【インタビュー 後編】Rayflowerの田
澤, YUKI, 都が語るアルバムとツアー
が育むもの「昇天ポイントが増えた」

約2年ぶりとなる2ndフルアルバム『Brilliant Anthology』を引っ提げて、Rayflowerが全21公演の全国ツアー<Rayflower TOUR 2017〜2018 “Brilliant Place”>を開催中だ。2018年2月まで足掛け4ヶ月間で開催される自身最大規模のツアーはアルバム『Brilliant Anthology』収録曲を中心に据えたもの。“Anthology”は“歌集”を意味する言葉であり、“Brilliant Anthology”には“5人の発する輝かしさ”という趣意がある。そして“Brilliant Place”とはそれらが目がくらむほど煌めく場所、つまりライヴ会場だ。
新木場STUDIO COASTツアーファイナルを目前(2月16日)に、Rayflowerインタビュー企画後編をお届けしたい。先ごろ公開した前編ではリズム隊のSakura(Dr)とIKUO(B)、都啓一(Key)がバンド内部で起きている進化について深く語った。後編は田澤孝介(Vo)、YUKI(G)、再びリーダーの都を迎えて、アルバムとツアーが育むサウンドとバンド感を解き明かす。なお、前編インタビューで爆笑を呼んだ“都のマジシャンパフォーマンス”が生まれた真相も必読。ツアーファイナルへ向けた志気の高まりやメンバー間の仲睦まじさが溢れるようなロングインタビューとなった。
   ◆   ◆   ◆
■型から離れる覚悟を決めたことで

■またひとつ武器を手に入れられた──都啓一
──アルバム『Brilliant Anthology』を携えた全国ツアー中ですが、ライブを重ねて感じる同作の印象などを話していただけますか。
田澤:『Brilliant Anthology』は“楽曲を届ける”というイメージで作ったアルバムで、すごくライブで盛り上がれるようなナンバーは限られているんですね。だから、目の前に聴いてくれる人がいる状態で収録曲を演奏するとなると、無意識のうちに表現に徹することになるというのがあって。今回のツアーは中盤にアルバムの曲が集まったセットリストになっていて、そこはお客さんをリードして盛り上げていこうという感覚よりも、楽曲の世界観だったり、鳴っている音の意味合いだったりを身体で表現しています。そんな風に、以前と同じように盛り上がるシーンはもちろんありつつ、聴かせたり惹き込んだりする度合いが大きいライブになっているんですよ。
──そう思います。
田澤:だから、もしかすると僕らよりもお客さんのほうが戸惑っているかもしれない(笑)。今回のツアーは各地に、Rayflowerのライブ初体験の人もいるので、「表現に徹するから、自由に見て」というようなことをMCで言うようにしているんです。じっくり聴いてくれてもいいし、身体が動いてしまったらそれはそれでいいよと。そうしたら、みんなホンマに好きなように聴いてくれているなと。それこそがいい景色やなと僕は思うんです。みんな一緒の動きをしたりするのも楽しいだろうけど、そうではないシーン……各々の楽しみ方をするというのもライブの醍醐味だから。そういうライブができているという意味でも、『Brilliant Anthology』はいいアルバムだなと思いますね。
▲都啓一(Key)


都:先日のインタビューでも話しましたけど、今回のツアーは最初に組んだセットリストのまま、まったく変えることなく廻ってるんですね。ということは、今の形に意味合いがすごくあるということで。ライブの空気って、お客さんと僕らが共有するものじゃないですか。実際に演奏した後に反省点を踏まえてセットリストを再構築することが普通だと思うんですけど、今回はそうではない。最初は不安もあったんですよ。特にアルバムには激しい曲が少ないから、お客さんはライブでどんな受け止め方をするんだろうって。でも、そういうライブをRayflowerがやることに意味があると思ったし、お客さんが共感してくれた時に、これはすごいことだなと。成るべくしてそうなったという。『Brilliant Anthology』を作ったことで、ひとつ大きな扉を開けられたと感じています。
田澤&YUKI:それは間違いないね。
都:今までは、“Rayflowerといえばこうでしょう”みたいな型に自分たちでハメていた部分があった気がするんですよ。それはそれでよかったんだけど、そこだけを突き詰めていくのは違う気がして。そこから離れるためには勇気が必要だったし、その覚悟を決めたことで、またひとつ武器を手に入れられた。本当に良かったなと思います。
YUKI:ここ最近の僕は、ギターを録音する時、ライブのことを考えてわりとシンプルにしようと思っているんです。それは、ステージでギターを弾くことに一生懸命になるのも大事だけど、もっと会場の景色を見たり、空気を感じたいからで。『Brilliant Anthology』は、まぁまぁシンプルにした結果、今はすごくライブを楽しめています。
──前編のインタビュー時にも都さんからそういう発言がありました。
YUKI:もちろん弾くことも楽しいし、ライブ空間をじっくり感じられるから、もっと楽しい。今までのレコーディングでは自分のフレーズだったり、ギタリストとしての証だったりを残そうという気持ちが強かった感じがするけど、そういう段階はもう超えたかなというのがあって。今までとは違うアプローチを採ったことで、新たなやり甲斐を感じながらライブを重ねています。
──シンプルになったとはいえ、ギターの聴きどころは満載ですしね。2017年10月25日の新横浜 NEW SIDE BEACH!!公演を観させてもらいましたが、田澤さんはライブ前半から“ここに居るみんなでとにかく楽しもう!”という気持ちを今まで以上に出している印象を受けました。
田澤:無意識です(笑)。そう感じたとしたら、曲順がそうさせてくれている気がする。『Brilliant Anthology』の最後の曲「Brilliant Place」がセットリストの1曲目なんですけど、そのワードに引っ張られるというか。歌詞に“一緒に探そうよ”みたいな言葉が入っていて、ライブの最初にその気持ちで向かうと、2曲目以降でもそれを体現していくという感覚になるんです。
──「Brilliant Place」を1曲目に持ってきたのは大正解だったといえますね。
都:そうなんですよ(笑)。
田澤:アルバムを作った時はそれを狙ってなかったし、誰も想像してなかった。だから、いろんなことが上手くつながったと思いますね。さっきのYUKIちゃんの話にも関連するけど、技術とか技を見せる時期はすでに過ぎたというのがあって。Rayflowerがバンドとしてどういう空間を提供できるのか、どんな音楽を聴かせることができるかという真骨頂が、その次のステージなんですよ。今回のツアーでは、その入り口を見せることができている。メンバー個々が十分ハイレベルだったりするので、気持ちとしては“楽しもう、重い曲はより重く”と。シンプルな方向に自然と気持ちが向かっていて、それが良い結果を生み出しているんじゃないかな。
──分かります。結果、すごく伝わるライブになっていて、Rayflowerの曲を知らない人が観ても楽しめるだろうなと思いました。
田澤:本当ですか? それが今までのRayflowerに少し足りないところだったんですよ。だから、そう感じてもらえたとしたら、“やった!”という(笑)。
■都さんがショルキーを弾くと

■僕もテンションが上がります──YUKI
──評価の高いバンドやアーティストはそういうライブをされますよね。では、アルバム『Brilliant Anthology』収録曲をライブで演奏して、プレイヤー個人として感じたことなども話していただけますか。
都:僕もみんなと同じように、テクニックやグルーヴももちろん大事ですけど、それ以前に楽曲の世界観を表現することを大事にしたいという意識でライブに臨んでいます。そういう中でキーボードプレイヤーとして特にこだわっているのは、うちは全員のイヤモニにクリックが鳴っているんですけど、それに合わせて弾く8分音符や4分音符のグルーヴ。クリックだけに合わせると外音を聴いた時に妙な感じだったりするんですよ。かといって自分のタイム感だけで弾いてしまうと、それも違う。なので、どっちに寄せるかとか、音符の長さをどうするかといったことを毎回考えるようにしています。
──たとえば?
都:「Peppers ~孤独な道化師~」のイントロは“カカカカ”とスクエアに弾いたほうがいいのか、“カカカカー”とアクセントをつけたほうがいいのかということを演奏しながら探っているんです。“歌が入ってからはスクエアなほうがいい”みたいなことは、ライブをすることで一層分かるんですね。それに「Prisoner of evolution」の途中でシンセだけが鳴るところとかも、実は僕だけクリックをハーフにしてます。細かく刻むクリックを聴くと、どうしてもキッチリ弾きすぎてしまうから。
▲YUKI(G)


──ライブを観て、都さんのキーボードはリズム楽器としても重要な役割を果たしていることを感じました。それと、“魅せる”ということに関して言えば、ライブ前半からショルダーキーボードを使ってステージ前方でパフォーマンスされていますね。
都:そうです(笑)。ショルダーキーボードはアンコールとかの盛り上げで使うパターンが多いと思うけど、僕は3曲目くらいで前に出るという(笑)。ショルダーキーボードは鍵盤の幅が狭いし、普段とは全く違うフォームで弾くことになるから、中々難しいんですよ。でも、お客さんが喜んでくれるし、メンバーも盛り上がってくれるので、毎回やってます。僕はバンドのキーボーディスト出身なので、魅せるということは昔から大事にしているので。
YUKI:都さんがショルダーキーボードを弾くと、僕もテンションが上がりますよ(笑)。
──ギターに関してはいかがですか?
YUKI:全員がイヤモニを使うようになって、ステージ上の生音が少し小さくなったんです。それに合わせて僕もボリュームを下げたんですけど、そうするとフィードバック (アンプからの出音に弦を共振させて音が伸び続ける現象) がきれいに鳴らないんですよね。以前は音を伸ばしていれば自然とフィードバックしたんですけど、今はフィードバックするポジション (立ち位置) を探さないといけない。ギターソロのエンディングとか曲の最後とかにフィードバックさせたいんだけど、数センチずれるだけで全くフィードバックしなかったり、リハでは大丈夫でも本番になってお客さんが入るとそのポイントが変わったり(笑)。今回のツアーはそういう苦労があります。
都:リハーサルが終わった後も、YUKI君は1人でずっとフィードバックポイントを探しているよね(笑)。
田澤:“ギタリストあるある”やん(笑)。
YUKI:そうそう(笑)。あとは、僕はフレーズ的にはもうあまりトリッキーなこととかはしていなくて、メロウな方向になっているんです。なので、ライブ中の“昇天ポイント”が増えました(笑)。弾いていて気持ち良いのは「MAZE OF LIFE」の最後のギターソロとか「Prisoner of evolution」かな。
田澤:最後に“ギュオーッ!”と上がっていくやつ、いいよね(笑)。
都:曲を作った時点で、絶対YUKI君にそうしてもらおうと思ってた(笑)。「Change your Sight」も好きだな。
YUKI:どれも曲の最後をエモいギターで締めるという。今までもメロディーを大事にしていたけど、特に『Brilliant Anthology』収録曲はいいメロディーをたくさん作れたと思いますね。ギターソロが休憩とかテクニックをみせるんじゃなくて、もうひとつ歌があるという感じにアレンジできたので、それを弾くことを楽しんでいます。
田澤:ライブ中、顔がイッてるもんな(笑)。
──先ほど、“表現に徹する”という言葉もありましたが、ボーカリストとしては?
田澤:歌に関して言えば、今回のツアーは響きを守ることに徹しているかもしれない。特に聴かせる曲が並んでいる中盤のブロックは、それを死守しています。思った以上に曲へ入り込んでテンションが上がると、トーンのニュアンスがズレそうになる時があるんですよ。ほんの一瞬、そこをどうするかで迷うというか。いいやと思ってテンションのままに歌う日もあれば、“いや、伝え切らないと意味がない”と思って踏み止まる日もあるという感じです。
──踏み止まれるというのはさすがですね。
田澤:昔は無理だったんですよ。でも、最近はその場の感覚に任せるんじゃなくて、何を聴かせたいかということのほうが大事な気がしていて。お客さんが音源を聴いて“ここ、いいな”と思ってくれてるのであれば、目の前でやるべき。だから、「サバイヴノススメ」のロングトーンは絶対にやるんですよ。一回だけわざとやらなかったことがあったんだけど、その時に“これは違う。やっぱりやらなアカン”と思ったんです。その瞬間の閃きとか感情を表現していくのもライブだけど、その中にも絶対に守らないといけないことってあるんですよ。
──特に『Brilliant Anthology』収録曲は、そこをはき違えると台無しになってしまう曲が多い気がします。
田澤:そうなんです。バラードの「MAZE OF LIFE」とか「Change your Sight」はフェイクをグイグイ聴かせたいとか、メインのメロディを少し変えたいという気持ちに……十二分になるんですけど、“それは違う”と(笑)。
YUKI:大人になればなるほど、フェイクを入れたりメロディを崩したがる人が多いよね(笑)。
田澤:そうそう(笑)。ただ、その気持ちは分かるんだよね。だから、メロディを変えたりするのは、「悲劇のメシュード」みたいに自分の曲で(笑)。それでもサビは絶対に音源通りに歌ったり、ポイントを決めてます。
──両方の良いところを活かしているんですね。それに、歌の表情やダイナミクスレンジが今まで以上に広がっていませんか?
田澤:それはもうメンバーのみなさんが曲を作る時に、僕の音域を余すところなく使ってくれるからです(笑)。
YUKI:ははははは。今回のツアーの田澤君の歌は、ライブをするたびに、今まで以上に、凄くなっていくなと思っているんですよ。パワー感とか表現力が圧倒的。それを聴いていると伴奏も、よりしっかり弾こうという気持ちになる。
■歌詞は“冒険した”と思っていたけど

■今までとは違うタッチが受け入れられた──田澤孝介
──リズム隊のSakuraさんとIKUOさんは田澤さんの「歌に合わせて抑揚をつけている」と語っていました。その辺りはいかがでしょう?
YUKI:そこはリズム隊とギターでは違いがありますね。僕はレコーディング時、曲の展開に合わせてアレンジしてしまうから、リズム隊が有機的に強弱をつけているのに対して、ギターはわりとパシッと場面を変えていくという感覚です。派手にいくところは歪んだ音でコードを鳴らして、落とすところはクリーントーンにしてみたいな感じで。ドラムやベースは強弱が如実に出るけど、ギターみたいに音が歪んでいる楽器はコンプレッションが掛かっているから、それが出にくいんです。っていう意味では、弾く音の数……たとえば、8分音符や4分音符とかを使い分けて歌の熱量に合わせる部分はあります。
都:キーボードも上モノだからギターに近い感じかな。ライブの場のテンションに合わせてダイナミクスをつける部分もあるけど、レコーディングの時に、“ここは「6」くらいのボリュームで歌っている”、“ここは「4」くらいで歌っている”ということが分かるから、合わせるように鍵盤アレンジをしているんです。それに、ライブのためにパッドを足したり、聴感上あまり目立って聴こえない周波数帯をフォローしたり、逆にライブでは必要のないシーケンスをカットしたり。そういうアレンジの部分で形ができているから、ライブでも自然とダイナミクスがつくんですよね。
▲田澤孝介(Vo)


田澤:Rayflowerの場合、Sakuraさんがドラムを録る時は最終的にどんな楽曲になるのか分からない状態なんですよ。
──インタビュー前編でSakuraさんもそうおっしゃってました。
田澤:それが、ライブの時は楽曲が見えているから音源よりも強弱がつくし、特にバラードとかで僕のテンションが上がるとドラムも一緒に上がってくれるというシンクロ感がある。そこはさっき言った“瞬間の表現”の良い面で、そういう表現ができるのは生バンドならではの魅力ですよね。だから、それを楽しんでいるし、歌っていてすごく気持ちいいんです。
──Rayflowerは高いスキルを持ちつつ、“楽曲や歌を聴かせたい”というメンバーが揃っていることがよく分かる話です。ライブを観たファンの方からは、どんな声が聞こえていますか?
田澤:どうやろう? 「サンデードライバー」は、会場が思い描いた通りの盛り上がりになってますね。
YUKI:ぶっちゃけ言うと、「サンデードライバー」は俺が思っていたよりも凄いことになっている(笑)。
都:そうなんや、作曲者の予想を上回ったんだ(笑)。
YUKI:うん(笑)。ゴリゴリにハードな曲ではないのにすごく盛り上がってくれるので、演奏していて毎回楽しいです。
田澤:俺も歌っていてすごく楽しい(笑)。僕は今回のアルバム、結構歌詞で冒険したと思っていたんですよ。でも実際にライブで歌ってみたら、お客さんの中にストンと入ってたみたいで。今までとは違うタッチの歌詞が受け入れられたということは、今後につながっていくと思います。
都:お客さんの反応はツアーに出る前からイメージしていたものに近いですね。でも、「Real Game」は“こんなにノッてくれるんや”ってほどで、こっちもその反応にノせられるみたいないい相乗効果が生まれています。それに、「U-TOPIA」っていう既存曲をライブの序盤にやったら、意外とハマったんですよね。いつもは後半で演奏していたから、チャレンジだったんですけど、そういう発見もありましたね。
YUKI:前ツアーから曲と曲の“間”も考えるようになって。今回のセットリストを組むにあたって、そういうことを踏まえて曲順を入れ替えたんですよ。その結果、改良の必要がないセットリストが組めたんじゃないかなと思います。
──それは間違いないでしょうね。もうひとつ、今回のツアーでは都さんのマジックコーナーがあることもトピックといえます。
一同:ははははは! そうそうそれそれ!!
──で、この件に関しては、インタビュー前編で「YUKIさんに説明してもらったほうがいい」という話が。
YUKI:手品は元々、都さん発案ではなくて僕のMCがきっかけだったんです。ツアー前の公開ゲネプロ (最終的な通しリハーサルを客席に人を入れて行うこと) の時、「暑いから」とジャケットを脱いだ都さんが、その下にスパンコールキラキラのベストを着て、蝶ネクタイもしていたんです。
都:蝶ネクタイはしてないよっ(笑)!
田澤:ははははは。しているように見えたんちゃう(笑)?
都:蝶ネクタイはしてない。ただ、ジャケットのポケットに赤いハンカチをね(笑)。
YUKI:その姿を見て、「鳩とか出て来そうですね」と言って「オリーブの首飾り」をギターで弾いたんです(笑)。
田澤:そうそう(笑)。その話には続きがあって、ツアー2本目の京都公演の時に都さんに内緒で「オリーブの首飾り」を流して、種も仕掛けもない普通のトランプを都さんに渡したんですよ。手品ができない人が、“いかにも手品をやります”というシチュエーションで普通のトランプを渡されたらどうするのかを見てみたいと思って(笑)。そうしたら、まぁシャッフルして見せる、シャッフルして見せる、またシャッフル見せる……という動作を延々とやって(笑)。
都&YUKI:はははは! みんな大爆笑だったよね(笑)。
田澤:うん(笑)。そこから、「こんなんやったら、手品のひとつやふたつ覚えましょう」みたいな話になり。次からタネを用意するようになって、「ファイナルにイリュージョンをやります」と。
YUKI:最初は田澤君が仕掛けたドッキリだったけど、趣旨が変わったという。なによりも都さんがノリノリだった(笑)。
都:それで定着しました(笑)。
田澤:それに毎回手品というわけでもなく、「ハロウィンの時には客席に飴を投げよう」と都さんが企画したんですよ。で、本番では都さんに飴の入っていない空のバケツを渡したり(笑)。そういう悪戯をしているんです。手品も僕は毎回楽しみにしています。
YUKI:だからまぁ手品というか、お遊戯ですよね(笑)。
都:ライブ中の箸休めみたいなものです(笑)。
田澤:最近はマジックが上手くなってきたんですよ。なので、ファイナルのイリュージョンは期待してほしい。なんなら、箱に入って剣の4~5本を刺すような大がかりなマジックでも、僕はいいと思っていますから(笑)。
都:失敗して、本当に刺さっても許してね(笑)。
YUKI:ははは!
■ファイナルは集大成だけど

■景色はそれまでと全く別物──田澤孝介
──ファイナルを楽しみにしています(笑)。そのほかにもツアー中の出来事で印象に残ったことなどはありますか?
田澤:12月の高崎club FLEEZの時、みんなで富岡製糸場に行ったよね?
YUKI:僕は史跡とかを訪れるのが大好きで、メンバーのみんなで行けたのがすごく楽しかった。「これは、こうなんや」みたいなことを共有し合えて本当によかった。
都:世界遺産とか史跡を見るのが好きなYUKI君がいなかったら、移動の道すがらとはいえ、富岡製糸場はスルーしてたと思うんですよ。ツアー先ではプライベート旅行では行かないような場所にみんなで行けたりするんですよね。それが楽しかったし、いい思い出になります。
YUKI:人生のほんの1時間だったけど、僕もずっと忘れないと思います。車で廻った新潟、金沢、長野、高崎は、ちょうどドカ雪が降った時で(笑)。制限速度もあって移動に時間が掛かりつつも、みんなでいるから苦にならなかった。
田澤:車の中では音楽を聴いたり、ゲームをしている人がいる時は、みんな干渉しないんです。でも、喋る時はみんなでワイワイ。だから、長時間一緒にいても疲れないんですよね。
YUKI:無理して喋るというようなことがないから、すごくラク。それぞれが自然体でいられるので。
都:いい意味でお互いに気を遣わないよね。最初の頃はライブ後に必ず打ち上げをしたり、みんな揃ってご飯を食べに行ったりしてたんですよ。でも今は、「今日は俺、失礼するわ」というメンバーがいても「OKOK」という感じ。そういうことでギクシャクすることはないですね。
──“メンバーはいつでも一緒”というのは楽しいですが、それがストレスになることもありますからね。さて、前編後編とみなさんの話をお聞きして、いい状態でツアーを廻られていることが分かりました。ファイナルの新木場STUDIO COASTは、どんなライブになりそうですか?
田澤:このツアーの中では規模がデカい会場なので、できることがまた違ってくる。今までとはモードを切り替えないとな、と思っています。ツアーを経て楽曲がどう育ったかとか、表現がどうなったかを見せるという意味では集大成だけど、景色はそれまでとは全く別物になりますから。今回のツアーで照明は、それぞれの会場にお任せしているから、会場ごとに感じが違っていたんです。そうすると、自然とその時その時の照明に合わせた表現をするんですね。ファイナルはいつもお願いしている照明さんに入っていただいて、自分達がこうしたいという照明になるので、新しい空間が生まれるはず。ツアーで育てたものを然るべき場所で、然るべき形でお見せできる。要するに、「来てくれ」ということですけど(笑)、いいライブを見せられる自信があります。
YUKI:個人的に、新木場STUDIO COASTに行くのは初めてなんですよ。今までライブをしたことも観たこともない。想像がつかないけど、今回のツアーは毎回手応えを感じているので、必ずいいライブになります。最高の通過点にしたいですね。ツアーを締め括ると同時に、いい流れで先に繋げられるライブにしたいなと思っています。それに、恐らくファイナルは映像化されると思うので、生のライブとパッケージの両方を楽しめるという意味でも、ファイナルに来ることをお薦めします(笑)。
都:前編インタビューで僕も、「Rayflowerの未来を予感させるライブにしたい」と言いましたが、2017年に2018年を見据えてやっていたこともあるので、それが実を結ぶようにもしたい。同時に、もう次の予定をいくつか立てています。みなさんの期待を裏切らないファイナルにしたいと思っているので、2018年のRayflowerも楽しみにしていてください。
取材・文◎村上孝之
■<Rayflower TOUR 2017~2018 “Brilliant Place”>


2017/10/11(水)HEAVEN'SROCKさいたま新都心VJ-3

2017/10/16(月)京都 MUSE

2017/10/17(火)神戸 VARIT.

2017/10/25(水)新横浜 NEW SIDE BEACH!!

2017/10/31(火)旭川 CASINO DRIVE

2017/11/01(水)札幌 cube garden

2017/11/18(土)仙台 darwin

2017/11/23(木/祝)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO

2017/12/12(火)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE

2017/12/13(水)金沢 AZ

2017/12/15(金)長野 CLUB JUNK BOX

2017/12/17(日)高崎 club FLEEZ

2018/01/17(水)高松 DIME

2018/01/18(木)岡山 IMAGE

2018/01/20(土)福岡 DRUM Be-1

2018/01/21(日)熊本 B.9 V1

2018/01/23(火)広島 SECOND CRUTCH

2018/01/25(木)島根 AZTiC canova

2018/01/27(土)名古屋E.L.L

2018/01/28(日)浜松 窓枠

2018/02/16(金)東京 新木場STUDIO COAST

▼チケット

前売:¥5,000- (税込)/当日:¥5,500- (税込)

*入場時ドリンク代別途必要

*未就学児入場不可
■2ndフルアルバム『Brilliant Anthology』


2017年9月26日発売

【限定盤 (2CD+DVD)】LNZM-1212~4 ¥4,600+税

※Disc-1:CD/Disc-2:CD『All Tracks Instrumental Version』/Disc-3:DVD『Bloom Moment」Music Video& Making Of Photosession』

【通常盤 (CD)】LNCM-1215 ¥3,000+税

01.introduction

02.Preppers〜孤独な道化師〜

03.Bloom Moment

04.Real Game

05.罪に罰、黒と白

06.MAZE OF LIFE

07.サンデードライバー

08.ときに成功は失敗のもと

09.悲劇のメシュード

10.Change Your Sight

11.Brilliant Place

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