デジタルネイティブ世代のアーティス
ト・田中かえ、初の個展を開催 201
0年代以後の"キャラクター生成"と"嫌
悪感"を描く

アーティスト・田中かえの初の個展となる『かえちゃんのチョコレートボックス』が、2018年3月3日(土)〜3月18日(日)まで、TAV GALLERY(東京・阿佐ヶ谷)で開催される。
1995年生まれの田中かえは、幼少期に読んだ手塚治虫の影響により、アーティスト活動を開始。2010年代前半のTumblrを主体としたインターネット・カルチャーをまたいだデジタルネイティブ世代のアーティストとして、SNSを通して数多くの反響を呼んできた。
インターネットがもたらす問題として、コンテンツが作り出す物語からは、対人関係から作られる物語が排除される点が挙げられる。それが、かえの生み出すキャラクターたちの表情が無機質にパターン化された理由のひとつだ。飄々と立つ手足が太く描かれた彼女たちは、かえにとっての "実在感" の追求であり、少女を経て自立してゆく、2010年代とその先を生きる女性たちの象徴記号=キャラクターである。
キャラクターを主体とするかえの作品の幅は広く、様々なコンテクストが登場する。"目や顔が歪んだキャラクターシリーズ" は、かえの関係性に置いて嫌悪感や恐怖感を得た対象である当事者たちの顔を、シリコンで立体に起こし、鉄球などの重りで思念を込めた "制裁" を下した後、ランダムに伸ばした表情をモチーフとする。
"妖怪たちがキャラクターを囲うシリーズ" は、長らく共に時間を過ごしてきたペットの死から着想を得たという。時折登場する彼らは、従来の妖怪とは反転し、"モノノ怪" に反した「ヒトノ怪」として、キャラクターたちの側に寄り添っては、無機質な表情で慰労してゆく。これらのコンテクストを踏まえ、かえは自身や女性をモチーフとしたキャラクター生成と恐怖との関係を図りみるアーティストだといえる。
初の個展となる『かえちゃんのチョコレートボックス』は、かえの今後の展望にあたって、人間の機微や感情をトレースする為の必要なプロセスとなる。
本展覧会ではキャンバスを支持体とした幽霊画を中心に、和紙を支持体とした画家・あけたらしろめとのコラボワークによる5メートルの百鬼夜行(妖怪たちの行進)など、新作、過去作品を含めた計50点程の作品が出展される。

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