【ライヴレポ】チャン・グンソク「僕
の願い事はうなぎを裏切らないし永遠
に守ること」愛し愛され与え合う絆で
歩む終わりなき旅

2年ぶりとなる新作アルバム『Voyage』を昨年8月にリリースし、全国5都市を回るホールツアー『JANG KEUN SUK THE CRISHOW IV-Voyage-』を全公演ソールドアウトの内に終えたチャン・グンソク。自身にパワーを与えるという意味で“うなぎ”と呼ばれるファンたちと共に歩んだ華麗な“Voyage(=旅)”は、さらに1月の大阪城ホール2DAYS、2月の東京・武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナ3DAYSと追加されたアリーナ公演で、ハッピーエンドの幕を閉じた。その中から2月9日、東京公演の初日の模様をお伝えしよう。
ライヴ中に彼自身が語ったように「喜怒哀楽という人間だったら絶対に感じられる感情が入っている」今回のツアー。“いつもそこにあった あの陽射しのように 僕らの歌は いつも眩しいほどに輝いている”という文字と共に、大自然の模様が映し出されるオープニング映像から紗幕が落ちると、『Voyage』の幕開けを飾る「Darling Darling」から、まずは“喜”のパートで軽やかにライヴはスタートした。“私”を一人称に“こんなに好きになってもいいですか?”と、うなぎに投げかけるように、曲の合間にさりげなくウインクを贈り、バックの音に合わせてブラスや鍵盤を演奏する振り真似する様も、まさしく、うなぎたちと共に旅する“喜び”を表しているかのようだ。
ハッピーな曲で場内にペンライトの海を招き、この3日間は初めての会場ということで緊張感があったと告白しながらも「うなぎたちと一緒ならどこでもイケるな!と思った。全国のうなぎから応援をもらって、今は自信満々だからね」とキメたあとは、一転“怒”のブロックへ。背後に浮かぶ大きな月が燃え立つ「Let me cry」から黒のエナメルジャケットを羽織って、エレキギターの唸るワイルドなロックチューンをエネルギッシュに叩きつけていく。生来の低音ボイスを活かし、ハードかつ危険なムードを振りまいていく様は、先ほどまでとはまるで別人のよう。しかし、どちらも魅力的であることに変わりはない。
「今回のライヴが終わったら……韓国に戻って、次の日から新しいドラマの撮影です」と、ここで嬉しい知らせを届け、この日に開幕する平昌冬季オリンピックの広報大使として聖火ランナーを務めたエピソードも。現地に大勢のファンが集まり、ネット中継もサーバーがダウンしたことから「世界で応援してくれているうなぎのエネルギーを感じられました。本当はオリンピックに行かなきゃだったけど、その前にうなぎたちとの約束があったから……」と、集まったオーディエンスを喜ばせる。
輝く銀河の中で星座が彼の顔を象るロマンチックなヴィジョンからは、“哀”の物語がスタート。紺色のシャツにチョーカーというシックな装いで「会いたくて」を皮切りに、マイクとの距離を巧みに操って、より深く声を響かせながら、今度は心震わせるバラードを紡いでいく。ステージ下手に設えられた私室でベッドから歌う「卒業旅行」、上手で駅のベンチに腰かける「君ならどんなふうに」と、歌詞に合わせて流れる星をバックに切ないストーリーを心情表現豊かに魅せる姿は、見る者のハートを撃ち抜くばかり。さすが“アジアのプリンス”と呼ばれるにふさわしい。
「ファンのエネルギーを貰ってキラキラ輝くのが僕らの運命。見えなくても隣には誰かがいる。私のファンになってくれてありがとう。私もあなたたちのファンだから、一日一日希望的な日を作りましょう」
たったひとりそびえ立って寂しそうに見えても、足元には多くの観光客が集まっている東京タワーとアーティストである自らの身を重ね、そう語ってからの“楽”のセクションでは、うなぎたちが大きくペンライトを振る「Parade」で頭からハッピーな一体感を作り上げていく。続く「Tomorrow」では昨年のデビュー25周年を祝して、オーディエンスが一斉に“We are with you”と書かれたフラッグをはためかせるサプライズも。その光景に「みんな何、持ってる?デモかと思った!」と驚いてみせながら、「子役から25年、まだまだ挑戦したいという仕事を探してこられて、僕はすごく幸せな人だと思います。今から25年も、まだまだ走れます。一緒に付いて来てください!」という頼もしい宣言で、うなぎの愛情に応えてくれた。ファンの想いに、ここまで寄り添ってくれるからこそ、チャン・グンソクの人気はこんなにも不動のものとなっているのだろう。
本編ラストは「私が一番好きな曲」と重心の低いロックバラード「Turn off」を、客席の手拍子に乗って渾身の力で歌い上げ、「みんな覚えているよな?一緒に歌うからな!」と「Don’t be afraid」で大合唱!ロードの風景をバックに“転がり続ける この道の彼方へ”と、まさに“Voyage”を体現するリリックに銀テープが舞い、「ありがとう!うなぎ最高!」と感動的に幕を閉じるが、もちろんこれでうなぎたちが満足するはずもない。満場の「チャン・グンソク!」コールに、今度は「こっちだし!」と帆を張ったゴンドラに乗ってアリーナに現れ、投げキスとほのかな香りを振りまきながら、アリーナ客席をぐるりと一周。さらに「本当に最後の曲です。“もう一回”はない!」と念押しして「Nature Boy」で一斉に跳ねながらも、案の定湧いた“もう一回!”コールに「やられたらやり返す!」と「Indian Summer」で腰をくねらせるサービス精神には脱帽である。
「僕の願い事はいつも同じです。みんながうなぎになったことを後悔しないように止まらないし、裏切らないし、永遠にうなぎを守ること」
ファンからすればこれ以上はない嬉しい言葉を残して、ステージを去ったチャン・グンソク。追加公演で新たに設置された巨大LEDも、彼自身のアイディアだったという。自らに愛情という名のパワーを与えるうなぎたちへ向ける彼の愛情もまた、実にパワフルなもの。愛し愛され与え合う理想的な絆を携え、彼らの“旅=Voyage”は、まだまだ続くのだ。
文/清水素子
(c)FRAU INTERNATIONAL

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