【連載】中島卓偉の勝手に城マニア
第68回「岩櫃城(群馬県)卓偉が行っ
たことある回数 1回」

真田氏の本拠地、真田氏の戦国の居城、岩櫃城である。まずこのいわびつって名前が最高にCOOLだ。全然漢字で書けないぞ。真田氏を語る上では長野県の上田城と群馬県の沼田城も欠かせないが、やはり元はと言えばこの岩櫃城であろう。大河ドラマの真田丸の高視聴率により相当観光客が増加、整備もされていて今はとても来城しやすい状態にある。正直真田丸以前は全くスポットが当たらない状況で草も木も伸び放題、どうしても上田城にスポットが当たっていた。やはりテレビの影響は強い。
私が訪れたのはついこないだ、今月のtvk「ミュートマ2」のロケであった。(2018年2月初頭)今までも4回ほど訪れる機会があったが、豪雨だったり、渋滞で日が暮れてしまったり、天候に恵まれなかった時が多かった。やっと今回来城出来ると感極まったがロケの一週間前に群馬県に大雪が降ったのでいかがなものかと思いきや、当日は見事なまでのピー缶。天狗丸の横にある駐車場に行くまでの道が通行止になってはいたが、迂回出来る道が設けられており、無事ロケスタートとなった。雪が積もってて空堀が埋もれてしまっていたのが若干残念ではあったが、やはり岩ビッツァン。最高な城だった。群馬に悪い人はいない、マジでそう思う。
築城主は諸説あるが正しい歴史が断定出来ないので、やっぱ真田氏ってことでいいと思う。凄いのは真田氏が治めていた頃に一度も攻め落とされていないことだ。それくらい頑丈な防御、そして何より場所が良い。両サイドが崖、後ろは更に急斜な岩山(この山全体を岩櫃山と呼ぶ)その山の中腹に城を構えている。本丸からでも二の丸からでもどの場所も眺めが良く、敵が攻めて来たことを一早く発見出来る。麓には掘の役目を果たす川。山城にも関わらずこれまた城の中腹には真っ平らに削った中城曲輪があり御殿の跡の曲輪もある。岩櫃城が廃城になったのは1600年の徳川幕府が政権を握って15年近く経ってから。どんな城も一国一城令により(自分の領地に一つの城しか建てちゃいけない命令)1600年代初頭には廃城を余儀なくされたのに岩櫃城はそこから15年も機能していた。ここには何かしらの理由があったであろう。その15年は興味深い。私も売れずにデビュー19年、感慨深い。その19年の間にROCKのことをわかってないしょうもないファンに否定され傷付けられた傷、かなり深い。
城自体の面積は決して広くない、非常にコンパクトだ。だがこれまた良く出来ている。ムダ毛がない、いや無駄がない。岩櫃城の魅力として欠かせないのは空堀、主に竪堀と言われるものだ。しかもこの竪堀が掘として機能しているのか城内の通路として機能しているのかわからなくなる。私が城ロケでよくやる掘ウォーク。要するに空堀の中を歩いて見学するのだが、平面図と照らし合わせても掘りが通路になったり防御になったり複雑な顔を見せる。そして自分が立つ場所によって、その堀が竪堀にも横堀にもなる。これが不思議且つ圧巻なのだ。本丸を目指す道順でも、あれ?これは通路というより掘の中を歩かされてるんじゃないかな?と錯覚する。しかもそれが急にL字に折れたりする。歩いてた通路がL字に折れた瞬間から急に通路じゃなくなるのだ。LL BROTHERSもびっくりだ。よくよく考えて見ても本丸下の腰曲輪には南枡形虎口が残っているが、どう見てもどう考えても出入り口は掘の中を歩かないと出入り出来ないシステムになっている。この腰曲輪と二の丸の境目にいくつもの堀が交差する最高な場所がある。まさに掘の五差路。目黒区五本木か!というくらい4つの堀が集まり最後の1つの堀が縦に落ちている。まさに五差路。LL BROTHERSがここにやってくることを考えたらまさにダンス甲子園。メロリンキュー、山本太郎もびっくりである。こういうスポットがある城は岩櫃城くらいなんじゃないだろうか。城マニアの私でもあまり見たことがないアプローチだ。ここにとにかく感動。掘りもかなり深い、当時はもっと深かったことを考えるとより感動出来る。同時に疑問を持つのは、先ほどお伝えした南枡形虎口にここから出向く場合、通路を考えるとこの五差路を通らない限り絶対に南枡形虎口に行けない。でもこの凄まじい堀を歩いて虎口まで行くかなあ?と思うわけだ。ひょっとしたら南枡形虎口の門はどの城にもよくある、不明門、もしくは開かずの門、だったかもしれない。城には門はあっても普段は絶対に開けないという門が存在するのだ。門の先に全く道が作られてない場合もよくある。良い意味で不気味だし、何かしらのこだわりがあって作られているので面白い。殿様にしか通れない門もあれば女性にしか通れない門もある、死者(死体を運び出す時のみ)しか通れない門もある。そんなことをイマジンするのがこれまた最高に楽しいわけだ。
登り詰めた本丸はスペースが狭い、コーナーに櫓台の跡が残っている。城内で一番高い場所とは言え、城自体は山の中腹、もっと見渡す景色が欲しい場合は更に裏の岩櫃山に登れば良い。腰曲輪から山に登れる道もあり、その途中にもしっかり竪堀が作られていて防御に余念が無い。本当に素晴らしい。本丸下の二の丸からの眺めも素晴らしい。二の丸から中城曲輪までが小さな曲輪で段々になっており、その都度空堀が横に伸びている。攻めるときに登っても登っても何度でも空堀に落とされる仕組みだ。しかも両サイドが今度は竪堀ときてる。城の縁を歩けば急斜面に蹴落とされる。本当に良く出来ていると感心。真田の城はとても知的だ。センスはもちろんインテリジェンスを感じる。「あっちの方はインテリジェンスかい?」と氷室さんも歌っているくらいだ。群馬人に悪い人はいない。堀が通路と防御になる仕組みがまさにそれだ。掘なのか通路なのかわからなくさせるカムフラージュ、お洒落としか言いようがない。狭いスペースの曲輪だけかと思いきや中城曲輪から城の南へ下る道を行けば殿邸跡がある。今は個人所有地なのかビニールハウスがいくつも建てられているがここのスペースは広い。山道が急に開けて空が顔を出し、いきなりとてつもない大きな広場になる。ジャマイカの山を歩いてたら急にマリファナの畑に出る映画っぽい感じだ。もちろん山を削って平地にしたのだろうが生活感も感じられる曲輪である。大手と逆側にこういう御殿の場所があるのもうなづける。いざとなったら逃げるにも手っ取り早い場所にある。かと言って本丸に遠くない場所に作られている。このセンス!真田!マジでメロリンキュー!
ロケをする前には町の役場や観光協会に連絡を入れて許可をもらってから決行するのだが、吾妻町の役場のおじさんは「雪降って危ないけど、そこはさ、個人の判断ってことで!」と言っただけであったそうな。軽いな。でも群馬人に悪い人はいないのだ。事実雪が積もりまくってる中観光してるのは我々だけであったが、駐車場で準備してるときに八王子ナンバーの車が1台入ってきた。見るとご夫婦。旦那さんはモヒカンで私のドクターマーチンをガン見していた。お?一緒に城に来城か?こんなイカツイ人でも城好きか?と思いきや、履き替えた靴は本気の雪用のトレッキングシューズ。マネージャーの砂田のアディダスのスタンスミスと私のマーチンを見て、「雪山なめたら痛い目に合うからしっかり靴紐は締めとけよ」と奥様に何度も言っていた。それはヘラヘラしてた砂田に聞こえるように言ってたんだと思う。ハードコアな夫婦は大手登場口を通り過ぎ、岩櫃山の頂上方面に消えて行った。本気の雪山登山に来たのだろう。ロケが終わって駐車場に戻るとまだハードコアご夫婦の車が残っていた。夕方からはまた雪で吹雪くという情報も得ていたので、吹雪いていろんな掲示板が見えなくなると順路がわかりづらくなると思い、いろんなスポットの見える場所の新雪の上に指で「BOOWY」または「BUCK-TICK」と書いておいた。群馬だけに。もし遭難した時もその「BOOWY」または「BUCK-TICK」の文字の方向に歩けば駐車場にたどり着けるというお節介である。でもハードコアな旦那さんには「GBH」もしくは「CHAOS U.K.」と書いておいた方がテンションが上がったかもしれないと今頃後悔している。ご夫婦の車の傍に「GENERATION X」と書こうかと思ったがスペルを間違えそうだったのでやめといた。きっとご夫婦が先に車に戻ってそれを見たら我々のレンタカーの横に「BILLY IDOL」と書いてくれていたはずだ。
殿邸跡で休憩中にtvkの私の城番組の天才デイレクター兼カメラマンの菊谷さんは言った。「群馬だけに氷室さんも岩櫃城来たことあるんすかね~?」

僕は言った「いや~むしろあると思いますよ!」

菊谷さんは言った「いや、ないでしょ…」

砂田は言った「このビニールハウスは当時からここにあったんすか?」

菊谷さんと私はぴったり声が揃った。

「戦国時代にビニールハウスがあるわけねえだろ」
あぁ 岩櫃城 また訪れたい…。

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