跡が故の慟哭」では座長の太い声と釵刺灯の甘い高音が混ざり合い、それが淫靡でアングラな世界へ観客を連れて行ってしまった。次第にフロアはヒートアップ。重低音に合わせて激しいヘドバンの渦が巻き起こった。
「機械と点滅の葬列」では、頭をかきむしったり指を指したりする両端の役者の動きからも目をはなせない。彼らの表現する苦悩や絶望が脳内にするりと忍び込んできて、そうしてぐるぐるとのたうち回り、やがてそれが快感へと変わっていく。「幸福の黒い鳥」では釵刺灯の伸びやかな声により、さらに甘い毒を盛られたように全身がしびれていく。
「さらわれた子どもたちはお前たちだ」
【セットリスト】
加藤透
ノリの良いSEの中登場したのは、ピンク色の髪の毛をツンツンに立てたパンキッシュなヘアスタイルの加藤透。サポートメンバーはBa.ツブクとDr.YURAサマ。わかりやすくてカッコいい、ザ・ロックンロールな曲調の「ストラトキャスター」に、前列ではモッシュが沸き起こっている。以前、加藤透が所属していたバンド、SEX-ANDROIDの香りが残るギターソロに体が揺れる。
MCでは「この後は犬神サアカス團さんも出てくるし、おどろおどろしいバンドに挟まれて普通の人感が否めない」と笑いを誘った。
爽快なメロディラインの中にどこか懐かしさがこみ上げる「オルゴール」を力強い声で歌う加藤。やがて、タオルを振り回したりヘドバンのあるアップテンポの曲が続いていく。ラストの「I was born」ではモッシュが沸き起こった。哀愁の中にも明るい未来が待っている、そんな希望を感じさせるセットリストだった。
セットリスト
犬神サアカス團
「マクンバの夜」が流れ、拍手で迎えられるメンバー。凶子の赤い花柄の着物がとても似合っている。アングラで心地良いロック、それが犬神サアカス團だ。1曲目の「新宿ゴーゴー」では「あたいとやろうってのかい? いい度胸じゃないか。どっからでもかかってきな、容赦しないよ!」と、挑発的なセリフを放つ。
しかしMCとなると一転。キュートな凶子が表れる。
アップテンポで重低音が特徴的な「光と影のトッカータ」。歌詞は決して明るいものではないのに、それをポップにロックに可愛らしく歌えるのが凶子の才能とも言えそうだ。「良い感じに踊った方がいいと思います!」とフロアを煽り、始まった「暗黒礼賛ロックンロール」。サビで手を挙げて盛り上がるフロア。ギターソロがうねる。まさに王道ロックンロールだ。
ラストは「全てのボーイズ&ガールズにささげます!」という言葉とともに、フロアを最高潮にさせた「命みぢかし恋せよ人類!」。サブカル、アングラ、そしてロックンロール。犬神一色となったフロアには、終了後もしばし残り香のような余韻を感じられた。
【セットリスト】
天照
壮大な和風のSEが流れる中、メンバーが登場。そして、両手の拳を合わせて一礼した。フロアもそれに合わせて一礼。「破邪」のノリの良い打ち込みのイントロが流れる。次の瞬間、フロアに激しいヘドバンの海が広がった。前後に揺れる折りたたみも起こり、一曲目から熱気がムンムンだ。その熱波が引かぬまま「希望が丘」へ。
晃が「天照です!飛べ!」と叫ぶと、フロアは一斉にジャンプ! ステージとフロアが完全に一体化している。地の底から突き上げるような振動が体中に巡る。サビは爽やかなメロディラインがすっと体内に入り込んできたかと思うと、大祀のエッジの効いたギターが鳴り響く。
駆け抜けるように2曲を演奏したがMCではほっこりムードに。本日のイベントは個性的なバンドが勢揃いしているという話題に。
また、楽屋の半分が白塗りバンドだったという話題に。
MC明けは「まろがれ」へ。フロアはサビでタオルを振り回す。大祀のギターソロでの速弾きは思わず吸い込まれそうになった。
「もういっちょいけんのか! お前ら! あーらよ! 出前一丁!」という独特な晃の煽りから「NATURAL SELLECTION」。フロアにはヘドバンが咲き乱れる。
また、この日、入り口では扇子が配られていた。扇子を使った曲の振り付け講座が始まったが、わりとアバウトだ。そして、フロアも既にその振り付けに慣れているかのように見えた。「鳳凰」が始まると、フロア中に扇子が美しくひらひら舞う。雄大な世界観が広がり、舞う扇子が花吹雪のようにも見える。太鼓昔にタイムスリップでもしたような感覚が、いつまでも体に残っていた。
セットリスト
Brother
透明感のあるSEかと思いきや、突如激しさが増していく音と共にメンバーが登場。Vo.の真実が敬礼しながらステージに現れ、煽りの声を上げ「蝶来来」へ。なんだ、この歌唱法は。美しいビブラートがきいているのに、決して声量が落ちることはなく太い声が響き渡る。これは真実から絞り出される、魂の叫びに近い。脳に突き刺さり、一瞬めまいを覚えるほどカリスマ性あふれる声だ。その勢いはフロアにもモッシュやヘドバンとして伝染している。
先程まで大暴れしていたはずのフロアが息を飲んで聴き入っていたのは、メランコリックなイントロの「A fresh dresser」。目を閉じると、ノスタルジックな場末のバーが広がっているような感覚に陥る。ギターのフレーズ一つ一つも心に染み入る。そのしっとり感を保ったまま「アモーレ」へ。あまりにも繊細でウェットなメロディに、鼓膜から入った情報が脳内でとろけそうになる。
安定感のあるドラムで飛び出したのは「セルロイド」。ベースの重低音が体を突き抜けて爽快だ。真実が絶叫し、フロアもジャンプで応える。着物を振り乱して歌う真実の姿は人間に眠っている本能がむき出しになった、まさに獣だ。
一切MCを挟まず、和の世界観と高い演奏力・表現力を魅せつけ続け、あっという間にラストの「籠の中のrule」へ。ノリやすさの中にも、やはり一種の中毒性に陥りそうな特有なクセがビシビシと体内に侵入してくる。
メンバーがはけると、すぐにアンコールの声が上がった。しばらくするとメンバーが登場。主宰者でもある由羅様(YURAサマ)がMCを行った。
「時間は短かったですが、Brotherの世界観をみなさんに伝えられるステージになったかと思います。他のメンバーの別のステージを観たことがある人もいるかもしれませんが、このBrotherでしか観られないものを届けられたのではないかと。派手な活動をしているバンドではありませんが、しっかりと音楽を作っています」(由羅様)
「渋谷、もう一曲聴いてくれるか!?」
【セットリスト】
非常に濃いバンドばかりが、それぞれの個性を存分に出し切った「@-LIVE.027−Core scene−」。今回出演したバンドは、他とは一線を画しているバンドばかりだ。今後も個性を打ち出したバンドの勢いが衰えないことを願う。そして、様々な手段で音楽を届けることの重要性を追求していってほしい。
Text/姫野ケイ
@woks project
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