わたしの街! the peggies・北澤ゆう
ほの神保町案内
the peggiesと北澤ゆうほの原点をめぐる冒険、あるいは神保町というフォトジェニックな街の入門ガイドとしてどうぞ。
Photography_Ari Takagi
Interview & Text_ Sotaro Yamada
Edit_ Momoka Oba
the peggies・北澤ゆうほと歩く神保町
1軒目:『ラドリオ』
ゆうほ : コーヒーもおすすめだけど、朝だから牛乳も飲みたくて。いろんな喫茶店に行くんですけど、ここのクリームは最高。見てくださいこのきれいな渦! すごいフォトジェニックじゃないですか?
ゆうほ : 家で書くことが多いけど、集中力が限界を迎えたときは静かなところに行きたくなるので、たまにあります。でもラドリオで歌詞を書いたことはないですね。リラックスしすぎると書けないんです。ここは、ぼうっとしたいときや、お父さんとふたりで過ごしたいときに伺います。
ゆうほ : 歌詞は基本的にノートに手書き。文字数を合わせたり語呂合わせをしたりするときはiPhoneも使うけど、メッセージの芯の部分は手書きですね。たとえば『ネバーランド』なら、サビはiPhoneで、それ以外のところは手書きでノートに書きました。
今回はすごくリアルに歌詞を書いた。
ゆうほ : まず『I 御中』は、試し書きにあった一人称で“私”が一番多かったからです。面白いことに、試し書きのなかに“僕”はあんまりなかったんですよね。
――昔のインタビューで“自分のことは歌詞に反映させない”って言っている記事を読んだのですが、それからなにか変化があったのでしょうか?
ゆうほ : 変わりました。わたし、ずっと勘違いしていたところがあって。“恋愛してます”って言ったり自分の恋をせきららに歌ったりしたら、ナメられちゃうのかなと思ってたんです。でもこのアルバムを作り始めてからは、一つひとつの経験にスポットを当てて具体的に書いてもいいんだって思えるようになって。
ゆうほ : 実は、“この人がいないとわたしはダメかもしれない”ってあんまり思ったことがないんです。“思ったことがないわたし”にこれまではフォーカスを当てて、“だからわたしは強い”って思ってました。でも、好きな人と何日か過ごしたあとの別れって、その瞬間は間違いなくすごく寂しいんですよね。そういう自分の中にある女の子の要素にもっと目を向けていきたいと思うようになったんです。だから最近、Twitterにもすぐ恋愛のこと書いちゃう(笑)。
――たとえば恋人にふられたとき、自分の存在を否定されたような気持ちにはならないですか?
ゆうほ : それはそれでへこむけど、むしろ友達に“嫌い”って言われる方が絶望しちゃう。恋人にはあんまり幻想を抱いてなくて、いつかまた現れるかなって思えるんです。でも友達だと、強制的にピリオドを打たれた感というか、突き放された感じがしちゃうから。前までは、メンバーともめちゃめちゃケンカしてたんです。3人とも性格がバラバラだから、全部わかろうとすると絶対にわかりあえない部分が出てきて、それをお互い受け入れられなかったんですね。
――友達を神保町に案内することもありますか?
ゆうほ : ありますね。最近、インスタ映えするからって神保町にたくさん人が来るんですけど、その度に“わたしが案内するのに!”って思う。友達のインスタに神保町が出てくるとちょっと嫉妬もしますね、“わたしの神保町!”って(笑)。
――じゃあ今日はたくさん案内してください!
ゆうほ : はい!
住所:東京都千代田区神田神保町1-3
電話:03-3295-4788
営業時間:
平日 11:30~22:30(L.O.22:00)
土日 12:00~19:00(L.O.18:30)
街全体が大きな図書館みたいなもの。
ゆうほ : あそこ、初めてまあちゃん(石渡マキコ)と遊んだガストです。まあちゃんとはよく2人で『神保町花月』にお笑いを見に行ってて。そのときにここでご飯食べてました。“クイック・レストラン”って名前の通り、料理が出て来るのすごく早いんですよ。名前に嘘がない(笑)。
当時中学2年生、まぁちゃんと初めて2人で遊んだ時に行ったガストです pic.twitter.com/yJHwBHyuTZ
— 北澤ゆうほ ぽ ぽっぽ ぽ (@poppoexpress) 2017年11月8日
ゆうほ : あそこにある『文華堂書店』は歴史関連の本を扱ってるんですけど、わたしは歴史が好きだったので、夏休みの自由研究のときにここで資料を集めたりしてました。
ゆうほ : そうなんです。あと、小学生の頃はアイドルがすごく好きだったので、昔の『Myojo』を買いに来たりもしてました。特にHey! Say! JUMPと、当時結成したてのKis-My-Ft2が大好きで。バンドを始めるまでは、お小遣いを全て使い込むほどゴリゴリのジャニヲタだったんですよね。
……と、このように、『ラドリオ』を出てたった数メートルなのに見どころがたくさん。街のあちこちにゆうほさんの思い出が詰まっていて、次から次へとオススメのお店と、それに関するエピソードを話してくれる。だから時間が過ぎるのがあっという間。気付いたときには、目の前に『北沢書店』があった。
2軒目:『北沢書店』
母 : 小さい頃から頑固な子でした。お勉強はそんなに好きじゃなかったし、人に使われるタイプでもないので、社会人になったらすごく苦労するんじゃないかと心配していたんです。“好きなことがある”というのは素晴らしいことですよね。
母 : 全然思わないですよね。中学生になって軽音楽部に入ったんですけど、活動に参加せずに帰って来ちゃって、先生から“来させてください”ってお電話が来たことも。でも彼女(ゆうほ)が言うには、“誰も教えてくれない”と。“みんなそれぞれグループを組んで自分たちでやってるだけだから、あれじゃうまくならない”って。だから神保町にあるヤマハのギター教室に通わせるようになったんです。他の習い事(作文や塾)はすぐ辞めちゃうのに、ギターだけは珍しく続いたんですよ。
話を聞いているうちに、『北沢書店』の3代目店主、つまりゆうほさんのお父さんが到着。お父さんとゆうほさん、見るからにすごく仲が良い。お父さんにも話を聞いてみた。
父 : 彼女はずっと良い子でしたよ。僕はすごくラッキーで、娘に嫌われたことがなかったと思います。
ゆうほ : 女の子特有の“お父さんが気持ち悪い”とか言い出す時期もなかったよね。一昨年もふたりで福島の温泉に行ったくらいだし。
父 : 僕もこの年になって、20歳前後の子とふたりっきりで温泉旅行するとは思いませんでした。
ゆうほ : 楽しかったね!
住所:東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル2F
電話:03-3263-0011
営業時間:
平日 11:00~18:30
土曜 12:00~17:30
web http://www.kitazawa.co.jp/index.html
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ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。