ジン ひぃたん『世界観の情景』
- 第5回 『静寂の水槽』 -
唄では表現し切れない、濡れ出る世界観を絵に納める。この連載では、自分の内面を改めて見直すという意味も込めて、見てくれる皆様に敢えて絵の解説をしてみようと思う。
クラゲが好きです。
水族館が好きなんだけど、
水族館に行くときは
8割方クラゲが目当てで行きます。
どこぞの海から連れてこられて、
狭い水槽に入れられて、
色んな色のネオンに照らされて、
見世物にされているのに、
彼らはいつ何時でも美しい。
海の中だろうと、
水槽の中だろうと
誰に見られていなくても、
また、見世物にされていても
変わらぬ透明感と浮遊感で
ふわふわユラユラと
水中を漂っている。
きっと、私はこんな風には成れないだろう。
私は、哀しいくらいに人間だ。
雑音や喧騒が、私を捉えて離さない。
こんなにも静寂に憧れているのに、
今の私が完全な静寂の世界に行ったところで
寂しさと虚無感に食われ、
美しく舞うことなんかできないだろう。
だから、私は眺めている。
分厚いガラスの向こう側から、
1人で。
君のいる、静寂の世界に焦がれながら。
決して辿り着けない、桃源郷を。
水族館が好きなんだけど、
水族館に行くときは
8割方クラゲが目当てで行きます。
どこぞの海から連れてこられて、
狭い水槽に入れられて、
色んな色のネオンに照らされて、
見世物にされているのに、
彼らはいつ何時でも美しい。
海の中だろうと、
水槽の中だろうと
誰に見られていなくても、
また、見世物にされていても
変わらぬ透明感と浮遊感で
ふわふわユラユラと
水中を漂っている。
きっと、私はこんな風には成れないだろう。
私は、哀しいくらいに人間だ。
雑音や喧騒が、私を捉えて離さない。
こんなにも静寂に憧れているのに、
今の私が完全な静寂の世界に行ったところで
寂しさと虚無感に食われ、
美しく舞うことなんかできないだろう。
だから、私は眺めている。
分厚いガラスの向こう側から、
1人で。
君のいる、静寂の世界に焦がれながら。
決して辿り着けない、桃源郷を。