【ライヴレポ】イ・ジョンヒョン(f
rom CNBLUE)、2度目のソロツアー完
遂!「みなさんとメンバーと一緒にC
NBLUEを作った20代だった。これから
もずっと一緒に!」

韓国出身の4ピースロックバンド・CNBLUEのギター&ボーカル、イ・ジョンヒョンが、約2年ぶり2枚目となるソロアルバム『METROPOLIS』を1月24日にリリースし、併せて横浜・大阪でソロコンサート『LEE JONG HYUN Solo Concert in Japan -METROPOLIS-』を開催した。
ファイナル公演となった2月13日のグランキューブ大阪は、スタート前からファンの期待で熱気に包まれ、開演前に会場に流れるアルバム『METROPOLIS』の音源に合わせて大きな手拍子が始まる。アルバムのスタートを告げるムーディーな「Intro」がその期待をさらに高めると、ミラーボールのキラキラした光の中、グレーのスーツに身を包んだジョンヒョンが登場。CNBLUEのライヴではカジュアルな衣装が多いので、ステージでスーツ姿を見るのはちょっと新鮮な感じがする。ピンクのギターを手に、軽やかなカッティングを刻みだしオープニングナンバー「Starry Places」で一気にファンを熱くする。今回は男女のコーラス、サックス、ベース、ギター、ドラム、キーボードというバンドを従えてのライヴ。「Time Machine」からは2名のダンサーも加わり、トロピカルな「Pina Colada」では、照れたそぶりでダンサーのフリに合わせながらも、終始客席を見渡し、笑顔のジョンヒョン。
「もう、最終日。終わってしまうのが早くて切ないです。みなさんが大きな声を出して、一緒に頑張ってくれたら追加公演もあるかも!」と、「Foxy」のコーラスパートを客席と猛練習。曲が始まりジョンヒョンの要求通りファンが大きな声で応えると、「バッチリ!」とご満悦な様子。
スタートから暖かな一体感に包まれたライヴだったが、彼のMCはそのムードをさらに高める。日本語が堪能なジョンヒョンのMCは客席とやりとりしながら進むのだが、それはまるで友だちとの会話のようだ。時にドSに、時に笑わせ、時に本音をぶっちゃける。彼の人柄が溢れるトークにファンの笑顔も大きくなる。
「僕の最近の中で一番好きな曲。いつもヨンファ(CNBLUEのメインボーカル)が歌っているのがうらやましくて、僕も歌いたくなって」選んだという「Only Beauty」では、「ライヴで2時間以上、ひとりで歌うのって大変なんです。もっとデカい声で!」と再び客席にスパルタな指導を飛ばし、コーラスを猛練習。会場の一体感が高まると、そのコーラスを目をつぶってじっくり聴きながら熱のこもった歌を聴かせる。
彼が出演する日本映画『生きる街』の映像を挟んで始まる後半戦は、いつも通りともいえるカジュアルな衣装に着替え、彼が弾くアコースティックギターの楽しいリズムに乗って「HEAD TRIP」からスタート。ほのぼのとしたムードの「SHINE」では、ファンが左右に揺らす手をモニタースピーカーの上に乗って眺めながら同調したり、笑顔のジョンヒョンと笑顔のファンの心の距離がどんどん縮まっていくのを感じさせた。CNBLUEでは“ギター弾き”を自称するが、ソロコンサートではボーカリストとしてファンと一緒に楽しむことを優先している印象だ。
「These days」「voice」と、ラストスパートをジョンヒョンが作ったCNBLUEの曲たちが彩ったが、その中に唯一ヨンファが作った「Butterfly」が。その理由を、「大好きな曲だから歌いたかったんだけど、ヨンファさんの曲だってことにセットリストを組んでから気付いたんです。やっぱり長い間一緒にやっていると似てくるのかな?」と告白。本編ラストの「Blind Love」では、ジョンヒョンの歌う「ラララ~」というメロディにファンが呼応しどんどん大きくなっていき、会場がひとつに溶け合うような一体感を与えてくれたが、「もうすぐデビュー10年、30歳になります。どんな20代、どんな10年だったかを考えると、なかなかない、カッコいい人生だったと思います(笑)。その10年は、みなさんとメンバーと一緒にCNBLUEを作った10年だった。ずっと一緒にいてくれて、本当にありがとうございます。30代、40代もキラキラしていたらいいな。でも、ひとりではできないこと。メンバーとみなさんがいないとダメ。ライヴだって僕ひとりが上手くできたとしても、一体感、共感がないと意味がない。これからも一緒に楽しめる曲をいっぱい作るので、応援してください。みなさんを音楽で慰められる人になれるよう、頑張ります。ひとりじゃできないので、一緒に!」という彼の心からの言葉が、一層結束高めて本編を締め括った。
その暖かなムードは、大きな“イ・ジョンヒョン コール”となり、アンコールのステージにジョンヒョンを呼び込むと、前作アルバムのリード曲「Moonlight Swing」で軽やかなスウィングを歌ったかと思えば、映画『生きる街』のために書き下ろしたアコースティックギターをメインにした温かなバラード曲「ひかりのまちで」を目を閉じて熱唱。その多彩な音楽世界に魅了される。
普段はアドリブでトークを進める彼だが、最後のMCでは珍しくメモを取り出し言いたいことを確認してから「愛って形のない、見えないものでしょう?見えないものを守っていくって難しいけど、だからこそ大事なんです。どう守っていくかって、僕らも一緒。みなさんが想うこの愛のイメージを大事に守っていきたいし、そのためにも、これからももっといいライヴを作っていきます!」と話すと、<ずっとそばにいてくれる 君の心が僕を輝かせてくれる>という意の「Starlit Night」のサビをファンに歌わせ、「これが僕のイメージであり、純粋な言葉。みんなと一緒に歌うために作った曲です。これからも一緒に歌ってください」と何度もリピートさせて聴き入った。
アンコールが終わり、客電が上がってもファンは帰らずに“イ・ジョンヒョン コール”が続く。その声に応えて、このライヴで最初で最後のダブルアンコールに応えると大きな歓声が上がる。ジョンヒョンが「最後ですから、デカい声で!」と煽ると、<どんなに離れても いつでも愛してる>という歌詞のCNBLUEの「Blind Love」を会場全体が大合唱。そこにはリアルに、彼の望む“一体感と共感”が存在した。そしてその様を満足そうな笑顔を浮かべて見渡すとジョンヒョンは、「また来ます!ありがとう!」と手を振りステージを後にした。
メインボーカルのヨンファが3月に入隊することを受け、今後の活動に不安を抱いていたファンに対し、「そんなに簡単に倒れる4人じゃないんで」と言ったジョンヒョンはこのソロコンサートでその不安を払拭してくれた。このセットリストが、この曲の歌詞たちが、そして暖かさと愛に満ちたこの空間が、彼からのファンへのメッセージ。そう強く感じさせ、安心を与えてくれるライヴとなったのではないだろうか。
文/坂本ゆかり

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