shinpei(ex.SuG)「音楽で皆の心を癒せたら」ドラマーとしての存在意義 【インタビュー】

shinpei(ex.SuG)「音楽で皆の心を癒せたら」ドラマーとしての存在意義 【インタビュー】

shinpei(ex.SuG)「音楽で皆の心を癒
せたら」ドラマーとしての存在意義
【インタビュー】

ex.SuGのドラマーshinpeiは、現在様々なバンドのサポートドラマーを担当しており、活躍の幅を広げている。そんな彼が、3月20日に新宿club SCIENCEで『shinpei生誕祭-Just for fun-』を開催。解散を得てから初の生誕祭は2部構成となっており、その中でshinpei自らがボーカルを務めるという貴重な一幕も見られるという。
今回UtaTenでは、SuGを解散してからの今の心境、サポートとしての活動の変化、ドラマーとしての音楽的な想い、今後挑戦していきたい事など、今のありのままのshinpeiに話を伺った。
期待よりも不安の方が勝っていました

──shinpeiさんがドラマーを務めていたバンドSuGは、2017年9月2日の日本武道館公演を最後に無期限活動休止となり、2017年12月20日をもって解散されました。ご自身の今の心境をお聞かせください。
shinpei:今は武道館が終わってから日が経っているので、自分の中でも消化できた部分がかなりあって。どちらかというと終わったばっかの時は、不安がかなり大きかった。個人でやっていく事に対して何も見えなかったといいますか。そういう気持ちがかなりあったので、期待よりも不安の方が勝っていました。でも今はドラムのサポートの仕事とか、そういった事が動き始めているので、新しいものに対するワクワク感とか、いろんな話が始まっていくのかなっていう期待する部分は少しずつ増えています。その反面、1人になった孤独感や個人の不安はずっと抱えていますね。

──解散という決断はかなり苦しいものでしたよね。
shinpei:ただその決断がバンドにとって、ファンにとってそれが前に進む大事な事だったんじゃないかな?とは思っています。

──武道館で見えた景色や、その時感じた想いはどうでしたか。
shinpei:音楽をやっている上で憧れの舞台だったので、すごくドキドキもしたし。でも緊張はしなかったんです。本当に楽しめる空間だなって。三階席までありましたけど一体感が凄くあり、包み込まれている感じはありました。ただ、一瞬で終わったんで活休の日でもあったし、いろんな想いが交錯したライブでした。夢だったんじゃないかなっていう記憶になっています。今はあんまりやっている最中の事は覚えてないですね。

──セットリストもかなり悩まれたんじゃないでしょうか。
shinpei:結構悩みましたね。集大成のライブなので今まで出してきたシングル曲や、思い入れのある曲をやりたいけど、時間の関係でどうしても削らなければいけないとかもあったし。それにライブで盛り上がる曲を入れたいなとも思っていたから、そういったバランスにはすごく悩みましたね。その結果武道館ではメドレーとかもやったので、とても良い形になったと思いました。

──武道館が終わってから今日までの間で、音楽に対する変化は生まれたりしましたか?
shinpei:武道館前までは制作するもの、例えばレコーディングとかそういうものに向かっていく事が多かったんですけど、今はサポート活動がメインなので、他の人の曲を覚える作業が圧倒的ですね。でもドラムを叩く機会は増えていると思います。その分曲を書く時間であったりとか、そういうものは減ってはいます。一アーティストとして所属しているのとサポートで所属している立ち位置が大分違うんだなって感じていて。ただ、生誕祭とかの物販製作とかも完全自分でやらないといけないし、デザイナーさんとのやりとりなどもしなくちゃいけないから、慣れていない部分もあって大変だなーって思うけどそういう細かい作業は不得意ではないので!負担にはなっていないです。

僕は正直、曲を書くのが苦手

──ありがとうございます。現在shinpeiさんは、ビジュアル系バンドBRATBAXのサポートを本格的にされています。こちらでの活動に至った経緯はどのような形だったんでしょうか。
shinpei:自分の知っている音楽関係の方が、BRATBAXのライブを見て良いなと思っていたらしいんです。それでそのバンドがどうなったら良くなるか?っていう話があがったときに、このバンドを俺がサポートをしたらより良くなるんじゃないかなってその方が思ってくれたらしくて。そして紹介してもらってサポートを務めている感じです。自分たちのやってきたフィールドとは交わらない部分もあってどういう子たちかも全く知らずに、外からライブを見に行ったりもしました。その結果思ったのが頑張っているバンドは単純に応援したいし、自分がその力の一部になれるのであれば協力したいなって思って。サポートではありますが、ステージに立つ場を与えてくれているのは本当にありがたいですし。また、フィールドや年齢が違うのはあんまり気にしていなくて、どんな場でもお話しを頂けたら立ちたいです。

──かなりの練習量でやられているんじゃないでしょうか。
shinpei:めちゃめちゃ練習しましたよー。11月終わりとか12月ぐらいからかなりやりましたね。1月にはPSCのKくんのワンマンのサポートも務めたので、合計で30曲近く覚えたりしました。練習したり譜面も自分で書いたり。サポートって練習量が仕事に繋がっていくと思うので。

──沢山サポートをやられていると曲がごっちゃになったりしませんか?
shinpei:しますよ(笑)なのでしないように譜面書いたりとか、練習でそこをカバーしていますね。

──歌詞サイトなので、shinpeiさんが作曲をされた『☆ギミギミ☆』で好きな歌詞のフレーズを教えてください。
shinpei:まずタイトルの『☆ギミギミ☆』が、自分の作ったメロに対してすごくベストマッチで。ここまでキャッチ―でわかりやすい言葉をパッと思い浮かんで、ハメられる武瑠君のセンスは本当にすごいと思います。歌詞の中では「君が耐えらんない痛みなら相手になるこの僕が!」が好きですね。
──shinpeiさんが作曲をする上で、どんな瞬間に曲が思いついたりされるんでしょうか。
shinpei:僕は正直、曲を書くのが苦手です。それは自分がドラマーっていうのもあるし、まずメロディー楽器じゃない時点でコード感とかも難しくなるし。このメロディーにどのコード感が合うのとかも、そういう知識が深くまでなくて。ただポップな曲を書く方が向いているのかなって思っていますね。求められたものがポップじゃないときに、どういう風に作ろう?って迷う事はとても多くて。

──今後作曲はされていきますか?
shinpei:これからも作曲はしたいなって思っていて。今サポートだけど、曲を作っていつか発表が出来る場があったらいいなって。ソロのアーティストになろうとは思ってないですけど、個人のイベント(生誕祭)とかそういう時に何かシンボル的な曲があればいいなとは思っています。なので苦手だけど頑張らなきゃ!って(笑)

──作曲の仕方って打ち込みでされているんでしょうか。
shinpei:そうですね。Pro Toolsっていうモノを使って作っています。ギターが軽く弾けるので、ギターでコード感とかをあてながら制作しています。

──これから作詞する機会も増えてくるのでは?
shinpei:曲を作るってことは作詞をしなきゃいけない訳で。できるのかなー(笑)ハードルが高いですね。曲を生み出して詞を生み出している時点で、周りの書いている人たちを比べられたりとかもする訳で。そういう意味ではとても大変な作業だなと思います。

生誕祭ではボーカルも担当

──3月20日に新宿club SCIENCEで『shinpei生誕祭-Just for fun-』を開催します。こちらに2部制のライブになっているんですよね。
shinpei:そうなんですよ。2部制にしてセットリストとかもちょっと変えたりしてやろうかなって。衣装とかも変えたりね。2部だからこそできる面白いことを実施しようって思ってます。

──生誕祭ではドラマーのshinpeiさんだけでなく、ボーカルを担当する姿も見られるんでしょうか?
shinpei:実は、最初ドラムを叩いて最後の少しだけ歌おうかなって思っています。なので決して1部2部で分かれている訳ではなく、両方のライブで僕が歌っている姿が見れます。歌うの恥ずかしいですけどね(笑)

──披露されるのはカバー曲?
shinpei:カバー曲ですね。SuGの曲は少しだけやりたいなって思っています。今皆が聴く機会がないと思うし、生誕祭のような1年に一回しかないイベントで自分が作った曲をやれたらいいなって。

──今回、ドラマーにはex.DIVのsatoshiさんが担当するそうですね。元々交流があったんでしょうか。
shinpei:ドラマーってめちゃめちゃ群れるんですよ。ドラム会とかも多くて。そういうので結構仲が良くて。satoshiくんも新しい環境が始まるし、お互い共有できる所もあるから色々相談したりとかもしていたんですよね。

──そうだったんですね。生誕祭でサポートされるメンバーさんは幅広い方たちですね。
shinpei:そうなんです。ボーカルにはBRATBAXのXiANくん、ギターにはex.REALiesのN∀Oくん、ベースにはVorchaosっていうラウド/ヘヴィメタルのバンドにいるFujiくんに参加してもらって。元々武瑠くんと僕と一緒にバンドをやっていた事もあるんですよね。そして自分が歌うときに、ドラマーとしてsatoshiくんに入ってもらう形です。

──この生誕祭はどんなライブにしたいですか。
shinpei:タイトルにも付けたんですけど、音楽って純粋に楽しむって事が根本にあると思うから、とにかく楽しむ事に注目したい。まず自分が楽しめるようなものを作らないと、お客さんも楽しくないだろうなって思っているので。そこは常に思っている事ですね。
──shinpeiさんはかなりの曲数を練習されていると思いますが、覚える秘訣ってあるんでしょうか。
shinpei:やっぱ練習量ですね。大先輩でベーシストのMASAKIさん(CANTA、地獄カルテットDAIDA LAIDALIV MOON )にコツを聞いたら練習量って言ってましたね。とにかく弾く!叩く!僕もそう思いますね。ドラムって家で練習しずらい楽器なので、そこは大変ではありますね。スタジオにも行かなきゃいけないし。

──ちなみに家にドラムはあるんですか?
shinpei:いやそれがないんですよー。(笑)なので行かないと練習できないんです。だからスタジオ代がめっちゃかかる。
趣味のゲームも展開していきたい

──ドラマーはかなり大変ですね。話は変わりますが、最近ゲーム実況をされていますよね。
shinpei:そうなんですよ。元々ゲーム好きっていうのもあるし、今って実況とかブロードキャストとかめちゃめちゃ流行っていますしね。昔は生誕祭でファンとゲームをやるイベントを2回ぐらいやった事があって、その延長線上のようなものです。趣味でファンと楽しく触れ合えれば嬉しいなって思っていたので。あと、今サポートやっているとお客さんと喋ったりする機会が実は少ないんです。サポートってステージ上とフロアから見てくれるお客さんとの関係値でしかいられないんですよ。インストアがある訳でもないし。そういう時にどこかで触れ合える場所がとれるかなって考えたらブロードキャストで生配信をしてコメントもらって、そこでお話しするっていう形が良いのかなって。それに遠方の方にも優しい環境だと思いますし、東京になかなか来れない子にも触れ合える場所が作れたらいいなって思ったので始めました。

──その取り組みはファンの方にとって、とても嬉しい場所だと思います。
shinpei:「楽しかった」とか「身近でお話ししているみたい」とかそういう声を沢山もらっているので、これからも不定期でやっていきたいなって。

──生配信で弾き語りをやったらどうでしょうか(笑)それかドラム配信とかも。
shinpei:僕、歌そんなには歌えないです…(笑)カラオケ行くのは好きなんですけど、ボーカリストじゃないんで。でもドラム使って配信とかは面白いと思っているので、そういう方向では広げていけたらいいなって。ゲーム実況だけではなく、スタジオで叩いてみた!みたいなね。その場で曲を言ってもらって叩くっていうのはやってみたいです。

──最近は羽を伸ばしたりとかもされていますか?
shinpei:武道館終わってからしばらくはゲームをひたすらやっていましたね。(笑)ゲーム趣味!インドアなんですよ。なるべく外出たくない人なんです。

──インドアなんですね。家でなにされているんですか?
shinpei:本当、ゲームばっかです(笑)旅行とか行きませんもん。スポーツとかもケガが怖くてできないんですよ…。スキーとかスノボーとか行きたいんですけど、めちゃめちゃ危ないじゃないですか!皆スキー、スノボーで骨折したりとかしている人いるし。だからドラム始めてからはスポーツをやるのを控えるようになりましたね。バンドにも迷惑をかけちゃうし。だからゲームが一番いいかなって思って(笑)

──なるほど。ちなみにおすすめのゲームは今ありますか。
shinpei:モンハンが出たばっかなので、かなり激熱ですね。グランブルーファンタジーっていうアプリもやっていて。そのグランブルーファンタジーの音楽を作っている成田さんにもお会いする機会があったんですけど、最初その方が音楽を担当しているなんて全然知らなくて話してたんです。そしたら「僕その音楽作っているんですよ!」って言われて(笑)ちょーテンションあがりましたね。

──そんな素敵なご縁があったんですね。ではゲーム音楽に挑戦する可能性も…?
shinpei:ゲーム音楽を作るのはね、怖いですね(笑)僕はドラマーで作曲家ではないので、自分のレベルもわきまえているし。本職で作曲をしている人って1カ月で何十曲、下手したら何何百曲も作っていて。その中で僕はドラムをやりながらささっと作った曲が通る訳ないなって思っていて。クオリティーももちろんそうですし。ただ世界を広げるチャンスだとも思いますし、コンペなどの機会があれば頑張ってみようかなとは思っています。

──ではぜひ、モンハンの曲に(笑)
shinpei:いやいや、それは無理です(笑)

──今後やっていきたい事や挑戦したい事はありますか。
shinpei:今は目の前に来たものを一つずつ、丁寧にこなしていく作業が良いのかなって思っていて。ただ個人になった難しさで感じているのが、ソロプロジェクトを立ち上げたりとか、新しい事をしないと広がっていかないなって感じていて。今はSuGであったときのお客さんが見てくれていたりとか、その枠で動いている事がとても多いと思うんです。このまま行くと自分はステージに立てなくなっちゃうんじゃないかな?って思う不安も今強いので、そこは何か新しい事を考えていかなくちゃなと思いますね。当たり前だけど、それが音楽業界の厳しいところだと思うし。でもそんな中で自分のドラムの腕とかをかって、サポートを頼んでくれる人たちもいるので、そういう人たちがいる限りはちゃんとステージには立て続けたいなって思っています。追いかけてくれているファンの子たちもいるから、負けないように頑張っていきたいなって。

音楽で皆の心を癒せたら

──難しい質問になりますが、shinpeiさんにとって音楽とはなんでしょうか?
shinpei:音楽ってありふれたモノなので、僕はその音楽で皆の心を癒せたらいいなって最初凄く思っていました。音楽で仕事をしていくってなると違う気持ちももちろん出てくるとは思うんですけど、根本的な所ではお客さんが僕の演奏を見て笑って楽しんでくれる。それってストレス発散や癒しに繋がっていくと思うので。ドラムっていう楽器自体が癒していけるものなのかはわからないけど、バンドっていう単位で考えたら、音楽を使ってストレスを発散してもらったり、曲で勇気に与えられるものになったりするなって。

──音楽は癒しになる。これはまさにそうですよね。
shinpei:それに一番最初ドラムに出会ったとき、叩いてて楽しいなって純粋な気持ちから入っていったんです。誰かに憧れて入ったとかじゃなくて、ドラムっていう楽器が楽しい所からスタートしているので。

──ちなみにドラムを始めたのっておいくつの時だったんですか?
shinpei:15歳の時ですね。高1の時なんで周りよりも遅いんですよ。元々吹奏楽部でパーカッションから入っていて。その後も音大を出ているんですけど、音大出たからって音楽業界で成功する訳ではないってぐらい厳しい世界だなってよくわかりましたね。プレイヤーでプロになれる人って一握りだったりするので。

──音大卒というだけでもかなりさすがだと感じますが、そこで学んだ事も多いですよね。
shinpei:ソルフェージュっていう楽譜を読むテストや、和音を弾いてそれをどの音か当てるっていうのもありましたね。「ドラマーだからわかんねーし!」ってなるときもあったし(笑)でも先生に教えてもらって学ぶ事も多かったです。

──いつか音大でドラムの講師とかをやられたらどうでしょうか?
shinpei:喋るのは好きなのでお話しがあったら興味はありますね!先生っぽく話すのは出来るから(笑)あくまでも風ですよ!

──最後に、応援してくれるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
shinpei:ドラムをずっと続けてきて今応援してくれる人が周りにいるので、ドラムというものを通してみんなと触れ合っていければいいなと思っています。辛いっていう時期もあると思うんですけど、とにかく負けない事を軸に頑張っていきたいです。3月20日に自分の生誕祭が新宿club SCIENCEであります。そこでみんなに伝えたいメッセージもあるので、ぜひ遊びに来てください。
TEXT:橋本美波
Photo:片山拓

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