カルト歌謡カルタ【つ】遠藤賢司「通
好みロック」

いつまでも人々の心の片隅に残り続ける珍曲や迷曲たち。売れることを考えて作られたとは思えない破天荒な作品に、その時代の心の豊かさと歌謡界の度量の大きさを感じる。いまこそ、その真髄を継承すべく、魔法のカルタで拡散!

「通好みロック」

1980年発表
歌:遠藤賢司
作詞・作曲:遠藤賢司
編曲:佐久間正英

シンガーソングライターの“エンケン”こと遠藤賢司の楽曲である。10枚目のシングル曲「宇宙防衛軍」(作詞・作曲:遠藤賢司 編曲:佐久間正英)のB面に収録されている。

題名の通り“通好み”という言葉がロックな曲調に乗って繰り返される。「♪通道一筋 百万光年」ーー純粋に自分の信じる道、好きな音楽に突き進む“純・音楽家”(自称)である自分を表現しているかのようだ。曲最後の「♪ツー ツー 通好み」のメロディーがそれまでのロックな曲調とは異なり、童謡・唱歌「ほたるこい」(編曲:小倉朗)の「♪ほう ほう ほたるこい」風で、しんみりと終わる感じがまた面白い。編曲は、音楽プロデューサーであり、作曲家・編曲家の佐久間正英。BOØWYやGLAYなど数多くの歌手のプロデュースを行い、『里見八犬伝』(1983年公開 監督:深作欣二 主演:薬師丸ひろ子)や『月はどっちに出ている』(1993年公開 監督:崔洋一 主演:岸谷五朗)など映画音楽も手掛けている。

遠藤賢司は、2005年『不滅の男 エンケン対日本武道館』で映画初監督・脚本・音楽・主演を務める。同作品は、無観客の日本武道館での単独ライブを撮ったドキュメンタリー。撮り直しなしの一発勝負で20曲を熱唱……。ここでもやはりエンケンの“純・音楽家”としての生き様を感じる。また、漫画『本格科学冒険漫画 20世紀少年』(作・画:浦沢直樹)の主人公であるケンヂこと“遠藤健児”は、遠藤賢司が名前の由来とされており、本人も映画3部作(監督:堤幸彦 主演:唐沢寿明)の最終章に猟師役で出演している。2017年10月25日、胃癌により70歳で死去。

解説・イラスト:はらめがね

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